本稿は，平成18年度第１回医療経済研究会（2006年４月24日）での講演（座長：田中滋氏（慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授），講演：二木立氏（日本福祉大学教授），権丈善一氏（慶應義塾大学商学部教授））「医療経済・政策学の視点と方法」における二木氏の講演内容を，氏が書き起こし・加筆したものである。

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本論文では、大学教育の質的変革が加速し、アクティブラーニング、PBL型授業等の新しい学び方へ対応が求められていることを鑑み、それらを実現しやすくする新しい場、モノの存在が不可欠であると考えた。そこで以下のように製品開発を行った。まず、学び手である大学生がキャンパス内、授業時等の調査を行い、新しい学び方には授業時間内外でのグループワークが不可欠であることが判明した。その際に、１）俯瞰による情報共有、２）グループの占有感、３）個人天板が必要不可欠であるとの結論を得た。次にグループワークに適した空間機能の把握と、中心となる家具のプロトタイプによるコミュニケーション観察とインタラクションの分析を通してデザイン・仕様を決定し製品化を行った。デザイン・教育・創造的行為におけるグループワークに有用な製品提案がなされたと言える。

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【目的】Ｂ大学のと看護学部の学生が，『学生主体活動型地域サロン』を協働して企画・実施した体験の学びと課題を明らかにする。 【方法】本研究の参加に同意を得た生9名と看護学部生7名にフォーカス・グループ・インタビューを実施し，インタビュー内容を質的に分析した。 【結果】91の“コード”，13の≪サブカテゴリー≫，6の＜カテゴリー＞が抽出された。学生達は，相互に＜学部の壁＞を感じながら＜メンバーとの出会い＞を体験し，協働学習を進めていく中で＜メンバーの特徴を理解＞していた。一方，キャンパスの距離という物理的距離が縮まらない＜協働学習の壁＞が生じながらも，＜協働方法の模索＞をしながら企画を進めていた。 【結論】『学生主体活動型地域サロン』による協働学習体験は，2学部の学生が，自他学部の特徴と強みを知る一方，時間の確保，情報共有の難しさ，作業の均等化が課題として挙げられた。

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社会実装につながる研究開発現場を紹介する「イノベ見て歩き」。第24回は、児童養護施設などを退所した社会的養護経験者（ケアリーバー）が、支援者と安全につながりながら自立できる仕組みづくりを目指す同朋大学

の宮地菜穂子准教授と、プロジェクトでアプリ開発を担当する中京大学工学部の曽我部哲也准教授に話を聞いた。

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　本稿の目的は，セーフティネットである生活保護受給にいたった高齢者の生活困窮化要因について分析を試み，高齢期のナショナル・ミニマムのあり方について検討することにある。近年の生活保護受給者の増加および受給率の上昇の背景には，生活困窮化する高齢者の増加が影響している。これには経済状況のみならず，「構造改革」が少なからず影響しているものと考えられる。年金給付額の減額のほか，医療や介護の制度における保険料や利用者負担の増加などが，高齢者の生活破綻を助長してきた可能性が否めない。　以上の問題意識から，生活保護世帯に関する調査から生活困窮化要因について分析を試み，ナショナル・ミニマムのあり方について問題提起をおこなう。

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これまで児童養護施設等の退所者支援は，施設や措置権のある自治体が中心とされてきた．他方で，退所者が生活する地域での支援体制の重要性が指摘されつつある．そのことをふまえ，本研究は，措置権はないが児童養護施設が所在している自治体における退所者支援の実態と取り組みに影響を与える要因を明らかにすることを目的とした．そのため，児童養護施設が所在し，かつ，措置権のない全国の市区町村へアンケート調査を実施した．因子分析の結果，自治体の認識や退所者支援の取り組みの背景として，「計画・事業・予算への位置づけ」「組織の柔軟性があり支援内容が明確」「必要性や優先度が高い」「当事者支援の実施」の4因子が抽出された．なかでも「計画・事業・予算への位置づけ」は，退所者支援の取り組み度合いに影響を与えていることが示唆された．また，自治体による認識の差異も明らかになった．

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The Social Welfare University Library Conference was inaugurated in 1983 by five university libraries aiming at professional education and research on social welfare. The purpose of establishment was to research and survey academic information on social welfare through cooperation of the affiliated libraries, to contribute to the improvement and development of social welfare research. The first Conference examined common problems and searched for solutions by exchanging information, and attempted joint possession of materials. The Conference shared the work of collecting of increasing amount of materials, edited and issued a comprehensive catalogue of periodicals, made a network of mutual use by issuing a common library card, so implementing mutual utilization. What this conference has implemented is now being executed by libraries all over Japan, because of the development of the projects of National Institute of Informatics and the advance of library systems, and because of change in libraries by utilization of IT. Hence the time has come to reestablish the task of the conference. Since 2000, the conference has been reconsidering concrete daily services including training of practitioners and has exchanged information to develop services of each library. It has been 24 years since the conference was inaugurated. 2, 900, 000 books are now available among all the affiliated libraries. In the future the conference is aiming to open to each community as well as to cooperate with other libraries, and hence be the center of the social welfare world.

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高齢者の精神生活に影響する生きがい感とは何なのか。またそれを測るスケールはどうあるべきか,驚くべきことに老年心理学はいまだにこれにこたえられていない。アメリカでつくられた他の概念を測るスケールを代用してきたのが現状である。そこでわが国の高齢者の生きがい感を調査し,その結果を基に生きがい感スケールを作成し,生きがい感を操作的に定義することを目的とした。まず162人の高齢者から生きがい感の範囲を定める概念調査を行い,仮の定義を作成した。さらにその仮の定義に基づいて項目を作成選定し,391人のセンター高齢者に対し本調査を行い,項目分析の結果,16項目によるスケールを作成した。そのスケールは信頼性と妥当性が高いスケールであることが分かった。このスケールの構造から高齢者の生きがい感を定義すると,なにごとにも目的をもって意欲的であり,人の役に立つ存在との自覚をもって生きていく張り合い意識である。また,なにか向上した,人に認めてもらっていると思えるときにも感じられる意識といえる。

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