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クエリ検索: "甲状腺癌"
11,941件中 1-20の結果を表示しています
  • 増田 正孝, 吉住 孝之, 皆川 博美, 松坂 俊光, 池尻 泰二, 菊池 昌弘
    医療
    1979年 33 巻 12 号 1178-1183
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1963年から1978年までに国立福岡中央病院で外科療法を行つた
    甲状腺癌
    100例について, 術前診断, 遠隔成績と術後療法の検討を行つた.術前診断では,
    甲状腺癌
    の31%が良性結節性甲状腺腫とされ, 14%が側頸部腫瘍であつた. 術前診断適中率は55%であつた. 遠隔成績では, 組織型が乳頭腺癌か濾胞腺癌で進行度がIかIIの症例の予後は極めて良好であつたが, 未分化癌や乳頭腺癌の進行度IVの症例は極めて悪かつた. 年令因子と死亡症例の検討から, 高令者になるほど他病死例が多く, また未分化癌や悪性リンパ腫がみられ, 進行度皿IVの症例が多く, 男性の死亡率が高い. 術後療法の検討では, 術後照射や化学療法の効果が遠隔成績と相関しなかつた.
  • 遠藤 哲夫, 佐藤 方信, 吉田 博, 矢川 寛一
    日本内分泌学会雑誌
    1978年 54 巻 9 号 1007-1015
    発行日: 1978/09/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    A total of 747 cases of malignant neoplasms of the thyroid reported in the “Annual of the Pathological Autopsy Cases in Japan” during the past 5 years (1969-1973) were reviewed and statistically analysed.
    Histological diagnosis in this series were papillary carcinoma in 323 cases (51.8%), follicular carcinoma in 143 cases (22.9%) and anaplastic carcinoma in 102 cases (16.3%). The average age of patients at autopsy was 58 years for papillary carcinoma cases, 62.4 years for follicular carcinoma cases and 61.7 years for anaplastic carcinoma cases. The incidence of metastasis to lymph nodes and to organs was 47.3% and 51.5%, respectively in cases of follicular carcinoma and 73.3% and 98.0%, respectively in cases of anaplastic carcinoma. Autopsy revealed an otherwise unnoticed thyroid cancer in 457 cases, which accounted for 61.2% of the entire autopsy cases of malignancy of this organ. A so-called multiple cancer, i.e. the concurrence of carcinomas in the thyroid gland and other organs, was seen in 239 cases (32.3%).
  • 新井 正明, 遠藤 敬一, 平井 利和, 東 正明, 金沢 稔, 川野 賢一, 三瓶 善康
    医療
    1990年 44 巻 8 号 786-789
    発行日: 1990/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1984年1月から1988年6月までに当院で施行された甲状腺手術症例は296例で, このうち
    甲状腺癌
    が57例(19.3%)を占めた.
    当院における甲状腺結節の手術適応は, 結節が癌を否定できない場合としており, 良性と考えられても, 直径2~3cm以上の比較的大きな結節や, 気管偏位を伴う結節, 縦隔内甲状腺腫, 機能性結節, シンチグラム上coldな結節, 石灰化を伴う結節は, 手術する方針で臨んでいる.
    術式は, 結節が良性と考えられても, 核出術は避け, 葉部分切除以上を選択している.
    甲状腺癌
    57例のうち, 最大径が1cm以下のいわゆる微小癌が14例(24.6%)存在した. これは当院の症例に集団検診による早期例の占める割合が高いことによると考える.
  • 立野 育郎, 多田 明, 長束 秀一, 高仲 強
    医療
    1987年 41 巻 2 号 141-146
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    局所進展, 再発, 遠隔転移を示す未分化癌を除く進行甲状腺分化癌82例に対して, 131I大量投与治療, 外照射などの放射線療法を含む集学的治療を行つた. その10年生存率は, 初発例で85.1%, 再発例で60.0%であり, 長期生存がみとめられた. 進行
    甲状腺癌
    でも, 可能なものは局所の手術が第1手段であるが, 131I大量投与治療は副作用もなく, 病巣に1311摂取がある限り, 反復して行える効果的な制癌療法であり, 投与された131Iの総量は300mCi以内であつた. 外照射は, 残存腫瘍の縮小や神経圧迫症状の改善に有効な症例を経験した. 甲状腺ホルモンの投与によるTSHの抑制も, 残存癌, 転移症例に対する支持療法として, またreplacement therapyとしても有用であつた. 分化癌の未分化癌転移についても, 症例を呈示して留意すべきことを述べた.
  • 金子 昌幸, 小林 光道, 菊池 文利
    歯科放射線
    1986年 26 巻 1 号 31-41
    発行日: 1986年
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    A case of double cancer observed in the parathyroid gland and thyroid gland is presented which caused hyperparathyroidism and hypothyroidism.
    The patient was a 66-year-old woman admitted to the Department of Dental Radiology, Higashi Nippon Gakuen University Dental Hospital, with the chief complaint of frequently occurred pathological bone fractures. Noteworthy events were not seen either in the family history or in the patient's past history. Physical and laboratory examinations revealed that the symptoms were attributed to hyperparathyroidism.
    The panoramic radiograms obtained to detect the osseous changes in the maxillofacial regions showed a cotton-wool appearance in the maxilla and a lace-like appearance in the mandible. The conventional radiograms taken on the first admission to examine the whole body skeleton demonstrated a remarkable cotton-wool appearance in the skull, polycystic lesions in the humeri and femurs, and many other osseous changes in the whole body skeleton.
    The spot scan bone scintigrams obtained with 99mTc-MDP showed unusual accumulations in the skull, maxilla, humeri, costae, scapulae, femurs, pelves, thoracic and lumber vertebrae, corresponding to the radiographic findings. The whole body scan bone images displayed many other abnormal accumulations in the whole body skeleton.
    The thyroid scintigram obtained with Na123I revealed an extremely decreased accumulation in the thyroid gland and a well defined ovoid shaped cystic lesion in the left thyroid lobe. The thyroid 123I uptake (24 hours) was 3.4%.
    Histological examinations revealed a parathyroid cancer combined with a thyroid cancer.
  • 高浪 巌, 柳内 登, 小林 紘一, 鈴木 隆, 玉井 誠一
    医療
    1979年 33 巻 12 号 1199-1201
    発行日: 1979/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    甲状腺癌
    の浸潤により気道狭窄症状を呈する場合がある. 気道浸潤部を放置する姑息的手術ではその予後は良くない.
    甲状腺癌
    の中で悪性度の強い未分化癌を除いて気道浸潤部にも積極的な根治的外科療法が必要である. 気管浸潤に対しては気管の端々吻合による気道再建が今日さかんであるが, 気管に限局せず喉頭にまで進展している場合, 喉頭の再建はむずかしく, 喉頭合併切除をせざるをえない場合が多い. 我々は分化型
    甲状腺癌
    が気管喉頭に浸潤し気道狭窄を呈した症例に,
    甲状腺癌
    とともに6気管輪を含む気管喉頭合併切除した症例を経験したので報告する.
  • 高嶋 成光, 平井 隆二, 横山 伸二, 和田 豊治, 森脇 昭介
    医療
    1981年 35 巻 8 号 697-702
    発行日: 1981/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    手術甲状腺296例の検索から発見した長径1.0cm以下の微小癌16例について臨床病理学的検討を行うとともに, 剖検甲状腺691例より見いだした微小癌と対比した.
    手術例は頸部リンパ節転移より微小癌の存在が疑われるものが多いが, 原発巣の触知は困難である. 他病変の手術でも本症の存在を念頭におき, 詳細に甲状腺を観察することが重要であり, 特に白色瘢痕様組織には十分注意を払うべきである.
    形態学的に剖検例と比較すると, 手術例では,
    甲状腺癌
    の初期像をとどめていると考えている非硬化癌が少なく, 原発巣は硬化癌の形態を示し, 微小ながら, 転移巣で盛んに増殖するものが多く, 未分化癌への移行を認めた症例もあり, 微小癌といえども治療に関しては通常の
    甲状腺癌
    と同様に取り扱うべきである.
  • 10歳未満の小児甲状腺癌本邦報告例の検討
    大嶋 清宏, 石田 常博, 草場 輝雄, 坂田 一宏, 柿沼 臣一, 津田 京一郎, 小山 徹也
    日本臨床外科医学会雑誌
    1996年 57 巻 3 号 551-555
    発行日: 1996/03/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    9歳男児の甲状腺濾胞癌の1例を経験したので報告する.症例は9歳男児で, 8歳時母親が右前頸部腫瘤に気付いた.初診時,甲状腺腫は右葉中下部で2.0×1.8cm大,穿刺吸引細胞診はClass IIであった. 5カ月後,腫瘤の増大傾向を認め,穿刺吸引細胞診でもClass IIIであったので
    甲状腺癌
    を疑った.甲状腺右葉峡部切除・リンパ節郭清を施行した.腫瘍は2.4×1.8×1.5cmで,病理組織学的には, follicular carcinoma, widely invasiveであった.気管周囲リンパ節に2個の転移を認めた.術後12カ月の現在,再発の徴候を認めず,外来通院中である.
    10歳未満の小児
    甲状腺癌
    は非常に稀であり,自験例を含めた本邦報告の14例を文献的に集計し,その臨床病理学的特徴について分析した.
  • 牧内 正夫, 堀 利雄, 井之川 孝一, 岩浅 武彦, 久米田 茂喜, 伊津 野格, 山下 幸作
    医療
    1986年 40 巻 5 号 394-399
    発行日: 1986/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    甲状腺分化癌の進行例は, たとえ血行転移を伴う場合でも, 積極的に頸部から完全に病巣を切除している. これは, 血行転移を伴う例にも長期生存があり, 直接死因が頸部の腫瘤による気道の圧迫, 閉塞, 大出血によることが多いからである. また, 甲状腺全摘後には遠隔転移に131I集積が認められることがあり, この場合は131I治療が適応になる.
    著者らは, 甲状腺濾胞癌の血行転移に対する131I治療で長期の生存を多く経験している. 最近濾胞癌の胸椎転移例で, 治療後7年目に未分化癌の再発で死亡した症例を経験した. その原因については種々考えられるが, この点は131I治療の合併症として常に念頭におかねばならない事実である.
    また, 濾胞癌で131I集積を欠く胸椎転移例で, 外照射を試みたところ, 下半身麻痺が消失した. 分化癌は放射線感受性が低いといわれるが, 試みてよい治療手段と考えられるので, 併せて報告した.
  • 相吉 悠治, 牛尾 浩樹, 菅間 博, 植野 映, 平野 稔, 田中 秀行, 八代 享, 森島 勇, 石川 智義, 添田 周吾
    日本臨床外科医学会雑誌
    1992年 53 巻 8 号 1836-1841
    発行日: 1992/08/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    1cm以下の微小
    甲状腺癌
    の中で,甲状腺周囲組織に浸潤していた2例を経験した.症例1は41歳女性.乳房超音波検査に際して行われた甲状腺超音波検査で,右葉中部に8mm大の腫瘤が発見された.超音波ガイド下穿刺吸引細胞診で
    甲状腺癌
    と診断された.甲状腺腫瘤は触知されなかった.甲状腺右葉・峡部切除を行ったが,気管面に腫瘍の遺残が認められた.気管粘膜を残して, 2気管輪の部分切除を行った.病理学的診断では硬化癌で,気管軟骨の近傍に腫瘍の浸潤が確認された.症例2は46歳女性.乳房超音波検査に際して行われた甲状腺超音波検査で両葉に腫瘤が発見された. 3年後に行われた左葉中部腫瘤の超音波ガイド下穿刺吸引細胞診でclass IIIとされた.甲状腺左葉に1cm大の結節を触知した.甲状腺左葉切除と右葉結節の核出を行った.病理組織学的診断は5mm大の硬化癌で,甲状腺周囲の脂肪組織に浸潤を認めた.
  • 井上 貴博, 冨田 俊樹, 川崎 篤, 星 道生, 小出 紀
    耳鼻咽喉科展望
    1995年 38 巻 2 号 216-221
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺の分化癌は, 他の悪性腫瘍に比較して予後が良い疾患で, 前頸部腫瘤を主訴とすることが多い。今回我々は, 巨大頭頂部腫瘤を主訴とした甲状腺濾胞癌の頭蓋骨転移例を報告した。頭部腫瘍の診断のもとに切除術が施行され, 病理組織学的診断にて
    甲状腺癌
    の転移が疑われた。精査の結果, 甲状腺腫瘍が認められ, 甲状腺は全摘した。頭部転移巣は極めて易出血性であったため, 2回に分けて全摘したが, 出血量の軽減に塞栓術は極めて有用であった。術後約1年の現在, 経過良好で, 切除可能ならば積極的に手術すべきと思われる。
  • 佐々木 悠, 白日 高歩, 鈴木 九五, 栄本 忠昭, 奥村 恂
    日本内分泌学会雑誌
    1991年 67 巻 6 号 655-665
    発行日: 1991/06/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    This is a report of a quite rare case of occult papillary carcinoma of the thyroid in which the initial clinical manifestation was a solitary lung metastasis.
    A 58-year-old woman was referred to the Fukuoka University Hospital because a coin lesion approximately 5cm in diameter was detected in the right lower lobe of the lung by routine roentgenographic examination. This abnormal finding by chest X-ray had been pointed out about fifteen years before. Although she did not remember the exact size of the lung tumor, it had grown minimally since that time. Otherwise, she had been in good health all her life. No abnormalities in clinical and laboratory tests were found on admission. The tumor was clinically suspected to be of benign nature (probably sclerosing hemangioma), and pulmonary lobectomy was performed. Microscopic examination of the tumor revealed a papillary carcinoma with focal areas of follicle formation and colloid production, consistent with metastatic thyroid carcinoma. Immunoperoxidase stain for thyroglobulin was strongly positive in the tumor, and this finding confirmed the thyroid origin.
    Repeated physical examination of the thyroid gland, thyroid scan, and thyroid function tests were all unremarkable, however, she was closely followed up for two years. Then, a thyroid nodule with cystic change was detected on the ultrasonograrm. The patient underwent a right hemithyroidectomy, disclosing papillary adenocarcinoma histologically.
    This case suggests that thyroid cancer should be considered as possible primary site in cases of long-standing coin lesion on chest X-rays in patients without remarkable complaints and in whom the primary site is unknown. A search of the literature has revealed only five cases with occult thyroid carcinoma associated with solitary pulmonary metastasis.
  • 岩本 勲, 綾部 公懿, 川原 克信, 母里 正敏, 橋本 哲, 伊藤 重彦, 富田 正雄
    日本臨床外科医学会雑誌
    1987年 48 巻 12 号 1953-1956
    発行日: 1987/12/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    頸部リンパ節の生検によって
    甲状腺癌
    と診断され,その後の超音波検査, CT検査などにより甲状腺に腫瘤の存在を確認した5症例を経験し,そのうち4症例は微小甲状腺腫であった.症例は全例女性であり組織所見は乳頭癌で,なかでも,興味ある例として各々,乳癌,子宮癌の術後,外来通院中頸部(鎖骨上窩)リンパ節腫大がみられ,原発癌からの転移を疑ったが,重複癌であった症例を2例経験した.
    甲状腺癌
    の約16%に微小癌が存在すると言われ,リンパ節転移は上内深頸リンパ節,下内深頸リンパ節(鎖骨上窩)転移例が多く,頸部リンパ節腫脹の約37%程度は悪性であることを念頭におき,頸部リンパ節の触診は充分に注意して行なう事と,腫瘤を触れた場合は積極的に生検すべきことを強調する.
  • 林 武史, 池田 賢一郎, 五味渕 寛, 嶋根 俊和, 三邉 武幸
    昭和医学会雑誌
    2012年 72 巻 3 号 366-370
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/14
    ジャーナル フリー
    当科で甲状腺乳頭癌の診断で一次治療を施行した48例について検討した.術前診断として超音波検査,CT,穿刺吸引細胞診などで頸部リンパ節転移,被膜外浸潤の有無を検査している.
    甲状腺癌
    において術式や頸部リンパ節転移については比較的検討されているが,それと被膜外浸潤との関連についての検討はあまりみられない.今回われわれは被膜外浸潤および頸部リンパ節転移症例の手術術式と術前の超音波診断について検討し,被膜外浸潤と頸部リンパ節転移との関連を考察した.超音波検査の被膜外浸潤と頸部リンパ節転移に対する敏感度は高くなく,今後の検討を要する.予後因子として頸部リンパ節転移が重要因子であることは既知であるが,本検討から被膜外浸潤も同様に重要であると考えられた.また,今回ハイリスクである被膜外浸潤例と非被膜外浸潤例との間の術式の違いに有意差はみられず,今後慎重に経過をみていかなくてはならない.
  • 大久保 澄子, 田中 克浩, 野村 長久, 山本 裕, 池田 雅彦, 山本 滋, 紅林 淳一, 園尾 博司
    日本臨床外科学会雑誌
    2002年 63 巻 10 号 2358-2361
    発行日: 2002/10/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    当科で経験した小児・若年者
    甲状腺癌
    14例について検討した.男女比1:2.5, 年齢6~19歳だった.主訴は頸部腫瘤が13例と最も多く,術前診断は血中サイログロブリン値測定と穿刺吸引細胞診が比較的診断率が高かった.手術方法は全摘6例,亜全摘7例,葉切除1例で,リンパ節郭清は12例に行った.全例乳頭癌でリンパ節転移陽性は10例(71%)だった.肺転移は3例(21%)に認めたが現在全例生存中である.小児・若年者は早期からリンパ節転移や肺転移をきたしやすいため,正確な術前評価,手術方法の決定,厳重な術後経過観察が必要だと考えた.
  • 浜田 弘巳, 佐々木 文章, 秦 温信, 田村 元, 萩原 良治, 阿部 毅, 佐藤 直樹, 内野 純一
    日本臨床外科医学会雑誌
    1990年 51 巻 1 号 23-28
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    喉頭・気管に浸潤した甲状腺分化癌例に対し,喉頭・気管の合併切除術を施行した.これらの症例について検討を行った.
    臨床症状では,前頸部腫瘤が主訴であったものが最も多く,一方,呼吸困難,嗄声等の周囲組織への浸潤を疑わせる症状を示したものは半数にすぎなかった.画像診断では,粘膜まで浸潤した例ではCT,気管支鏡が有用であったが,それ以外の例では手術前の診断は困難であった.
    手術は喉頭全摘1例,円窓切除3例,層状切除8例であった.病理組織学的診断による気管への浸潤の程度は,粘膜まで3例,軟骨および輪状靱帯まで3例,外膜まで3例,浸潤なし3例であった.
    術後の成績は,気管の局所再発をきたした症例は現在までのところ認めず,全例生存中である.
    以上より喉頭ないし気管の合併切除を行うことは局所の再発を防ぐうえで有効な治療法であると考えられた.
  • 中村 弘樹, 東野 正幸, 大杉 治司, 裴 光男, 前川 憲昭, 上野 哲史, 安田 晴紀, 徳原 太豪, 谷村 慎哉, 福長 洋介, 木下 博明
    日本臨床外科医学会雑誌
    1991年 52 巻 9 号 2047-2052
    発行日: 1991/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    食道狭窄で発見された甲状腺濾胞癌の一切除例を報告する.症例は嚥下困難を主訴とする72歳女性.食道造影,内視鏡検査で食道狭窄を認め,甲状腺シンチグラフィー,超音波検査では
    甲状腺癌
    食道浸潤が疑われた.術中迅速病理検査で,食道狭窄は
    甲状腺癌
    リンパ節転移巣の浸潤によるものと判断された.そこで,甲状腺全摘出,喉頭摘出,頸部食道切除,永久気管瘻形成,両側頸部リンパ節郭清を行い,食道は遊離空腸にて再建された.術後の病理組織検査の結果は,甲状腺左葉原発の濾胞癌であった.
    甲状腺癌
    が浸潤する臓器としては,気管,内頸動静脈が多い.本症例は甲状腺の主病巣は小さく,転移リンパ節が食道に浸潤して発見された.
    甲状腺癌
    の分化型腺癌は周囲臓器に浸潤しても,合併切除が行えれば,一般に予後は良好で,本例も術後1年6カ月の現在,再発を認めず経過良好である.
  • 竹村 雅至, 井川 澄人, 岩本 広二, 木下 博明
    日本臨床外科医学会雑誌
    1994年 55 巻 7 号 1728-1731
    発行日: 1994/07/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    著者らは最近腰痛を主訴として来院,精査の結果,甲状腺を原発とする濾胞腺癌の腰椎転移と診断された症例を経験したので報告する.症例は55歳男性.腰痛で来院し腰椎X線検査で第二腰椎に病的圧迫骨折を認めた.腰椎CT検査,腰動脈造影検査で腫瘍像の存在を得たため腰椎生検を行い,転移性癌と診断した.ついで甲状腺検査を行ったところ,右葉に2.3cm,左葉に4mmの腫瘍の存在が確認された.以上より甲状腺オカルト癌と診断し,甲状腺亜全摘術及び頸部リンパ節郭清を行った.
    オカルト
    甲状腺癌
    は転移巣によってはじめて発見され,術前に原発巣がまったく触知されないような
    甲状腺癌
    とされている.本症例は,大きさからは微小
    甲状腺癌
    に分類されるが,転移を来しており積極的な治療及び術後の充分な追跡が必要と思われる.
  • 清水 直樹, 家根 旦有, 岡本 英之, 細井 裕司
    小児耳鼻咽喉科
    2008年 29 巻 1 号 29-32
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    奈良県立医科大学耳鼻咽喉科では1990年から2006年の過去17年間に7例の小児
    甲状腺癌
    を経験した.これは当科で手術を施行した甲状腺悪性腫瘍全体の1.6%に相当する.性別は男性3例,女性4例で,年齢は8~16歳,平均年齢は11.6歳であった.病理組織型は,乳頭癌6例,濾胞癌1例と,成人同様乳頭癌が多く認められた.乳頭癌のうち,びまん性硬化型乳頭癌と診断した症例が1例,充実濾胞型の増殖を示した症例が1例あった.また全例に頸部リンパ節転移を認めた.甲状腺全摘術を施行した2症例は,術後一時的に気管切開を要した進行例であった.肺転移が認められた症例が3例あり,そのうち2例に衛後アイソトープ治療を施行した.小児
    甲状腺癌
    の予後は成人と比較し良好であると報告されているが,初診時から周囲組織への高度浸潤を認める症例や,遠隔転移をきたすなど進行癌である場合も多く,治療方針の選択には十分注意する必要であると考えられた.
  • 松浦 喜美夫, 緒方 卓郎, 金子 昭, 曳田 知紀, 小林 道也, 荒木 京二郎, 川上 文, 荒木 久美子, 倉繁 隆信
    日本臨床外科医学会雑誌
    1987年 48 巻 3 号 341-345
    発行日: 1987/03/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    小児
    甲状腺癌
    は比較的稀な疾患であるが, 6歳女児例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
    症例は6歳の女児で,左前頸部腫瘤を主訴として来院し, CT,超音波検査,シンチグラム等の画像診断より
    甲状腺癌
    を強く疑がい手術を施行した.手術所見では甲状腺左葉に3.1×2.3×2.0cm大の腫瘤を認め,術中迅速病理にて乳頭癌と診断され,左葉切除術とmodifoed neck dissectionを行った.永久標本でも,乳頭癌と診断され,リンパ節転移は総摘出リンパ節54個の内13個で,特に腫瘍近傍リンパ節に高率であった.術後経過は良好で,術前高値を示したサイログロブリン(138ng/ml)も正常に復し,術後1年6ヵ月の現在転移の徴はみられない.
    小児
    甲状腺癌
    は成人例に比ぺ発育が急速でリンパ節や肺転移がみられ,早期発見,早期の根治手術が必要と考えられた.
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