ポリ塩化ビニル (PVC), ポリ臭化ビニル (PVBr) が紫外線照射と加熱によって分解, 着色することを利用して, 陽画感光材料ができないかどうかを, 分光感度分布, 特性曲線などを得て検討した。
PVBr などは, 非常に短波長側の光しか吸収しないので, 増感剤としてジフェニルアミン (DPA), テトラフェニルヒドラジン (TPH) を使用した。PVBr の有効な感光波長域は 270mμ までである。DPA を添加したもの (PVBr-DPA 系フィルム) は 320mμ まで, TPH を添加したもの (PVBr-TPH フィルム) は 375mμ までそれぞれ分光増感された。
PVBr-DPA 系フィルムの感光度は, 100℃, 10 分加熱現像の場合で, E 〓=2.8×10
6 erg/cm
2 であった。PVBr-TPH 系フィルムの感光度は, やはり 100℃, 10 分加熱現像の場合で, E〓=1.2×10
6 erg/cm
2 であった。この PVBr-TPH 系フィルムの感光度は, ジアゾ化合物を利用している Kalvar 7 BTC の約 1/6 に相当する。
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