外食産業の成長は日本経済,社会情勢の変化の影響を受けてきた.その中で驚異的な発展,成長してきた企業もあれば,その一方で,繁栄の期間を永く維持できずに衰退していった企業も数多くある.本論文の目的は外食産業を代表する企業を中心に,企業が繁栄を謳歌できる期間,つまり企業の寿命について検証することにある.日本経済新聞社の「日本の飲食業ランキング調査」を用い検証の結果,1981 年以降の10 年ごとに売上高上位100 社ランキングに名を連ねた企業は,213 社であった.また,外食産業の企業の平均的な「企業の寿命」は20 年足らずであった.上位100 社にランク入りした外食企業は10 年で半数が,20 年で80%の企業がランキングから消えていく結果となった.すべての期間ランク入りし,尚且つ継続的に売上を上昇させ続けている企業は7 社であった.
抄録全体を表示