小学校6年次において, 「物質とその性質が変化する」という化学変化の学習が始まり, 統合された物質観の形成が必要になる。本研究では, 小学校6年「燃焼」単元において, 化学変化の概念の形成を促進するための単元開発をおこなった。単元構成は, 教科書教材による学習をもとにして, 発展教材によって概念を拡張する構成とした。発展教材は, 物質の変化の事例を用いて教科書による学習を日常生活における利用事例から環境問題解決事例まで, 多段階の連続的な外挿によって拡張することにより, ①反応物質から生成物が作られること, ②反応物質に相互作用が生じること, が理解できるように構成した。実践授業の結果, 発展教材によって化学変化の概念形成だけではなく, 教材の社会的価値を中心とした理科の学習に対する意欲が向上したことが確認された。
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