「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で規定されている感染症の多くはズーノーシスであり,
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の届出義務も規定されている. ところが, 今まで
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を含めた動物病院スタッフのズーノーシスに対する意識に関するアンケート調査はなく現状分析も行われていない. そこで富山県内動物病院スタッフに対するズーノーシスの意識に関するアンケート調査を実施した. アンケートの回収率は52.5%であった. すべての人がズーノーシスという言葉をきいたことがあり, ズーノーシスの意味を知っている人は98%であった. ズーノーシスの教育を受けたことのある入は
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75%, 動物看護士等66%であった. ズーノーシスが今後増加する傾向にあると思う入は
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92%, 動物看護士等79%であった. ズーノーシスについて飼い主から質問されたことがあると答えたのは
獣医師
87%, 動物看護士等51%であった. 法に
獣医師
の届出の項目があると思うと答えた人は
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96%, 動物看護士等88%であった. ズーノーシス治療の最前線にいる動物病院スタッフはズーノーシスに対する認識意識が高く, 知識も正確であり, 新たな疾患についてもすばやく情報収集している姿勢が認められた. このような現状認識に基づいて医療と獣医療の連携を図りつつ, ズーノーシスに関する情報の収集, 分析, 提供の体制を整備することにより, 有効な体制整備が可能である.
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