米ぬか添加の生分解性樹脂を木材用接着剤として用いた時の破断面を界面化学的観点から考察した。その結果,ポリ乳酸を用いた場合は樹脂内での凝集破壊,ポリブチレンサクシネート・アジペート及びポリカプロラクトンを用いた場合は樹脂と木材の間での界面破壊を主に起こしていることが判明した。接着強度もこれに対応してポリ乳酸の場合が最も大きかったが,接着強度は主に樹脂自身の強度が反映していた。また,生分解性接着剤の微生物数測定を試みた結果,微生物数は米ぬか含有量が多いほど多く検出された。さらに,ポリマーの分子瞳低下速度も米ぬか含有量とともに速くなった。これらより,米ぬかはこれらポリマーの生分解に大きく寄与していることが明らかになった。
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