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クエリ検索: "突然死"
14,009件中 1-20の結果を表示しています
  • 46例の検討
    山口 潤, 鹿野 泰邦, 佐藤 敏, 島本 和明
    日本老年医学会雑誌
    1995年 32 巻 11 号 722-727
    発行日: 1995/11/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    第一線の医療機関において剖検で死因を確定しえた
    突然死
    症例を検討した.
    8年間に解剖された, 1) 致命的な発症を目撃しているもの, または, 病院に搬送され加療される, もしくは病院到着時既に死亡している例で発症から死亡までが24時間以内のもの, 2) 死亡後発見されたものであるが, その状況から急激な発症が推測されるもの, の46例を対象にした.
    年齢的には, 26~85歳 (平均66.6歳) であり, 年代別には70歳代がもっとも多く, ついで60, 80歳代であった. 男女別には, 男31女15であった.
    月別にみても季節別にみても, 特に寒い時期に多いという傾向はみられなかった. 発症から死亡までの時間を調べると, 発症後5分以内の瞬間死が24例 (54.3%) と多かった. 心筋梗塞22例中16例 (72.7%) は発症から3時間以内に死亡しており, 中でも瞬間死は11例 (50%) と多かった.
    死因別では, 心筋梗塞がもっとも多く22例であり, 急性心筋梗塞が20例であり, 陳旧性心筋梗塞を伴わないもの7例, 伴うものは13例であった. 明らかな急性心筋梗塞を欠く陳旧性心筋梗塞は2例であった. その他の死因としては, 拡張型心筋症1, サルコイドーシス1, アミロイドーシス2, 心弁膜症2, 大動脈瘤破裂6, 解離性大動脈瘤2, 肺塞栓症7, 肺高血圧症1, 絞扼性イレウス1, ポックリ病1であった. このように,
    突然死
    症例中36例 (78.2%) は心・血管系の循環器疾患であり, 呼吸器系疾患は全体の17.4%を占めた. 必ずしも発症が強い運動, 労働に関係しているとはいえなかったが, 肺塞栓症7例中4例は術後歩行中に発症し, その他の2例も脱水, 糖尿病性腎症を有し, 7例中6例は肺塞栓症の危険因子を有していた.
  • 塚本 浩, 大島 康雄, 矢永 尚士, 高木 維彦
    日本老年医学会雑誌
    1998年 35 巻 11 号 825-829
    発行日: 1998/11/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    わが国では年間5万人以上が
    突然死
    していると推測され, 近年注目を浴びているが, このうち高齢者医療における院内
    突然死
    の予知, 予防は重要な問題である. 今回我々は院内発生した
    突然死
    の危険因子の解析を試みた.
    1996年の当院における死亡例209例を
    突然死群と非突然死
    群にわけ, 死亡1カ月前の理学所見, 検査成績及び治療内容を比較した. 院内
    突然死
    例は入院14日目以降の病状安定後に急変し, 24時間以内に死亡した症例と定義した.
    1996年当院死亡例の内訳は男103例, 女106例, 平均年齢76.7歳であった. 院内
    突然死
    は16例 (7.7%) あり, 死因は心臓死が9例 (うっ血性心不全急性増悪5例, 急性心不全3例, 急性心筋梗塞1例), 非心臓死が7例 (急性呼吸不全2例, 慢性呼吸不全急性増悪2例, 横隔膜破裂1例, 腹部大動脈瘤破裂1例, 脳梗塞1例) であった.
    突然死群は非突然死
    群に比べ, 平均年齢が高く, ジギタリス製剤が高頻度に使用されていた. 検査成績では
    突然死群は非突然死
    群に比しヘモグロビン, ヘマトクリットが高く, BUNは低値を示し, 心胸比は拡大していた. 心電図所見では
    突然死群では非突然死
    群に比し, 高頻度にST異常およびT波の異常を認めた. Brugada 症候群, QT延長症候群は認められなかった.
    以上より, 入院中の高齢者で心不全があり, 心電図にて心筋虚血を示唆する所見を認めるものは
    突然死
    の発生に十分注意する必要があると思われた.
  • 田辺 直仁, 豊嶋 英明, 林 千治, 和泉 徹, 松本 一年, 関 奈緒, 渡部 裕, 小玉 誠, 相澤 義房
    心電図
    2006年 26 巻 2 号 111-117
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    突然死
    を発症後24時間以内の急性死と定義した場合の発生率は, 年間人口10万対114 (愛知県, 全年齢) , 15歳以上の145 (新潟県, 15歳以上) との報告がある.また, これらを含む4調査では, 男性に多いこと, 年齢とともに発生頻度が高くなることなどの共通した特徴が認められる.40~59歳の発生率 (年間人口10万対) は男性が52~89, 女性17~29であり, 主要死因死亡率に比べても高く, この働き盛りの年代で年間約1.2~2万人が
    突然死
    していると推計される.新潟市・長岡市の調査では
    突然死
    の約20%に虚血性心疾患, 13%に他の心疾患の関与が疑われ, 死因が確定できない例も37%認められた.意識消失での発症が約40%あり, 自宅や職場など普段の生活の場での発症や, 安静時や睡眠時の発症が多かった.排尿・排便時の発症が約9%認められ, 排尿・排便が発症の誘因となった可能性がある.危険因子としては高血圧や高血圧性臓器障害, 喫煙が重要であり, 過去1週間のストレスや睡眠時間の減少も
    突然死
    と関連していた.平成16年の新潟県中越地震では被災後1週間に
    突然死
    が有意に増加しており, 強いストレスが
    突然死
    の誘因となることの有力な証拠と考えられる.
  • 豊嶋 英明
    日本循環器病予防学会誌
    2002年 37 巻 1 号 60-68
    発行日: 2002/01/30
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
  • ―あるSIDS事件を巡って―
    平沼 高明, 平沼 直人
    昭和医学会雑誌
    2000年 60 巻 2 号 173-178
    発行日: 2000/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 新村 一郎, 牧 隆俊
    心臓
    1989年 21 巻 8 号 1007-1014
    発行日: 1989/08/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    神奈川県下の児童・生徒15,156,346名を対象に学校管理下の心臓急死の実態調査と集団心臓検診(就学前児童654,632名,中学1年生276,307名)において検出されるハイリスク心疾患について検討した.
    学校管理下の急死97例の死因は急性心機能不全60例,器質的心疾患18例(9例は剖検によって新たに検出),脳血管障害14例,熱中症5例であった.心臓急死例の死亡時の身体状況では79%は運動中,21%は安静時と,成人の心臓急死例や心疾患小児の急死例と比較して,運動時急死が特徴的であった.しかも,運動時急死の58%は体育授業中,29%はスポーツクラブでの運動中であった.発症より死亡までの時間は短く,多くは瞬間死であった.比較的時間の長い症例に脳血管障害が多い傾向がみられた.性別では男子が圧倒的に優位であり,加齢による
    突然死
    発生率の増加が見られた.今回の検討では小児期における
    突然死
    の危険性の高い心疾患としては肥大型心筋症,QT延長症候群,冠動脈病変を有する川崎病,心筋炎,特定の不整脈(心室性頻拍不整脈,高度一完全房室ブロック,洞不全症候群,心房粗動),特定の先天性心疾患などであった.健康とみなされている小児の心臓急死の予防には潜在性のハイリスク心疾患の検出に加えて,発育期のスポーツ医学の常識に叶ったスポーツ指導の重要性が強調されよう.
  • 外山 淳治
    循環器専門医
    1993年 1 巻 1 号 31
    発行日: 1993/03/25
    公開日: 2018/05/28
    ジャーナル フリー
  • 高津 光洋
    体力科学
    1991年 40 巻 5 号 501-505
    発行日: 1991/10/01
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
  • 松本 一年, 松原 史朗, 玉腰 暁子, 川村 孝
    日本公衆衛生雑誌
    2003年 50 巻 6 号 540-546
    発行日: 2003年
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル フリー
    目的
    突然死
    の予防対策上の基礎資料を作成することを目的として,死亡小票を用いた記述疫学的研究を行った。
    方法 名古屋市を含む愛知県全域における1994年の死亡小票の全数調査を実施し,原死因の発症から24時間以内の内因性の死と定義した
    突然死
    を抽出した。その
    突然死
    の発生頻度を算出するとともに,原死因や時間的特性について分類・集計し,記述した。
    成績
    突然死
    は7,813例(男4,276例,女3,537例)認められ,その発生率は人口10万人当たり年間114人(男124人,女104人)であった。
    突然死
    のうち前期高齢者(65~74歳)が20.1%,後期高齢者(75歳以上)が54.6%を占めていた。また,同年の愛知県の全死亡(41,111例)に対する
    突然死
    の割合は19.0%(男19.1%,女18.9%)であった。
    突然死
    の原因疾患は,「急性心筋梗塞」が13%,心不全など「その他の心血管疾患」が58%,「脳血管疾患」が12%であった。
    突然死
    は12月から 3 月と 8 月に多発し,曜日による差はごくわずかで,1 日の中では 6~14時に高頻度であった。この季節変動や日内変動は主に「その他の心血管疾患」によってもたらされていた。
    結論
    突然死
    の発生率は,年齢に著しく依存し高齢者になるほど多く,その発生は季節や時刻の影響がみられた。
    突然死
    の大部分が循環器疾患と考えられるので,
    突然死
    の発生を予防するためには,循環器疾患の各病型に対する予防対策を推進することが重要であると考えられた。
  • 鈴木 信, 秋坂 真史, 野崎 宏幸
    日本循環器管理研究協議会雑誌
    1995年 29 巻 3 号 184-189
    発行日: 1995/02/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    Two groups of peak incidence of sudden cardiac death (SCD) are apparent in the general population : one type due to myocarditis and cardiomyopathy found mainly in patients in their teens and twenties and the other stemming from ischemic heart diseases seen in patients in their fifites and sixties.
    Ninety percent of SCD results from tachyarrhythmias such as ventricular tachycardia and fibrillaton, the mechanism being ventricular ectopic beats induced by ischemia, autonomic nervous disorders, physical exercise, mental stress, mineral imbalances and unexpected drug effects, based upon substrate abnormalities of myocardium.
    In experimental models using rabbits, ventricular tachycardia and fibrillation (VT, VF) are observed immediately after marked bradyarrhythmias, such as sinus arrest and AV-block induced by brain injury and marked physical and / or mental aggression.
    Ventricular tachyarrhythmias, ventricular tachycardia, and fibrillation could not be seen in rabbits decorticated at the site of the hypothalamic region, suggesting that the hypothalamus has an important role in producing ventricular tachycardia and fibrillation, and is influenced by brain injury and marked aggression. Severe stresses are most likely to be associated with sudden cardiac death.
    Behavior patterns in humans may also be associated with SCD. Odds ratios for competitive behavior typical of type A behavior pattern (TABP) are 6.4 in ischemic heart disease (IHD) and 1.6 SCD, the former being much higher than the latter. The frequency of TABP is high among Okinawan centenarians who have not experienced IHD, and for this reason, there are some doubts whether TABP is truly a risk factor for IHD and SCD. There are two types of TABP : “self-assertive type” which include competitiveness and impatience ; and “persistent personality” characterized by “workaholic” tendencies. The role of TABP as a risk factor for SCD and IHD can be better clarified by analyzing the different components of TABP. We have tried to develop a primary screening system for SCD by combination of ECG, radiography, physical examinations, and personal history and have successfully identified in most cases at risk for SCD based on these criteria. There were a few cases that were negative but subsequently experienced SCD causes of which could not be determined by autopsy. The sensitivity of this system may be increased by detection of local gradients by VCG and / or late potential (LP) using signal averaged ECG (SAE).
  • 畔柳 三省, 熊谷 哲雄, 松尾 義裕, 小島原 将直, 徳留 省悟
    心臓
    1997年 29 巻 Supplement5 号 15-22
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    1984年から1992年の9年間の,学生のランニング中の
    突然死
    の全国疫学調査を実施し,次の結果を得た.学生の全スポーツ中の
    突然死のうちランニング中の突然死
    は約42.0%を占め,最多である.進学するに伴い,ランニング中の
    突然死
    は増加し高校生でピークに達する.男性の比率は上昇し高校生と,大学生・短期大学生および他学生との間で顕著である.疾患群は減少する傾向にある.また,剖検死因では約85%を心臓疾患が占め,死因(剖検率25.8%)において占める心臓系疾患の割合である94.5%よりも,約10%少ない.検死のみによる死因の決定では心臓疾患とされやすいことが危惧され,正確な死因を確定し今後の予防に貢献するためにも剖検による死因の決定が不可欠である.
  • 吉田 充里, 生天目 安英, 高橋 英治, 荒田 宙, 吉田 雅伸, 小林 裕, 内山 隆史, 高澤 謙二, 池田 寿昭, 山科 章
    心臓
    2005年 37 巻 Supplement3 号 86-91
    発行日: 2005/07/30
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は13歳,女性.1999年検診時に心電図にてQT延長を指摘され,近医を受診した.心電図上QTc O.53秒と延長しQT延長症候群と診断された.症状がないことから経過観察となり,以後年1回経時的に心電図を施行するも変化は認められていなかった.2004年8月3日朝,電車に乗車中,気分不快を訴えた後意識消失.発症より4分後,救急隊到着時には心肺停止状態であった.心肺蘇生術を施行しつっ当院搬送となった.人工呼吸器管理下に強心剤・昇圧剤などの薬物療法,閉胸式心臓マッサージを行うも心拍再開みられなかった.体外式一時ペースメーカ,IABP,PCPSを挿入し加療を行った.1時間後に心拍再開みられるも意識状態改善せず,血圧も保つことができずに死亡確認となった.
    今回,初回発作にて
    突然死
    したQT延長症候群の症例を経験した.若年QT延長症候群の初回失神発作の心停止は約9%にみられるとの報告もあり,今後若年QT延長症候群に対する統一した治療管理指針の確立が望まれる.
  • 畔柳 三省, 熊谷 哲雄, 松尾 義裕, 山口 吉嗣, 黒須 明, 早乙女 敦子, 徳留 省悟
    心臓
    1999年 31 巻 Supplement4 号 3-10
    発行日: 1999/12/05
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    1948年から1997年の50年間の東京都23区内の学生のスポーツ中の
    突然死
    の疫学調査を実施し,次の結果を得た.秋に多く,冬に少ない.10時と15時をピークにした二峰性の分布をしている.進学すると共に男の比率が高くなる.急性心機能不全は57.5%であり急性心臓死は86.7%を占める.健康群は約8割である.運動中は約6割,運動直後は約2割である.突発死は約半数を占める.個人競技は65%,球技は35%を占める.突発死の割合および健康群の割合は戦場型球技で高く,ネット型球技で低い.学生のスポーツ中の
    突然死
    の機序を解明し予防するために,さらなる解析が必要である.
  • —第58回日本透析医学会シンポジウムより—
    久保 峻, 常喜 信彦, 田中 友里, 長谷 弘記
    日本透析医学会雑誌
    2013年 46 巻 12 号 1157-1158
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/26
    ジャーナル フリー
  • 笠井 みさ子, 冨田 真佐子, 内山 寛子, 西本 良博, 吉野 泉, 堀 祥子
    日本循環器管理研究協議会雑誌
    1996年 30 巻 3 号 207-211
    発行日: 1996/02/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    1987年4月1日から1995年3月31日まで延べ260,424人の都市部における男性職域集団を観察し, 56例の
    突然死
    症例をえた。
    突然死
    の年度別年齢調整死亡率の推移をみると, 観察した8年間では10万対13.39から35.43の間にあり, 増加傾向は見られなかった。
    突然死
    56例の原因疾患は, 心臓疾患32例 (57.1%), 脳血管疾患15例 (26.8%) で, 心臓疾患と脳血管疾患で47例 (83.9%) をしめていた。
    心臓疾患による
    突然死
    症例では心電図異常者が, 脳血管疾患による
    突然死
    症例では高血圧者が多く, よりきめ細かい健康管理がのぞまれた。
  • DOAおよび剖検による調査
    藤原 秀臣, 雨宮 浩, 家坂 義人, 松宮 直樹
    日本農村医学会雑誌
    1995年 44 巻 4 号 573-577
    発行日: 1995/11/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    突然死
    は一般に, 内因性の突然あるいは急性死亡で24時間以内のものと定義されている。
    突然死
    は予期せずに中高年層に多発し, 医学的のみならず社会的にも重要な意義がある。そこで全国の厚生連総合病院5施設におけるDOA (病院到着時心呼吸停止例) を中心に調査し, 医療機関からみた
    突然死
    の実態を検討した。対象は1993年1月~1993年12月におけるDOA292例と, 1施設8年間の
    突然死
    剖検45例である。結果は,(1) DOAは70歳代が最も多く, 70歳以上の高齢者が約半数を占めていた,(2) DOAの原因疾患および基礎疾患は心血管疾患が多く, なかでも虚血性心疾患の頻度が極めて高かった,(3) DOA発生時の行動様式では, 休息や睡眠などの安静時の頻度が高かった,(4) DOAに対する心肺蘇生は着実に行われているが, 一時蘇生率は26%であった,(5) DOAの予後は不良で, 心拍再開例においても64%は1日以内に死亡している, ことなどが明らかになった。以上のことより, DOAおよび
    突然死
    の予知・予防には虚血性心疾患への取り組みが重要であり, DOAの救命率の向上には, 新たな救急医療対策が必要であると考えられた。
  • 黒澤 寛史, 有吉 孝一, 柳井 真知, 佐藤 慎一, 長崎 靖, 上野 易弘
    日本救急医学会雑誌
    2008年 19 巻 12 号 1085-1094
    発行日: 2008/12/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    背景:乳幼児の
    突然死
    を取り扱う上で,乳幼児
    突然死
    症候群(sudden infant death syndrome; SIDS)の診断の適否が時に問題となる。目的:乳幼児
    突然死
    の臨床診断の精度,剖検・組織検索の有用性を検討。対象:1999年 1 月から2006年12月の 8 年間に,当救命救急センターで経験した来院時心肺停止症例のうち 1 歳未満15例と, 1 歳以上 2 歳未満 6 例の計21例。方法:診療録及び死亡診断書,死体検案書より,臨床診断と肉眼的剖検後診断,組織所見を後方視的に検討。結果:1 歳未満15例のうち14例が死亡し,うち11例に剖検を実施した。行政解剖 8 例,司法解剖 3 例で,剖検実施率78.6%であった。死亡14例のうち 9 例は死因の臨床診断が困難であったが,剖検及び組織検索を行うことで,うち7例に異常所見を認めた。この結果SIDSとの最終診断に至ったのは 2 例のみであった。 1 歳以上 2 歳未満の 6 例中 5 例が死亡し,うち 1 例が臨床診断困難であり,この 1 例を含む 2 例に剖検施行。 1 例がSIDSと診断された。考察:臨床医学情報,死亡状況調査,剖検による詳細な検討の結果,死亡19例のうちSIDSと確診されたのは 3 例のみであった。剖検した13例中,診断の補助となる異常所見が得られた症例は 7 例に上り,剖検が必須とされたことを裏付ける結果であった。死因の判断は医学的・社会的に多くの問題を孕んでいる。地域内で総合的な診断体制を構築し,診断の精度を上げる必要がある。結語:患者の詳細な臨床情報収集にても明確な原因がない,あるいは情報が不十分な乳幼児の
    突然死
    において剖検は有用かつ必須であり,安易な臨床診断は厳に慎むべきである。
  • 畔柳 三省, 熊谷 哲雄, 松尾 義裕, 山口 吉嗣, 徳留 省悟
    心臓
    1998年 30 巻 Supplement4 号 3-10
    発行日: 1998/12/05
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    1948年から1996年の49年間の,東京都23区内のランニング中の
    突然死
    の疫学調査を実施し,次の結果を得た.近年では毎年約3件発生している.秋と春に多く,学生と社会人での増減の挙動は一致する。男女比は全体では10:1で,学生では3:1である.心臓死が96.8%を占め,急性心機能不全は20歳未満に多く,虚血性心疾患は40歳以上に多い.500m 距離が延長する毎に件数は半減し,2,500m以降ではほぼ一定である.症状死は45.3%を占め,訴えのあったものは16.0%である.走行中は72.9%を占め,距離判明例については距離に関係なくほぼ6割で一定である.ランニング中の
    突然死
    を防止するためには,特に距離の短いうちとゴール地点で,心発作を前提とした救急処置を行うことのできる者を配置することが有効であると考える.
  • 林 千治, 豊嶋 英明, 田辺 直仁, 小幡 明博, 宮西 邦夫, 船崎 俊一, 田村 真, 山口 利夫, 相沢 義房, 和泉 徹, 柴田 昭, 上村 桂
    日本循環器管理研究協議会雑誌
    1991年 26 巻 2 号 94-99
    発行日: 1991/10/30
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    新潟県における1984~86年の
    突然死
    に関する死亡小票調査及び1988~89年の新規発生調査より
    突然死
    に占める虚血性心疾患の割合について検討した。
    突然死
    は原死因発生から24時間以内の死亡とした。原死因を急性心筋梗塞 (AMI), 他の心血管系疾患 (OCD), 脳血管障害, 非循環器系疾患と分類し, 前2者を心臓性
    突然死
    (CSD) とした。このAMIによる死亡を虚血1, これにOCD中の虚血性心疾患の既往を持つ例を加えた群を虚血2, 0CD例から虚血性心疾患以外の既往疾患を持つ例を除いた症例にAMI例を加えた群を虚血3とした。CSDに対する割合は虚血1, 2, 3の順に死亡小票調査で24.8%, 32.4%, 95.0%, 新規発生調査では20.1%, 34.5%, 80.0%であった。現状において, CSDの診断として循環器医のそれが最も信頼てきるとすれはCSDにおける虚血性心疾患の割合は34.5~80.0%の間であり, これを死亡小票調査に当てはめると全
    突然死
    の23.6~54.7%の間と推定された。
  • ―感染症突然死剖検例と心臓突然死剖検例との比較をもとに―
    米山 裕子, 佐藤 啓造, 九島 巳樹, 栗原 竜也, 藤城 雅也, 水野 駿, 金 成彌, 佐藤 淳一, 根本 紀子, 李 暁鵬, 福地 麗, 澤口 聡子
    昭和学士会雑誌
    2016年 76 巻 3 号 326-339
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/02/21
    ジャーナル フリー
    突然死
    の原因疾患は心疾患や脳血管疾患の頻度が高く,感染症による急死は比較的少ないこともあり,内因性急死としての感染症について剖検例をもとに詳細に検討した報告は少ない.特に,心疾患による
    突然死
    と比較・検討した報告は見当たらない.本研究では当教室で経験した感染症
    突然死
    15例と心臓
    突然死
    45例について事歴や解剖所見を比較・検討した.感染症の死因は肺炎9例,肺結核4例,胆嚢炎1例,膀胱炎1例であり,性別は男8例,女7例であった.心臓
    突然死
    では虚血性心疾患23例,アルコール性心筋症11例,その他の心疾患11例であった.感染症
    突然死と心臓突然死
    について単変量解析を行うと,有意な因子として,性別 (男性:女性,感染症8:7,心臓38:7),るい痩 (感染症9/15,心臓13/45),眼結膜蒼白 (感染症12/15,心臓9/45),心肥大 (感染症3/15,心臓34/45),心拡張 (感染症1/15,心臓23/45),豚脂様凝血 (感染症14/15,心臓10/45),暗赤色流動性心臓血 (感染症11/15,心臓44/45),心筋内線維化巣 (感染症4/15,心臓37/45),肺門リンパ節腫脹 (感染症13/15,心臓10/45),諸臓器うっ血 (感染症6/15,心臓36/45),胆嚢膨隆 (感染症11/15,心臓15/45),胃内空虚 (感染症11/15,心臓16/45),感染脾 (感染症8/15,心臓1/45)が抽出された.有意差がなかった項目は,肥満,死斑の程度,諸臓器溢血点,卵円孔開存,肺水腫,脂肪肝,副腎菲薄,動脈硬化,胃粘膜出血,腎硬化であった.多変量解析では,眼結膜蒼白,豚脂様凝血,心筋内線維化巣,心肥大の4因子が感染症
    突然死と心臓突然死
    とを区別する有意因子として抽出された.眼結膜蒼白,豚脂様凝血の2項目が感染症
    突然死
    に,心筋内線維化巣,心肥大の2項目が心臓
    突然死
    に特徴的な所見であると考えられた.死に至る際,血液循環が悪くなると眼結膜にうっ血が生じるが,心臓
    突然死
    の場合はうっ血状態がそのまま観察できるのに対し,感染症による
    突然死
    では慢性感染症の持続による消耗性貧血を伴う場合があり,うっ血しても貧血様に見える可能性がある.豚脂様凝血は消耗性疾患や死戦期の長い死亡の際に見られることが多い血液の凝固である.死後には血管内で徐々に血液凝固が進行し,暗赤色の軟凝血様となり,血球成分と血漿成分に分離し,その上層部には豚脂様凝血が見られる.剖検時に眼結膜蒼白,豚脂様凝血の所見があれば感染症による
    突然死
    を疑い,感染症の病巣の検索とその病巣の所見を詳細に報告すべきと考えられた.感染症
    突然死
    では,るい痩が高頻度に見られたので,感染症
    突然死
    防止のためには日頃からの十分な栄養摂取が必要と考えられた.また,感染症
    突然死と心臓突然死
    両方で副腎菲薄が見られたので,
    突然死
    防止のためには3次元コンピュータ連動断層撮影(computed tomography:CT)による副腎の容積測定を健診で行い,副腎が菲薄な人では感染症の早期治療が肝要であることが示唆された.
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