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クエリ検索: "石野信一"
73件中 1-20の結果を表示しています
  • 日本臨床外科学会雑誌
    2022年 83 巻 12 号 Annc12_1-Annc12_9
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/06/30
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  • 日本臨床外科学会雑誌
    2020年 81 巻 3 号 609
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/30
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  • 石野 信一郎, 白石 祐之, 堤 真吾, 西巻 正
    日本消化器外科学会雑誌
    2015年 48 巻 2 号 111-117
    発行日: 2015/02/01
    公開日: 2015/02/17
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     右房内進展を伴う肝細胞癌の切除は人工心肺下での開心術を要し,肝切除のみに比べ侵襲が高い.我々は右房内へ進展した肝細胞癌に対し肝切除先行total hepatic vascular exclusion(全肝血行遮断;以下,THVEと略記)を達成,開心術をせず原発巣と右房内腫瘍栓を摘出しえた症例を経験した.本術式は心房内進展を伴う進行肝細胞癌に対し,開心術併用と比較し低侵襲術式になると思われた.症例は69歳男性で,検診で異常を指摘された.CT で肝右葉に右房内に進展する腫瘍を認め当院紹介となり,肝細胞癌の診断で手術を行った.術式は肝脱転,肝静脈根部剥離,右グリソン処理の後肝切離を行い,肝右葉が右肝静脈のみで繋がる状態とした.肝右葉の牽引により腫瘍栓が右房外に出ることをエコーで確認し,THVEの後に右肝静脈根部を切開,腫瘍栓と肝右葉を一括で摘出した.術後74日目に退院した.術後2年間,無再発生存中である.
  • 石野 信一郎, 砂川 宏樹, 卸川 智文, 間山 泰晃, 嘉数 修, 兼城 達也, 稲嶺 進, 當山 鉄男, 座波 久光, 大城 直人
    日本外科系連合学会誌
    2013年 38 巻 4 号 732-737
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/09/09
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    目的:虫垂粘液囊腫は虫垂炎との鑑別が難しく,術後に診断されることが多い.当院において虫垂炎の診断で虫垂切除を施行され,術後に虫垂粘液囊腫と診断された症例と,虫垂炎症例との臨床的相違点を検討した.方法:2002年1月から2011年5月に当院で虫垂炎の診断で虫垂切除術をされた937例を対象とし,虫垂粘液囊腫と診断された10例と虫垂炎とされた927例の2群間で,臨床項目を比較検討した.結果:年齢は虫垂粘液囊腫群で有意に高かったが,性別,体温,腹膜刺激症状を認めた割合に差はなかった.また囊腫群の術前の白血球数は虫垂炎群と比べ有意に低く,CRP値は有意に高かった.画像検査での最大虫垂径および膿瘍形成の割合は共に虫垂粘液囊腫群で有意に大きかった.結論:今回の検討において,虫垂炎と虫垂粘液囊腫の両群間で有意差があった臨床項目は両疾患の鑑別に有用である.顕著な虫垂腫大や膿瘍形成を伴う症例では,虫垂粘液囊腫を考慮するべきである.
  • 髙橋 真治, 呉屋 朝幸, 亀田 典章
    北関東医学
    2019年 69 巻 3 号 255-258
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2019/10/01
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    患者は20歳代,女性.臍周囲腹部痛を主訴に来院した.精査の結果,メッケル憩室炎,限局性腹膜炎の診断でCefmetazoleによる保存的治療を開始した.腹部所見は一旦改善したものの再燃した.そのためメッケル憩室切除術を予定し開腹手術を施行した.開腹時所見では,メッケル憩室と思われたものは固い充実性腫瘤であり,それが細い索状物を介して小腸に癒着しているものと判明した.何らかの腫瘍性病変と診断し,これを摘出した.組織型はleiomyoma with infarctionであった.以上から自然発生性parasitic leiomyomaと診断した.術後経過は良好で術後7日目に退院した.Parasitic leiomyomaは非常に稀であり,今回われわれは自然発生性parasitic leiomyomaの1例について経験したので,文献的考察を加えて報告する.

  • 石野 信一郎, 白石 祐之, 尾下 陽大, 堤 綾乃, 西巻 正
    日本消化器外科学会雑誌
    2015年 48 巻 4 号 306-313
    発行日: 2015/04/01
    公開日: 2015/04/17
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     近年,カルチノイド腫瘍に対しソマトスタチンアナログなどの治療法が導入されているが,手術による完全切除が最も有効な治療手段であることは変わりない.両葉多発肝転移に対しても可能であれば外科的切除が勧められる.今回,我々は両葉多発肝転移を伴う十二指腸乳頭部カルチノイドに対し二期的肝膵同時切除を行い,長期無再発生存を得た1例を経験した.症例は61歳の男性で,近医で肝腫瘍を指摘され肝生検を行ったが診断がつかず経過観察となっていた.2年後に肝腫瘍の増大を認め当院紹介となり,上部消化管内視鏡で十二指腸乳頭部に腫瘤を認め,生検の結果カルチノイドであった.まず肝左葉部分切除と右門脈結紮術により肝左葉肥大を図り,その後拡大肝右葉切除術と幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.現在術後約8年で無再発生存中である.
  • 高井 亮, 木村 泰生, 荻野 和功, 藤田 博文, 邦本 幸洋, 山川 純一
    日本臨床外科学会雑誌
    2016年 77 巻 12 号 3011-3014
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/06/30
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    症例は37歳,女性.産後1カ月検診において仙骨前面に長径38mmの腫瘤を認めた.腫瘤は造影CTでは造影効果を伴っておらず,MRIではT1強調像にて高信号,T2強調像にて低信号を呈していた.周囲臓器との連続性はなく術前診断は困難であり,手術加療目的に当科紹介となった.鑑別疾患としては卵巣腫瘍,GIST,肉腫,リンパ節腫大,後腹膜腫瘍など良悪性を問わず様々な可能性を念頭に置く必要があった.治療および診断の目的で腹腔鏡下腫瘍摘出術を施行した.手術所見では,骨盤内に白色鶏卵大腫瘤を認め,周囲組織との連続性は認めず腫瘤は完全に腹腔内に遊離しており,これを摘出した.病理組織検査の結果は平滑筋腫であり,過去に腹部手術歴のないことから,自然発生のparasitic myomaであったと考えられた.腹腔鏡による手術は低侵襲であり,診断および治療に有用であった.
  • 狩俣 弘幸, 長濱 正吉, 下地 英明, 桑原 史郎, 片柳 憲雄, 山崎 俊幸, 大城 清哲, 伊禮 靖苗, 石野 信一郎, 西巻 正
    日本外科系連合学会誌
    2010年 35 巻 5 号 707-712
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/10/25
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     沖縄県は胃癌症例が少なく,胃癌手術の修練や新しい手術手技の導入は困難であるが,当院では腹腔鏡補助下胃切除(LAG)を導入することができた.今回,導入にいたる経緯と導入初期の成績を検討した.筆者はhigh volume centerでLAGの手術手技を研修し,2008年4月からLAGを当院に導入した.それ以降,2010年3月までに施行した腹腔鏡補助下の幽門側胃切除(LADG)11例,胃全摘(LATG)7例について導入直前5年間の開腹胃切除例(幽門側胃切除(ODG)20例,胃全摘(OTG)9例)と比較した.検討項目は患者背景,手術時間,出血量,術後在院日数,術後合併症,郭清リンパ節個数とした.LADGはODGと比較して有意に出血量が少量で術後在院日数が短く,合併症も少なかった.またLATGはOTGと比較して有意に手術時間が長かったが,術後在院日数は少なかった.胃癌症例の少ない沖縄県でも,大きな問題なくLAGの導入が可能であった.
  • 学会誌JSPEN
    2022年 4 巻 Supplement2 号 182-200
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/31
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  • 鵜飼 真由, 吉原 雅人, 眞山 学徳, 近藤 真哉, 古株 哲也, 北川 諭, 宇野 枢, 田野 翔, 西尾 洋介, 原田 統子, 岸上 靖幸, 小口 秀紀
    日本産科婦人科内視鏡学会雑誌
    2015年 30 巻 2 号 471-474
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/21
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      Uterine leiomyomas are commonly encountered benign gynecologic tumors. However, cases of extrauterine leiomyomas are relatively rare and often present diagnostic challenges. We report a case of an acute abdomen caused by an extrauterine leiomyoma that was completely isolated from other organs and was laparoscopically diagnosed. A 39-year-old woman gravida 4 para 4 with a history of a fist-sized uterine myoma at the age of 30 years, was admitted to our hospital because of the acute onset of right lower abdominal pain. The patient had undergone a cesarean section for placenta previa six days before admission. Transvaginal ultrasound revealed a 7.3 × 6.1 cm solid tumor and the physical examination revealed tenderness at the right lower abdomen. Torsion of a subserosal leiomyoma or right ovarian tumor was suspected; therefore, laparoscopic surgery was performed for diagnosis and treatment. Both adnexa were found to be normal-sized, and a tumor completely isolated from surrounding structures was observed. The postoperative histopathologic diagnosis was leiomyoma. Cases of parasitic leiomyomas after laparoscopic myomectomy associated with morcellation are increasingly being reported. In contrast, cases of spontaneous parasitic leiomyomas remain extremely rare because the origins of the tumors are unknown. This case was considered to be a pedunculated subserosal myoma that had spontaneously separated from the uterus and was found prior to parasitization to other organs. Therefore, this case demonstrates a natural pathogenic mechanism of a spontaneous parasitic leiomyoma.
  • 志田 陽介, 山口 悟, 井原 啓祐, 尾形 英生, 百目木 泰, 加藤 広行
    日本大腸肛門病学会雑誌
    2016年 69 巻 6 号 299-303
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/05/26
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    症例は34歳,男性.腸重積の診断で整復後,精査加療目的に当院へ紹介となった.腸重積を再発したため,整復後手術の方針となった.注腸造影では横行結腸に閉塞所見を認め,整復後の腹部造影CT・MRI検査では,右下腹部に虫垂腫瘍を認めた.PET検査では,腫瘍部にFDGの異常集積はなく,良悪性の鑑別が困難であり,腹腔鏡下回盲部切除術+D2郭清を施行した.病理診断は,低異型度虫垂粘液性腫瘍(Low-grade appendiceal mucinous neoplasm:以下LAMN)であった.LAMNは従来の粘液嚢胞腺腫や粘液嚢胞腺癌に該当し,大腸癌取扱い規約第8版において新たに分類された.LAMNの治療法は明確な基準は存在しない.
    腸重積を整復後に腹腔鏡下手術を施行することは切除範囲を縮小し,低侵襲で安全に施行しえると思われた.
  • 森本 喜博, 浅井 大智
    日本腹部救急医学会雑誌
    2021年 41 巻 7 号 533-536
    発行日: 2021/11/30
    公開日: 2022/06/03
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    Parasitic leiomyoma(以下,PL)は遊離した子宮筋腫が異所性に他臓器からの栄養血管を得て生着するまれな疾患である。今回われわれは腹壁に生着し絞扼性腸閉塞を伴ったPLの1例を経験したので報告する。症例は46歳女性。未産で腹部手術の既往なし。発熱と繰り返す嘔吐で救急外来を受診した。腹部CTでは絞扼性腸閉塞および石灰化を伴う腫瘤性病変を認め,初回手術では,腹腔鏡下腸閉塞解除術を施行した。再手術として腹腔鏡下腫瘍摘出術を施行した。腫瘍は腹壁に入り込んでおり,小腸との癒着を認めた。小腸腫瘍も否定できなかったため小腸合併切除を施行し,病理組織学的検査でPLと診断された。成人女性,とくに子宮筋腫の既往がある場合は,腹腔内腫瘤に伴う腸閉塞の鑑別診断として本疾患も考慮すべきである。

  • 下田 陽太, 関川 浩司, 高橋 保正, 成田 和広, 太田 竜, 池田 博斉
    日本外科系連合学会誌
    2015年 40 巻 4 号 673-677
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/08/31
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    はじめに:悪性腫瘍の臍転移はSister Mary Josephʼs noduleと言われ予後不良の徴候とされる.今回われわれは腸閉塞の手術時に発見された乳癌によるSister Mary Josephʼs noduleの1例を経験したので報告する.
    症例:74歳,女性.65歳時に右乳癌の診断で右乳房切除術,腋窩郭清を施行された.腹痛を主訴に当院受診され精査の結果小腸狭窄による腸閉塞の診断のもと手術を施行した.術中多数の腹膜播種結節を認め,また臍部腫瘤,小腸腫瘤を認めた.臍腫瘤摘出術,小腸部分切除術を施行した.病理組織診断は乳癌の臍転移,小腸播種であった.本人,家族と相談の上BSC(best supportive care)にて経過をみる方針とし,初診より168日目に永眠した.
    結語:SMJNは稀な病態であるものの,日常診療において臍部の変化があった場合には常に念頭に置く必要がある.
  • 西山 岳芳, 丸山 修一郎, 奥本 龍夫, 大前 健一, 金谷 欣明, 横山 伸二
    日本臨床外科学会雑誌
    2015年 76 巻 4 号 809-812
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/30
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    症例は65歳,男性.2013年4月より,時折,右下腹部に痛みや違和感を自覚していた.2013年10月に右下腹部痛の増悪と褐色尿を主訴に当院受診.腹部CT検査にて,盲腸と連続して102×60mm大の内部に気泡を伴う被包化された液体貯留を認めた.膿瘍形成をきたした穿孔性虫垂炎と診断し,同日緊急手術を施行.術中所見にて明らかな膿瘍は認めず,骨盤内に盲腸から連続する手拳大の腫瘤を認めた.虫垂粘液嚢腫と診断し,術式を回盲部切除とした.術後病理組織診断にてLow-grade appendiceal mucinous neoplasmと診断された.虫垂粘液嚢腫の成因は虫垂根部の無菌性閉塞であるため,本来,腫瘤内に気腫は認めないはずである.自験例では腫瘤内に気腫を有し,膿瘍形成をきたした穿孔性虫垂炎と術前診断されたが,術中所見にて虫垂粘液嚢腫と診断し,術式を回盲部切除とすることにより根治切除としえた.
  • 油木 純一, 清水 智治, 園田 寛道, 太田 裕之, 植木 智之, 三宅 亨, 山口 剛, 貝田 佐知子, 飯田 洋也, 谷 眞至
    日本腹部救急医学会雑誌
    2019年 39 巻 1 号 043-046
    発行日: 2019/01/31
    公開日: 2020/03/24
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    症例は45歳,女性。突然の腹痛と嘔吐を発症して約2時間後に救急外来を受診した。造影CTで子宮広間膜裂孔ヘルニア嵌頓による絞扼性腸閉塞と診断し,腹腔鏡下で緊急手術を施行した。子宮左側の子宮広間膜裂孔部に小腸が嵌頓しており,約20cmにわたって嵌頓小腸の漿膜面が暗赤色に変色していた。小開腹で体外に小腸を誘導して観察したところ,一部肉眼的に血流評価が困難であったため,術中ICG蛍光法で小腸血流の評価を行った。小腸の末梢血管に蛍光を認め,さらに観察すると小腸自体の蛍光も認めたので小腸切除は不要と判断した。子宮広間膜の裂孔処理は腹腔鏡下で修復し手術を終了した。経過良好で術後12日目に退院した。退院して11ヵ月後までに遅発性の血流障害を認めず経過している。今回,ICG蛍光法で嵌頓小腸の血流評価を行い,小腸切除を回避できた1例を経験した。

  • 新保 敏史
    日本腹部救急医学会雑誌
    2017年 37 巻 1 号 091-094
    発行日: 2017/01/31
    公開日: 2017/04/03
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    症例は55歳女性で下腹部痛を主訴に当院を紹介受診となった。腹部手術歴はなく,3回の妊娠および出産(いずれも普通分娩)の既往があった。腹部CT検査で当初は小腸イレウスと診断し,イレウス管を挿入するも改善を認めなかった。6病日目の腹部CT検査で子宮広間膜裂孔ヘルニアと診断され,緊急手術の方針となった。開腹すると右子宮広間膜に異常裂孔を認め,裂孔に小腸が嵌入していた。さらに裂孔中央に存在する索状物により約15cmの小腸が絞扼されており,索状物を切離し,絞扼を解除した。腸管の虚血所見は認めなかった。右子宮広間膜には径3cm程の裂孔があり,Fenestra型と診断した。裂孔を縫合閉鎖し,手術終了とした。術後経過は良好で術後7日目に退院となり,術後5ヵ月でも再発は認めていない。子宮広間膜裂孔ヘルニアは本邦では115例の報告があり,比較的まれな疾患である。若干の文献的考察を踏まえ,報告する。

  • 石野 信一郎, 比嘉 宇郎, 友利 寛文, 山城 和也
    日本腹部救急医学会雑誌
    2012年 32 巻 4 号 805-808
    発行日: 2012/05/31
    公開日: 2012/08/03
    ジャーナル フリー
    今回われわれは,CTで特徴的な所見を認め,早期に診断し手術しえた子宮広間膜ヘルニアの2例を経験した。症例1は48歳女性,嘔吐と腹痛にて来院。症状は自然軽快し検査所見でも異常がなく帰宅。しかし翌日,腹痛増悪のため再受診。腹部CTにて子宮左側で小腸が拡張し,左卵管付近で狭窄したclosed loop像を認めた。左子宮広間膜ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断,緊急手術を検討したが事情により当院では手術できず,他院へ搬送し手術となった。左子宮広間膜裂孔から小腸が嵌頓しており,壊死のため腸管切除を要した。症例2は44歳女性,腹痛を主訴に来院,触診で腹部反跳痛を認めた。腹部CTでは左子宮広間膜を境に子宮腹側で小腸が拡張していた。左子宮広間膜ヘルニアと診断し緊急手術を施行。小腸は還納され壊死も認めず。左子宮広間膜に裂孔があり,これを閉鎖し手術を終了した。
  • 吉川 弘太, 濵田 信男, 本髙 浩徐, 中村 登
    日本臨床外科学会雑誌
    2019年 80 巻 3 号 569-574
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/30
    ジャーナル フリー

    Parasitic leiomyomaは,子宮から完全に分離した状態で発育する異所性平滑筋腫である.有茎性漿膜下筋腫が周囲臓器や腹膜,腹壁と癒着して栄養血管を獲得した後に子宮から茎部で離断される場合や,自然脱落あるいは医原性に腹腔内に生着する場合がある.今回,稀な自然発生性parasitic leiomyomaの2例を経験した.(症例1)46歳,女性.稽留流産手術を契機に可動性のある骨盤内腫瘤を指摘された.大網からの栄養血管を有する腫瘤に対し,腹腔鏡下腫瘤摘出術を施行した.(症例2)78歳,女性.小腸壁に固着した石灰化を伴う腫瘤を機転とした絞扼性イレウスに対し,緊急手術を施行した.2例ともに画像および病理組織検査により,parasitic leiomyomaと診断された.成人女性,特に子宮筋腫やその手術既往がある場合は,腹腔内腫瘤の鑑別診断として本疾患も考慮すべきである.

  • 阿部 有佳, 野尻 和典, 茂垣 雅俊, 舛井 秀宣, 津浦 幸夫, 長堀 薫
    日本臨床外科学会雑誌
    2019年 80 巻 11 号 2067-2072
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル フリー

    症例は30歳,男性.健康診断の腹部超音波検査で肝右葉に腫瘤を指摘され,精査目的に当院紹介となった.肝機能異常は認めず,血中HB ,HCウィルスマーカーは陰性だった.常用薬は無く,肝疾患を有する家族歴も認めなかった.腫瘍マーカーは陰性だった.CTでは肝後区域に10×11×12cmの腫瘤を認めた.MRIではT2強調で不均一な高信号,T1強調で低信号を呈し,脂肪成分の含有を認めず,充実部分は拡散低下を呈していた.肝原発の悪性腫瘍が疑われ,診断治療目的に手術の方針とした.手術は肝右葉切除術を行った.病理組織学的検査では低分化型の肝細胞癌の診断であり,非癌部は正常肝だった.術後10カ月を経過した現在も再発なく外来フォロー中である.背景にHCCリスクを持たない若年肝細胞癌の症例は非常に稀である.その病因や予後に関しては解明されていないのが現状であり,文献的考察を加えて報告する.

  • 根岸 宏行, 四万村 司, 吉田 有徳, 大島 隆一, 國場 幸均, 相田 芳夫, 大坪 毅人
    日本大腸肛門病学会雑誌
    2015年 68 巻 5 号 312-317
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/30
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    症例は63歳女性.腹部超音波検査で虫垂の嚢胞性腫瘤を指摘され当院紹介となった.腹部造影CT検査で最大径21mm大に腫大した虫垂を認め,虫垂粘液嚢腫と術前診断した.悪性の可能性も否定できないことから,腹腔鏡下回盲部切除術+D2郭清を施行した.術後病理組織検査では虫垂粘膜の一部に軽度の核異型を伴い,低乳頭状増生,核の重積性を示しており,低異型度虫垂粘液性腫瘍(Low-grade appendiceal mucinous neoplasm:以下LAMN)と診断した.大腸癌取扱い規約第8版によると,虫垂腫瘍のうちLAMNは旧規約上の粘液嚢胞腺腫の大部分と粘液嚢胞腺癌の一部に該当し,今回新たに分類された.虫垂粘液嚢胞腺癌に対してはリンパ節郭清を伴う回盲部切除術以上の術式が必要であるが,粘液嚢胞腺腫に対しては虫垂切除術または盲腸部分切除術で十分という報告もある.LAMNの治療に関して現在明確な基準は存在しない.今後の症例の蓄積による検討が必要であり,国際的な診断基準・ガイドラインの構築が望まれる.
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