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クエリ検索: "紀伊水道"
1,864件中 1-20の結果を表示しています
  • 橋本 隆輝
    パワーエレクトロニクス研究会論文誌
    1999年 25 巻 1 号 9-14
    発行日: 1999/10/01
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    Kii Channel HVDC Link, the ratings of which are 2800MW, 500kV, 2800A in final stage, is constructing to interconnect Sikoku and Kansai electric power systems.
    This paper describes the planning of Kii Cannel HVDC Link and new technologies as follows.
    ·8kV-3500A light triggered thyristors and compact 6tired quadruple thyristor valves.
    ·500kV DC SF6 gas insulated switchgears.
    ·Continuous DC operation during AC system faults.
  • 堀木 信男
    水産増殖
    1979年 26 巻 4 号 170-177
    発行日: 1979/03/25
    公開日: 2010/06/30
    ジャーナル フリー
    1967年4月から1977年3月までの間に, 和歌山県沿岸海域で(稚)A網によって採集されたアイナメ稚仔魚を材料として,
    紀伊水道
    およびその周辺海域における稚仔魚の出現時期および水平分布, 分布と水温・塩分量との関係などについて検討した。
    1 稚仔魚の出現時期は12月8日-3月15日で, その盛期は1月21日-2月10日の比較的短期である。
    2 稚仔魚は和歌山県沿岸海域の全域にわたって出現し, 濃密域は
    紀伊水道
    中・北部域にみられる。
    3 稚仔魚の出現時の表層水温および塩分量の範囲は, それぞれ, 8.9-20.0℃, 32.36-34.96‰であり, 水温9-15℃, 塩分量32.7-34.5‰の範囲での出現数量が多い。
    4 稚仔魚は塩分量に対する適応性の幅がかなり大きいが, 水温に対する適応性の幅が比較的小さく, 狭温, 広塩性の稚仔魚といえよう。
    5 稚仔魚は
    紀伊水道
    域における水温が低く, 外洋系水の
    紀伊水道
    域への流入が強勢のときに, 水温が不連続になっている海域に濃く分布する傾向がみられる。
    6 採集稚仔魚の全長範囲は7-27mmであり, そのモードは12月が7-9mmでふ化後10日以内, 1-2月が9-12mmでふ化後約10-20日を経過しているものと推定される。
    7
    紀伊水道
    域に出現するアイナメ稚仔魚の主産卵期は12月上-中旬頃, 産卵場は紀淡・鳴門両海峡の水のよく澄んだ潮通しのよい沿岸域の藻場と推定される。
  • 金 漢九, 西田 修三, 中辻 啓二
    海岸工学論文集
    2003年 50 巻 926-930
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2010/03/17
    ジャーナル フリー
    これまで, 内湾・内海への栄養塩の流入負荷は陸域起源のものが大きいとされてきた. そのため, 陸域からの汚濁物質の総量規制を実施することによって水質改善を期待してきた. しかし, 紀淡海峡の南部に位置する
    紀伊水道
    では, 外洋から栄養塩が供給されており, その量は陸域から大阪湾に流入する栄養塩に匹敵するほどであることが指摘されている. 本研究では大阪湾と
    紀伊水道
    で行なわれる物質輸送を明らかにするために, 紀淡海峡において現地観測を実施してきた. その結果, 紀淡海峡における流動と水質構造は
    紀伊水道
    沖合いを流れる黒潮の蛇行の影響を受けて大きく変動し, 物質輸送にもこの影響が顕著に現れることが明らかになった.
  • 笠井 亮秀, 藤原 建紀, 多田 光男
    海岸工学論文集
    2001年 48 巻 436-440
    発行日: 2001/10/20
    公開日: 2010/03/17
    ジャーナル フリー
  • 吉田 和郎, 村上 仁士, 島田 富美男, 上月 康則, 倉田 健悟, 一島 洋
    海岸工学論文集
    2002年 49 巻 296-300
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2010/03/17
    ジャーナル フリー
    今世紀半ばには高い確率で南海地震津波の発生が指摘されている. 瀬戸内海に進入する津波の高さは大きくないが, 水粒子速度や移動距離を考えれば, 決して津波に対して安全な海域ではない. この瀬戸内海の津波危険度を評価するために, まず, 津波の進入路となる
    紀伊水道
    と豊後水道への津波の進入特性を波向線追跡法で検討し, さらに, 水道内の津波の応答特性を周期応答特性から検討した. その結果, 両水道入口付近の海底谷や大陸棚と波源との位置関係によって両水道への津波伝播特性が影響を受けること,
    紀伊水道
    と豊後水道はともに, 50分と22-25分という特定の共振周期をもっていること,
    紀伊水道
    は入射波の周期にかかわらず増幅しやすいことを示した.
  • 岡﨑 孝博, 上田 幸男, 浜野 龍夫
    日本水産学会誌
    2012年 78 巻 5 号 913-921
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/10/11
    ジャーナル フリー
    紀伊水道
    外域を含む瀬戸内海東部海域で 1988~1992 年,2009~2010 年に体重 44~3,200 g のハモ 3,117 個体を標識放流した。3 個体を除く 359 個体(11.5%)が同海域で 1,112 日以内に再捕された。放流海域に留まるハモが多いが,一部は 4~12 月に外域から
    紀伊水道
    ,大阪湾へ北上後,
    紀伊水道
    および外域に南下した。この結果,ハモの分布域は外域を含む瀬戸内海東部海域と考えられる。また長期的な水温の上昇によるハモの移動パターンの変化,あるいは個体サイズによる移動パターンの違いが示唆された。
  • 工代 健太, 前野 詩朗, 赤穗 良輔, 吉田 圭介
    土木学会論文集B1(水工学)
    2017年 73 巻 4 号 I_1027-I_1032
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/28
    ジャーナル フリー
     南海トラフ巨大地震発生時に岡山市沿岸には数波に渡って津波が到来し,その最大津波高は約2.6 mと想定されている.岡山市の臨海地域のほとんどの部分が海抜ゼロメートル地帯で占められ,地震時において甚大な津波被害を受ける可能性がある.岡山沿岸を襲う津波は主に
    紀伊水道
    から鳴門海峡および明石海峡を経由してくる津波であることが既往の研究により示されている.そこで本研究では南海トラフ地震下における岡山市の迅速な津波対策に資するため,主に
    紀伊水道
    入口付近で得られた津波波形から,岡山市沿岸の津波挙動を簡易的にリアルタイム予測する手法を検討した.本研究により,
    紀伊水道
    で得られた津波波形からフーリエ解析により抽出した約60分周期の規則波の波形を主に用いることで,岡山沿岸の津波ピーク水位とその到達時間がさまざまな震源ケースにおいて正確に早期予測できることが示された.
  • 廣野 卓藏, 坂田 勝茂
    気象集誌. 第2輯
    1941年 19 巻 5 号 184-187
    発行日: 1941/05/05
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
    In this paper we have calculated the time duration in which a tunami wave travels through the whole course of the Kii Channel. We assumed that the initial position of the wave front of tunami is on the straight line connccting Siomisaki and Murotomisaki, and that it advances northwards holding straightness of its frontal line with the velocity √gh as the wave length of tunami is very large, where g is the gravity acceleration and h the mean deapth of the vertical section of the channel containing a frontal line. Then dividing the total course into 20 wave fronts as is shown in Fig. 1, and summing up the time elements which is given by where dx is the distance betwecn two adjacent frontal lines and H the mean of their h, we get the travel time as is shown in Fig. 2.
    On the other hand, we calculated numerically the travel time by means of the equations where f is the wave amplitude, V the velocity, S and b the sectional area and breadth of the channel respectively (Cf. our previons papers). In our case the initial condition is V=√gh0 and the period is 20 or 40 miniutes. The results are shown also in Fig. 2.
    As we see from Fig. 2, the travel time passing through the Kii Channel is just 60 minutes and the same for our three cases. We have seen in the previous papers that tunami requires 60 minutes to travel through the whole course of the Osaka Bay so that it takes just two hours from the entrance of the Kii Channel to the City of Osaka. This fact gives time enough to make a watcher at, say, Siomisaki to warn the city against the tunami.
  • 堀木 信男
    日本水産学会誌
    1992年 58 巻 6 号 1015-1019
    発行日: 1992年
    公開日: 2008/02/29
    ジャーナル フリー
    Specimens of synodontid eggs and larvae were sorted from samples of vertical hauls with 45cm plankton samplers made at 36 stations in the Kii Channel and adjacent waters over the 13 years from 1967 to 1980. Specimens of juveniles were also collected from the commercial catches ofminnow-net boats operating in the channel.
    The present study suggested the following: Saurida elongata spawnsmainly in the southern part of the Kii Channel frommay to July. S. undosquamis and S. wanieso spawn widely but sparsely in the coastal waters outside the channel and twomonths later than S. elongata. Hatched larvae of the two last named are carried, while growing, into the inner part of the channel by the inflowing current which dominates from summer to fall.
  • 井内 美郎, 奥田 義久, 吉田 史郎
    地質学雑誌
    1978年 84 巻 2 号 91-93
    発行日: 1978/02/15
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
  • *竹内 美優, 岩谷 北斗, 天野 敦子, 有元 純, 鈴木 克明, 板木 拓也, 入月 俊明
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2022年 2022 巻 G9-P-8
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/03
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】 本研究で調査対象とする

    紀伊水道
    は、四国と紀伊半島に囲まれた海域であり、北部では紀淡海峡および鳴門海峡により、それぞれ大阪湾および播磨灘と接続し、南部では太平洋へと繋がる。
    紀伊水道
    は、瀬戸内海と太平洋の合流地点に位置し、本邦太平洋側を流れる黒潮の動態を解明するために重要な海域である。また、
    紀伊水道
    には、主要河川として四国からは吉野川、本州からは紀の川が、都市圏を通り流入しており、人間活動による海洋環境への影響を明らかにするためにも重要な海域といえる。そこで、本研究は海洋環境の変化に鋭敏に応答する貝形虫(微小甲殻類の一分類群)をモデル生物として用い、
    紀伊水道
    の海洋生物相分布とその規制要因を明らかにすることを目的として研究を行った。

     

    紀伊水道
    周辺海域の現生貝形虫の研究は、大阪湾においてYasuhara and Irizuki(2001)、
    紀伊水道
    南部の和歌山県沿岸においてZhou(1995)により行われている。また、
    紀伊水道
    北部の紀淡海峡周辺海域では、完新世コアを用いた貝形虫相の鉛直変化について検討が行われている(Yasuhara et al., 2002)。しかしながら、
    紀伊水道
    内における現生貝形虫の詳細な水平分布はこれまで明らかにされておらず、本研究が初めての報告となる。さらに、本研究海域より、これまでトカラ海峡以北では報告のなかった南方系の貝形虫種であるNeomonoceratina delicataの遺骸殻を発見したため、ここに報告する。

    【結果と考察】 試料は産総研により実施されたGKC21航海にて、K-グラブ採泥器により採取された表層堆積物を用いた。結果として、日本の内湾域で普遍的に認められる貝形虫種が多く認められた。また、

    紀伊水道
    の貝形虫相は、北部、中央部、南部で大きく3つに分けられることが明らかになった。瀬戸内海側(北部)はBicornucythere bisanensisNipponocythere bicarinataCytheromorpha acupunctataといった湾央部の泥底を主に分布の中心とする種(安原, 2007)が優占的に産出した。太平洋側(南部)は外洋種が多くみられ、Argilloecia spp.Bradleya japonicaの産出が認められた。また、太平洋側からは、Falsobuntonica taiwanicaPacambocythere sp.といった暖流域を主な生息域とする種(Zhou, 1995)が特徴的に産出した。南部は北部に比べ底層水温が高いため、温暖な黒潮に影響を受けた群集が形成されている可能性がある。調査地域中央部は内湾種が比較的多く外洋種は南側ほど産出数が多くないが認められる、内湾種と外洋種の混在群集であることが明らかになった。

     紀淡海峡南部の水深51.04 m地点から、保存の良いN. delicataの複数個体の遺骸殻が産出した。N. delicataは、現在、琉球列島や南シナ海、東南アジアなど暖流の影響を強く受ける亜熱帯から熱帯の内湾域に広く分布する種である。日本においても、中~後期更新世の化石記録では九州以北からは内湾域の優占種として多数の報告がある(例えば、入月・瀬戸,2004)。しかしながら、九州以北の完新世以降の記録は、局所的に生存していることが期待されつつも、大阪湾から発見された再堆積と考えられる保存不良な片殻の一標本(Yasuhara and Irizuki, 2001)を除いては、全く報告がなかった。したがって、最終氷期以降の水温低下によりトカラ列島以北の日本列島周辺海域ではほぼ全ての個体群が消滅した可能性が指摘されていた(Irizuki et al., 2009)。

     本研究により得られたN. delicataは軟体部が残っていない遺骸殻のため、リワークの影響を受けている可能性も考えられる。しかしながら、保存状態の良い背甲が複数個体産出しているため、調査海域が何らかのシェルターとして機能することにより、トカラ列島以北の日本における例外的な生息域として、現在も

    紀伊水道
    にはN. delicataが生存しているのかもしれない。

    【引用文献】 Irizuki, et al., 2009, Palaeoecology, 271, 316-328. 入月・瀬戸, 2004, 地質学雑誌, 110, 309-324. 安原, 2007, 人間活動による自然の変化, 161―266. Yasuhara, and Irizuki 2001, Journal of Geosciences, Osaka City Univ., 44, 57-95. Yasuhara et al., 2002, Paleontological Research, 6, 85―99. Zhou, 1995, Memories of the Faculty of Science, Kyoto Univ. 57, 21―98.

  • 高志 利宣, 藤原 建紀, 住友 寿明, 竹内 淳一
    海岸工学論文集
    2002年 49 巻 1076-1080
    発行日: 2002/10/10
    公開日: 2010/03/17
    ジャーナル フリー
    紀伊水道
    における栄養塩輸送は, 瀬戸内海の栄養塩収支を明らかにする上で重要である. 現地観測の結果, 夏季の栄養塩濃度は, 上層は常に低いのに対し, 下層では黒潮が離岸しているときは高く, 接岸しているときには低い値となった. 栄養塩輸送は, 黒潮が離岸状態のときは外洋から流入し, 接岸状態のときも流入するがその輸送量は小さい. 黒潮の流路が接岸状態から離岸状態に転じたときは, 大量の栄養塩が外洋から流入する. 反対に離岸状態から接岸状態に転じたときは, 大量の栄養塩が外洋へ流出する. 一方, 冬季には, 栄養塩濃度は, 内海から外洋側に向かって減少しており, 栄養塩は外洋へ流出する傾向にあった.
  • *神谷 太雅, 仲 ゆかり, 中北 英一
    水文・水資源学会研究発表会要旨集
    2022年 35 巻 OP-10-01
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/20
    会議録・要旨集 フリー

    梅雨豪雨により物的被害のみならず人的被害も多くなってきている昨今、梅雨豪雨の発生、発達メカニズムの更なる理解が必要になってきている。豪雨にとって、水蒸気は必要不可欠であり、その水蒸気自体がどこからどのようにして流れてくるかを知ることは、その理解に大いに役立つ。だが、地形に沿ってどのように入り込んでくるのかの研究は今まで詳細に研究されてきておらず、それを解明することは、メカニズムのより深い理解につながると考えている。そこで、本研究では、流体力学的に流れを及ぼすと考えられる大気の安定度が、どのように豪雨域への地形に沿った水蒸気の流れに影響を及ぼすのかを感度実験を用いて検証した。結果、大気が安定になるほど、

    紀伊水道
    での水蒸気フラックスの流れは、地形に沿った流れが強くなり、地形の内側への収束が強くなることで、より細く高くなることがわかった。

  • *竹内 美優, 岩谷 北斗, 天野 敦子, 入月 俊明, 有元 純, 鈴木 克明, 板木 拓也
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2023年 2023 巻 T12-O-18
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/10
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】

    紀伊水道
    は、瀬戸内海がフィリピン海と合流する海域にあたり、黒潮の動態やその流域の生物相や生物多様性の実態を解明するために重要な海域である。そこで、本研究は貝形虫をモデル生物として用い、
    紀伊水道
    における海洋生物相の時空間分布とその規制要因を明らかにすることを目的として研究を行った。貝形虫は、石灰質の2枚の殻を持つ体長1 mm程度の微小な甲殻類であり、生息する場所の水温や塩分などの変化に敏感に反応し、その個体数や種構成を変える(安原, 2007)ため、多変量解析に基づく古環境復元を適応できるほぼ唯一の後生動物である。調査海域の貝形虫(化石)相の研究は、
    紀伊水道
    南部の和歌山県沿岸においてZhou(1995)により行われ、
    紀伊水道
    北部の紀淡海峡周辺では、完新世コアを用いた貝形虫相の鉛直変化について検討が行われている(Yasuhara et al., 2002)。しかしながら、
    紀伊水道
    における現生貝形虫相の分布に関する知見は限定的であり(竹内ほか,2022)、近現代における貝形虫相の時系列変化の詳細も十分に明らかにされていない。本研究では、
    紀伊水道
    全域の貝形虫相の分布の詳細と、近現代における変遷史を報告する。 【結果と考察】貝形虫分析は地質調査総合センターにより実施されたGKC21航海にて、K-グラブ採泥器により採取された表層堆積物試料およびアシュラ式採泥器により採取された柱状堆積物試料を用いた。結果として、表層堆積物26試料及び柱状堆積物6試料から62属119種の貝形虫が産出した。これらは日本の内湾域で普遍的に認められる種や黒潮流域に認められる種が主であった。 表層堆積物から得られた貝形虫群集に対し、Q-modeクラスター分析を行った結果、調査海域の現生貝形虫相は、内湾泥底種が卓越する湾奥部から西部沿岸域、内湾泥底種と暖流系種の混在群集によって特徴づけられる東部の湾中央部、暖流系種が優先的に産出する南部の湾口部の3つに明瞭に区分された。
    紀伊水道
    は、高温・高塩分の外洋水が湾口部から東岸に沿って流入し、低温・低塩分の沿岸水が西岸に沿って南下する水塊構造を持つことが知られる(藤原,2012)。黒潮由来の外洋水の流入経路と対応するように生物相が分布していることから、
    紀伊水道
    の生物相の分布は外洋水と沿岸水の水平・鉛直分布によって規制されている可能性が高い。 柱状堆積物から得られた貝形虫群集に対し、本研究により表層堆積物試料から得られた現生貝形虫の群集データとその試料採取地点において測定された各種環境項目(水温、塩分、溶存酸素、濁度など)(天野ほか,2022)を用い、モダンアナログ法による古環境解析を行った。結果として、調査層準の底層水温、塩分、溶存酸素は、それぞれ18―19℃、33―34、3.9―4.0 ml/Lと復元され、調査層準全体として、大きな変動を持たない安定した底層環境であったことが明らかになった。しかし、コア深度0―2.2、15.4―17.6 cmでは、復元された底層水温と底層塩分ともに増加した。また、これらの層準のアナログとして選出された現生貝形虫群集の得られた地点は外洋水の影響を強く受けていると考えられる。ゆえに、これらの調査層準に復元された底層水温と塩分の上昇は、強化された黒潮由来の外洋水の影響を反映している可能性がある。 【引用文献】 天野ほか, 2022, 地質調査総合センター速報83, 令和3年度沿岸域の地質・活断層調査報告, p.13―26. 藤原, 2012,
    紀伊水道
    ・豊後水道・響灘と瀬戸内海. 瀬戸内海. 64. 4―9. 竹内ほか, 2022, 日本地質学会第129年学術大会講演要旨集. Yasuhara et al., 2002, Paleontol. Res., 6, 85―99. 安原, 2007, 人間活動による自然の変化, 161―266. Zhou, 1995, Mem. Fac. Sci., Kyoto Univ. 57, 21―98.

  • 堀木 信男
    水産増殖
    1983年 31 巻 3 号 146-155
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1976年4月から1980年3月までの4年間に
    紀伊水道
    においてパッチ網で漁獲された幼稚魚を材料として, 出現種類, 出現時期および体長組成について検討した。
    1.出現した幼稚魚のうち, 42科45種が同定でき, その他に同定し得なかったものが約10種みられた。
    2.優占種は, イワシ類のシラスとイカナゴである。
    3.優占種の他に混獲率が10%以上を示す種類にはタチウオがあり, 1~10%にはエソ科のもの, マアナゴ, サバ属のもの, マルアジ, オキヒイラギ, クモハゼ科のもの, アミメハギなどがある。
    4.ウルメイワシ, マイワシ, カタクチイワシ, エソ科のもの, マアナゴなどは周年にわたり, マルアジ, キスは春一秋季に出現する。
    サバ属のもの, マダイは春―夏季, タチウオは夏―秋季, イカナゴ, カサゴは冬―春季, マアジ, スズキ, アイナメは春季, イサキは夏季に出現する。
    5.イワシ類の体長範囲は11~50mm, エソ科が7~37mm, イカナゴが11~58mmであり, サバ属の全長範囲は7~56mm, タチウオが9~225mmである。その他の幼稚魚についても, 全長20mm以下の個体が大部分を占めている。
    6.パッチ網で漁獲される幼稚魚の調査結果を (特) B網による魚卵, 稚仔魚の採集結果および漁獲組成と比較すると, 全体的にはよく似ている。また, 個々の魚種について検討して, 再生産の場, 補給方向あるいは成長に伴う移行 (移動) 方向などについて推察を試みた。
  • 馬場 康之
    土木学会論文集B1(水工学)
    2018年 74 巻 5 号 I_553-I_558
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/12/05
    ジャーナル フリー

     本研究は,黒潮の非蛇行期(2017年)および蛇行期(2018年)における水温の変動特性について,和歌山県田辺湾の湾口部で冬季に観測された水温データに基づいて考察を行ったものである.黒潮の非蛇行期には,紀伊半島西岸沿いを北上する暖水波及の影響が顕著であり,水温の急変が発生する頻度が蛇行期に比べて多い.一方の蛇行期にも暖水が南側から波及するものの,暖水波及の頻度及びその規模が大きく減少し,紀伊半島南端に近い地点での水温変化との相関にも顕著な差のあることが確認された.また,観測期間中に確認された顕著な水温変動が両期間ともに約30日周期で発生しており,別時期の水温計測結果においても同程度の変動周期が確認されていることから,長周期の変動が観測地点の水温変動特性にも関与している可能性が示唆された.

  • ―東部瀬戸内海における赤潮調査の事例―
    西川 〓一
    環境技術
    1983年 12 巻 5 号 323-327
    発行日: 1983/05/30
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
  • 駒井 克昭, 日比野 忠史, 大釜 達夫
    土木学会論文集B
    2008年 64 巻 3 号 165-179
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/08/20
    ジャーナル フリー
     黒潮流路,河川流量,および瀬戸内海の開口部水位等の経年変化特性に基づいて1982∼1999年を3期に分けて解析し,瀬戸内海の流れ場に及ぼす黒潮の蛇行・直進の影響を明らかにした.まず,実測の密度分布および気圧配置の季節変動を考慮した平面二次元モデルによって瀬戸内海全域の流れ場を解析し,通過流量の強さと流向の変化は下層の低塩分水塊の滞留域の変化によく一致することを示した.次に,運動量保存則に基づいた考察から,黒潮流軸の位置とそれに沿った流速等の水理量を三角級数で近似する数値モデルを構築した.瀬戸内海の通過流量は1010m3/monthのオーダーで期毎に異なり,黒潮流路の蛇行・直進による影響は季節変動量の約3∼4割に相当することが推定された.
  • 堀木 信男
    日本水産学会誌
    1992年 58 巻 6 号 1007-1013
    発行日: 1992年
    公開日: 2008/02/29
    ジャーナル フリー
    The community composition of fish eggs and larvae occurring in the Kii Channel and adjacent waters were studied in relation to seasonal changes in the characteristics of sea areas. Analyses of similarity index indicated that the community composition of fish eggs and larvae were different between the inner part of the channel and the open sea, especially notable in winter. Thus the waters studied could be divided into three sea areas, the inner and outer sea areas and the boundary zone. The last named was usually observed at the entrance of the channel, with some degree of seasonal fluctuation in location and development. These results corresponded well with the seasonal characteristics of local oceanography such as the location and strength of the front, and the degree of sea water exchange through the Kii Channel.
  • 土居内 龍, 安江 尚孝, 武田 保幸
    日本水産学会誌
    2012年 78 巻 3 号 479-481
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/15
    ジャーナル フリー
    炭素・窒素安定同位体比に基づき
    紀伊水道
    産タチウオの栄養段階を推定した。肛門前長 25~502 mm のタチウオ 59 個体は,δ13C が−17.8~−15.2‰, δ15N が 13.8~19.4‰ であった。栄養段階は 2.6~4.2 と推定され,主に 3 と 4 に位置づけられた。栄養段階は肛門前長 250~299 mm の階級までは成長に伴って上昇し,これ以降は上昇しなかった。成長に伴う栄養段階の上昇は,動物プランクトンからエビ類や魚類への食性の変化を反映し,その後の魚食性の進行は栄養段階の上昇を伴わないものと推察された。
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