パラジウム(II)はクロムアズロールS(以下CASと略記)と反応し,青色の水溶性錯体を生成し,極大吸収波長610mμにおいて吸光度は塩酸,酢酸ナトリウム緩衝液により,pH5.8~6.7で一定値を示す.3.54×10
-4MCAS,0.16
M硝酸カリウム
,3×10
-2M酢酸ナトリウムの存在でpH6.1において,パラジウム0.116~2.8ppmにわたりベールの法則に従う.検量線から得た分子吸光係数は4.34×10
4である.この条件のもとでパラジウムはCASとモル比1:2の錯体を生成し,2.66×10
-4MCAS以下の範囲では1:1の錯体を生成する.また,過剰の
硝酸カリウム
やゼフィラミンなど強塩基性陽イオンの存在は,錯体の安定度を増加し,定量感度を高くする.特に,5.44×10
-3Mゼフィラミン,8.85×10
-5MCAS,3×10
-2M酢酸ナトリウムの存在でpH6.1,635mμにおいて,検量線から得た分子吸光係数は1.17×10
5である.
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