高次元データにはその内訳や特徴を簡潔に表現できる性質があり,スパース性とよばれている.圧縮センシングは,スパース性をセンシングの低コスト化・高性能化に生かす技法である.スパース解をもつ連立一次方程式として定式化される基本的な圧縮センシングについては,ランダム観測とスパース再構成の理論の進展と共に,凸緩和に基づくさまざまなスパース解法も考案されている.一方,画像の圧縮センシングでは,エッジなど画像から抽出した特徴がスパース性をもつように画像を再構成するアルゴリズムの設計が求められる.そのような画像再構成を等式制約付き最適化問題として適切に定式化すると,実用的なアルゴリズムを合理的に導出する手段がある.
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