禿赭地に肥料木を砂防造林した場合に,土壌がどのように変化するかをみるために,
笠岡市
および呉市周辺において,ヤシヤブシあるいはヒメヤシヤブシを砂防造林後,相当年数を経過した林地5カ所につき,土壌調査を行った。
造林後二十数年乃至数十年を経過しているにもかかわらず, A層の分化はわずかに3~6cmにすぎず,下層は依然として禿赭地土壌の性格が強く,土壌を肥沃化するという点では充分でない。然し,このA層の性質をB層と比較してみると,かなり改良されている。すなわち,P
2O
5およびK
2Oの増加は殆んど認められないが, N, CaOの増大,酸度の緩和,容水量の増大等により,土壌の生産力を或る程度増すと共に,水に対する安定性もやや増大するもののようである。
抄録全体を表示