症例は59歳女性で,全身の色素沈着と右乳房腫瘤を主訴に来院した.皮膚病変が強く,角質増生があり,全身の色素沈着が著明なため黒色表皮腫と診断した.また乳頭腫瘤に関しては,他院による生検および本院の画像所見により,T
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1c/stage IVの乳癌と診断した.まず術前に動注療法を行い,ついで定乳切を施行,術後は化学内分泌療法施行中であり,皮膚病変の軽快傾向が認められている,また全経過を通して他の悪性腫瘍の併存は認められなかった.
最後に以上のことより,本症を乳癌に併存した黒色表皮腫として報告する.
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