Carbon tetrachloride (CCl
4) による肝障害時には, 3, 4-benzpyreneの胆汁内排泄と胆汁流量が正常時のそれに比べてどのように変化するかをラットについて検討し, 次の結果を得た.1)
14C-3, 4-benzpyrene (
14C-BP) を静注した場合, 1時間内に胆汁に排泄された
14Cは, 無処置ラットで投与量の35.5%, CCl
4投与 (0.5ml/kg, p.o.) 24時間後のラットでは9.7%であった.2) 胆汁に排泄された
14C-BP代謝物のパターンは, 無処置ラットでも, CCl
4前処置ラットでも変らず, 未変化の
14C-BPは検出されなかった.3) Bile fiowはCCl
4投与24時間後において最も減少したが,
14C-BP代謝物の排泄の減少は, bile fiowの減少よりむしろ肝臓における
14C-BPの代謝障害によるものと考えられた.4)
14C-BPの胆汁内排泄に対するCCl
4の影響は, 絶食またはSKF-525 Aの前処置 (CCl
4投与50分前, 50mg/kg, i.p.) によって減少した.
抄録全体を表示