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クエリ検索: "細菌学"
50,224件中 1-20の結果を表示しています
  • 平成7年度改訂
    日本
    細菌学
    日本
    細菌学
    雑誌

    1995年 50 巻 4 号 1019-1031
    発行日: 1995/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 細菌學
    時報社
    衛生學及
    細菌学
    時報

    1906年 2 巻 573-617
    発行日: 1906年
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 平松 啓一
    順天堂医学
    2002年 48 巻 1 号 132
    発行日: 2002/07/10
    公開日: 2014/11/12
    ジャーナル フリー
  • 塩川 哲雄
    日本科学教育学会年会論文集
    1996年 20 巻 C321
    発行日: 1996年
    公開日: 2018/05/16
    会議録・要旨集 フリー
    高校生物IAの「人間の生活と生物」の単元において, STS教材「病気の歴史」を作成し, 今年度実践している。特に科学の歴史や社会的背景を重視した。19世紀のパスツールやコッホの
    細菌学
    と免疫学の成果をたどりながら, 公衆衛生学や栄養学も考えにいれて, 現代の視点から病気の意味を再構成する事を試みる。
  • 中台(鹿毛) 枝里子
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2024年 38 巻 1 号 9-19
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/02
    ジャーナル フリー

    腸内細菌やプロバイオティクスによる疾患や健康の制御に向けたアプローチが盛んに試みられる一方,腸内細菌と宿主間の相互作用の分子的実体には未解明な点も多い.線虫Caenorhabditis elegans (C. elegans)は,3つのノーベル賞研究をはじめとして,さまざまな生命現象の発見において重要な役割を果たしてきたモデル生物の一つであるが,腸内細菌研究においても例外ではない.乳酸桿菌やビフィズス菌による線虫の寿命延伸作用が報告されて以降,哺乳動物実験の削減・廃止の動きも相まって,線虫を代替モデルとしたプロバイオティクスや有用菌の生体作用に関する知見が急速に蓄積している.線虫固有の腸内細菌叢についての理解も進むなか,腸内細菌叢―宿主間相互作用の解明に向けて線虫モデルの活用がますます期待される.

  • 松本 靖彦
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2024年 38 巻 1 号 1-8
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/02
    ジャーナル フリー

    腸内微生物叢の破綻は,感染症だけでなく生活習慣病や癌など様々な疾患の発症や増悪に影響する.よって,腸内微生物叢でおこる微生物間,および微生物と宿主の相互作用を理解することはそれらの疾患の予防や治療に繋がる.一般的な基礎研究では,抗菌薬で処理されたマウスやノトバイオートマウスが用いられるが費用や倫理的な問題が生じる.本稿では,代替動物としてカイコを利用した基礎研究のなかで疾患モデルにフォーカスを当てて概説する.無脊椎動物であるカイコは倫理的な問題が少ないので多数の個体を用いた実験が可能である.カイコを実験動物として感染症および糖尿病の病態モデルが確立されている.これらのカイコの病態モデルを利用して感染症や糖尿病に対する予防効果が期待できる乳酸菌が同定されており,その実験動物としての有用性に関して紹介する.

  • 下条 直樹
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2023年 37 巻 4 号 187-198
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー

    ヒトの腸内細菌叢は,出生後から乳幼児期にかけてダイナミックに変化し,3歳までに安定するといわれている.乳幼児期に形成される腸内細菌叢は,アレルギー疾患も含めてヒトの健康・疾病に大きくかかわっており,その乱れ(dysbiosis)は短期的のみならず,長期的な影響を健康状態に及ぼす可能性がある.小児の代表的なアレルギー疾患である,アトピー性皮膚炎,喘息,食物アレルギーで発症前からのdysbiosisが報告されているが,特定の菌属の関与は明らかではない.腸内細菌の代謝物のなかで酪酸のアレルギー疾患の寛解における関与を示す研究はいくつかあるが,発症における短鎖脂肪酸の関与についてはまだ不明な点が多い.腸内細菌叢の形成・発達には,出産様式,抗生物質の使用の有無,乳児期の栄養法などが大きく影響する.プロバイオティクスなどによるアレルギー疾患の予防では,出産後の介入は効果はなく,妊娠中からの介入の有効性が報告されている.特に食品・栄養素が腸内細菌叢に与える作用についての解析が今後望まれる.

  • 三宅 幸子
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2023年 37 巻 4 号 179-185
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー

    腸内環境は様々な疾患との関連が注目されている.腸と中枢神経は腸脳相関として関連が深いことが以前から注目されていた.さらに,腸は免疫系との関連が深く,中枢神経と免疫系も関連が深い.近年,多発性硬化症のような免疫疾患ばかりでなく,パーキンソン病などに代表される変性疾患においても炎症反応などの免疫応答が病態形成に関与することが注目されている.腸内細菌との関連では,免疫性神経疾患の代表である多発性硬化症においても,病態形成への腸内環境の関与が注目されているパーキンソン病においてもdysbiosisが報告されている.腸内環境が神経炎症に影響を与える機序については動物モデルを使って研究がなされており,腸内細菌の代謝産物や細菌成分が免疫系に影響を与えるだけでなく,グリア細胞にも影響して病態に関与する可能性が示されている.

  • 鈴木 功一郎, 長谷 耕二
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2023年 37 巻 3 号 149-155
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/08/07
    ジャーナル フリー

    出生と同時に我々は母体由来や環境由来の細菌に曝露され,腸内細菌との共生が始まる.乳幼児期の未成熟な腸内細菌叢は不安定であり,様々な環境要因の影響を受けやすい.この時期の腸内細菌叢に影響を与える分娩様式の違い(経膣分娩か帝王切開か)や抗生物質の使用は,将来の免疫疾患の発症のしやすさに影響することが多くの疫学研究により示されているが,そのメカニズムには不明な点が多く残っている.マウスを用いた研究により,乳幼児期の特定の期間にしか起こらない腸内細菌依存的な免疫反応の存在が明らかになってきており,この期間(しばしば“window of opportunity"と表現される)に起きるべき免疫反応の機を逸することが,将来の免疫疾患につながる可能性が示唆されている.乳幼児期の腸内細菌叢を正常化する方法が研究されており,腸内細菌叢の正常化によって将来の免疫疾患の発症まで抑制できるか,今後の研究が期待されている.

  • 藤橋 浩太郎
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2023年 37 巻 3 号 139-148
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/08/07
    ジャーナル フリー

    加齢による腸内細菌叢の変化は周知の事実であり,それにともない高齢者ではインフラメイジングと呼ばれる低応答の慢性炎症の持続や免疫応答の低下が認められる.早期の経口免疫寛容の破綻はインフラメイジング誘導の一因と推測され,その後の腸管粘膜免疫応答の低下を引き起こしている可能性がある.高齢者の腸内細菌叢の変化と免疫応答の低下は密接な関係があると考えられるため,高齢者において致死率が高い呼吸器感染症を防ぐには,腸内細菌叢の維持,若返りが必要であるが,その実施は困難である.経鼻ワクチンは,加齢や腸内細菌叢の変化による影響は少なく,新規アジュバントの開発による感染防御可能な粘膜免疫応答の誘導が示唆されている.高齢者における腸内細菌叢の改善とその維持,新規粘膜ワクチンによる感染症の予防は健康寿命を伸ばし,持続可能社会の構築に貢献すると考えられる.

  • 森田 直樹, 新藏 礼子
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2023年 37 巻 1 号 1-8
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/02/01
    ジャーナル フリー

    腸管管腔内には病原性を持つ細菌を含む多様な細菌が存在しており,宿主細胞は種々の分子を管腔中へ分泌することで腸管管腔内の恒常性を維持している.宿主由来の分泌性分子による腸内細菌叢制御は,上皮細胞および免疫細胞の相互作用が必須である.本稿では,宿主による腸内細菌叢制御に関して,最新の知見も含め概説をする.

  • 奥村 龍, 竹田 潔
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2023年 37 巻 1 号 09-19
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/02/01
    ジャーナル フリー

    おびただしい数の腸内細菌が存在する腸管においては,腸管上皮細胞によって構築される上皮バリアが腸内細菌を,小腸では主に殺菌作用のある化学的バリアで,大腸では粘液層を中心とした物理的バリアで制御し,各腸管で恒常性が維持されている.それゆえ,何らかの環境要因により腸内細菌が変化する,または遺伝的素因により上皮バリアが脆弱化した場合には,腸内細菌の組織侵入を許すことになり,腸内細菌による過剰な免疫応答により,炎症性腸疾患が発症する.

  • 尾畑 佑樹
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2022年 36 巻 1 号 21-27
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/02/04
    ジャーナル フリー

    消化管は生体内で最大の感覚器官であり,腸の組織内および管腔内の動的な微小環境を常に監視するための巧妙な仕組みを備えている.消化管固有の神経システムである腸管神経系(Enteric Nervous System, ENS)は,腸管ニューロンおよびグリア細胞から構成されており,腸内環境モニタリングにおいて中心的な役割を果たしている.ENSは,消化管生理機能のほぼ全てに関与していると考えられており,その異常は過敏性腸症候群をはじめとする様々な慢性腸疾患の原因となり得る.ENSは自律的に働く神経回路を有するため,その機能の多くは脳からの指令がなくても維持される.一方で,ENSは腸-脳相関(Gut-Brain Axis)の中継基地としての役割も果たしている.近年,腸内微生物がENSの発達や機能に影響を与えることが報告されている.しかしながら,腸内微生物-神経系クロストークの根底にある分子メカニズムは未だ解明されていない.本稿では,腸内細菌由来因子が消化管神経回路を修飾する仕組みについて,我々の知見を交えて紹介する.

  • 関 沙織, 小野寺 洋子, 岩堀 禎廣, 難波 利治, 海老原 淑子
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2022年 36 巻 4 号 199-208
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/28
    ジャーナル フリー

    排便回数が週3~5回の41~61歳の健常成人20名を対象に,16種35株の乳酸菌およびビフィズス菌とその代謝物(乳酸菌生産物質)を含む豆乳発酵食品(商品名 FF16)の腸内細菌叢・排便に対する自覚症状・排便状況など,腸内環境への有用性についてランダム化二重盲検クロスオーバー比較試験により検討した.被験者にFF16(150 mg/日)を含む試験食品を摂取させたところ,日本語版便秘評価尺度(CAS-MT)において「排便回数」「排便時の肛門の痛み」「便の排泄状態」の各項目に加えて「総合評価」においても,開始時と比較して統計学的に有意な改善が確認された.また,試験食品摂取群において便のにおいと関わるなど潜在的有害菌として知られるBacteroidaceae, Sutterellaceae, Oscillospiraceaeがプラセボ食品摂取群と比較して統計学的に有意に減少し,また,感染症の減少に関わるなど潜在的有益菌として知られるDesulfovibrionaceae, Peptostreptococcaceae, Rikenellaceae, Eggerthellaceae, Actinomycetaceaeがプラセボ食品摂取群と比較して統計学的に有意に増加していた.以上の結果より,FF16の摂取により,排便に対する自覚症状の改善および潜在的有益菌の増加が確認されたことから,腸内環境の改善に有効であると考えられた.

  • 竹内 直志, 大野 博司
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2022年 36 巻 4 号 189-198
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/28
    ジャーナル フリー

    腸内細菌は様々な免疫細胞の誘導および機能成熟に関与するが,一方,腸内細菌を直接的に制御する免疫機構は限られている.免疫グロブリンA(IgA)は腸内細菌を制御する主要な免疫機構である.以前より,腸内細菌がIgAの誘導に重要であることは知られていたが,近年次世代シークエンサーの発展にともない,IgAが腸内細菌の組成や機能の制御に重要な役割を果たしていることが徐々に明らかになっている.本稿では,IgAと腸内細菌の相互作用に関わる要因に関して様々な知見を紹介し,IgAが腸内細菌の制御にどのような役割を果たしているかについて議論する.

  • 香山 尚子
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2022年 36 巻 4 号 177-188
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/28
    ジャーナル フリー

    病原微生物へのTh1, Th2, Th17応答は生体防御に必須であるが,過剰な炎症応答は組織恒常性維持の破綻につながる.そのため,Foxp3制御性T(Treg)細胞は,多様なメカニズムによりエフェクター応答を厳密に制御している.IPEX症候群では,Foxp3遺伝子変異にともなうFoxp3 Treg細胞の機能異常により,腸炎や自己免疫疾患が発症することより,Foxp3 Treg細胞が生体恒常性維持に極めて重要であることが示唆される.ヒトの腸管組織には40兆個も細菌が存在する.これまでに,腸内細菌の代謝産物や構成成分がFoxp3 Treg細胞の分化や機能を制御し,腸管恒常性維持に寄与することが報告されている.細菌叢の乱れが炎症性疾患,自己免疫疾患,神経系疾患に関与することが示唆されており,腸内細菌によるFoxp3 Treg細胞恒常性維持機構のさらなる解明が,多様な疾患の新規治療法開発につながることが期待される.

  • 増岡 弘晃, 高安 伶奈, 木口 悠也, 関家 紗愛, 須田 亙
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2022年 36 巻 3 号 149-158
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/01
    ジャーナル フリー

    腸内微生物叢をターゲットにした研究は近年加速度的に増加しており,研究の発展を支える解析技術も日進月歩で向上している.腸内細菌叢の解析手法のメインストリームは,培養法から始まり,メタ16S解析を経て,現在ではメタゲノム解析へと変遷し続けてきた.メタゲノム解析に移行したことで得られる情報量は格段に向上したが,その反面でメタゲノムデータの取扱いや解釈は非常に困難である.さらに,メタゲノム解析のワークフローについて詳細に取り上げた文献は未だに少ない現状にある.本総説では,腸内細菌叢解析の手法の種類や各解析手法におけるワークフロー,さらには最新の解析手法といった内容を腸内細菌叢研究の初学者~中級者に向けても解説する.

  • 宮内 栄治
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2022年 36 巻 3 号 143-148
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/01
    ジャーナル フリー

    多発性硬化症(MS:Multiple sclerosis)は脳や脊髄といった中枢神経系に慢性炎症をともなう自己免疫疾患であり,その症状は視覚障害や四肢の麻痺など多岐にわたる.発症原因については未だ十分に解明されていないが,環境的要因と遺伝的要因の両方が関与し,主に自己抗原特異的なTh17細胞が病態形成において中心的な役割を果たしていると考えられている.近年,MS患者の腸内細菌叢が健常人とは異なることがいくつかのグループから相次いで報告された.また,MSの動物モデルである実験的自己免疫脳脊髄炎(EAE; Experimental autoimmune encephalomyelitis)を用いた研究では,マウスを無菌状態で飼育することでEAEの発症や進行が抑制されることが示されていた.これらの報告はある種の腸内細菌がMSにおける中枢神経系の炎症促進に加担していることを示唆している.しかし,どのような細菌が関与しているのか,さらには腸管内の細菌がいかにして中枢神経系の炎症を制御するのかなど,不明な点が多く残されていた.今回われわれは,2つの異なる腸内細菌が相乗的に作用し,EAEにおける中枢神経系の炎症を促進することを明らかにした.EAEにおいては,神経軸索を覆うミエリンに特異的なTh17細胞が抹消から脊髄に移行し炎症を惹起するが,免疫に誘導されたミエリン特異的T細胞が抹消から小腸に移行すること,さらにそこで腸内細菌の刺激を受け自己応答性Th17細胞が活性化することを確認した.Erysiplerotrichaceae科の菌はアジュバント様の作用で自己応答性Th17細胞の病原性を高め,Lactobacillus reuteriが発現するUvrAがT細胞受容体特異的にミエリン特異的T細胞の増殖を促進することを見出した.興味深いことに,片方の菌の作用のみではEAEの病態には大きく影響せず,相乗的な作用が中枢神経系の炎症促進に重要であることが示された.これらの結果は小腸細菌叢を制御することがMSの発症や症状緩和に寄与する可能性を示している.一方,ヒトとマウスでは常在する腸内細菌が異なり,また,MSとEAEでは異なる自己抗原が標的になると考えられる.今後,これらのギャップを埋めることにより,腸内細菌を起点としたMSの新しい予防・治療法の開発に繋がると期待できる.

  • 小井戸 薫雄, 伊藤 善翔, 闞 鑫, 尾藤 通世, 堀内 三吉, 内山 幹, 大草 敏史
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2022年 36 巻 3 号 135-141
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/01
    ジャーナル フリー

    ヒトの腸内には約1,000種類以上,40兆個以上の腸内細菌が存在すると推定されている.ヒト腸内細菌叢は全体で1.5〜2 kgの重量を占め,腸内フローラとも呼ばれている.糞便のおよそ半分から3分の1は細菌由来で,ヒトは1日あたり2〜3兆個もの細菌が排出されている.近年,次世代シークエンサーの画期的な発展により,遺伝子解析の迅速化がはかられ,メタゲノム解析が可能となり腸内細菌叢(gut microbiota)の研究は爆発的に進んでいる.その結果,消化器疾患のみならず代謝疾患,神経疾患,アレルギー性疾患,動脈硬化などのさまざまな疾患において,腸内細菌叢構成が健常人と比較し異なっている(dysbiosis)ことが分かってきている.われわれの検討でも,潰瘍性大腸炎,大腸腺腫,大腸癌,肝硬変,過敏性腸症候群などの消化器疾患と腸内細菌叢の関連が明らかになっている.腸内細菌の関連機序として,腸内細菌の代謝産物などの関連性が示唆されているが,今後の詳細な検討が待たれる.また,腸内細菌叢が腸管上皮細胞や腸管免疫系を介して,各種の疾患の発症や癌治療成績に関連している可能性が示唆されている.本稿では,腸内細菌による免疫制御に関して,主として抗原提示細胞である樹状細胞の関与に関して知見を紹介する.

  • 田之上 大, 新 幸二
    腸内
    細菌学
    雑誌

    2022年 36 巻 1 号 13-20
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/02/04
    ジャーナル フリー

    T細胞は抗原特異的な免疫応答において中心的役割を担う免疫細胞であり,その分化・機能に腸内細菌が関与することが知られている.T細胞のうちαβT細胞受容体を発現するT細胞はCD4T細胞およびCD8T細胞に大別される.CD4T細胞のうちTH1細胞と呼ばれるサブセットは細胞内寄生細菌に対する免疫応答に重要であるとともに,その過剰な活性化は自己免疫疾患の発症・増悪に関与する.一方,TH2細胞サブセットは寄生虫感染防御応答に重要であるかたわら,花粉症や喘息などのアレルギー応答の増悪にも関与する.また,CD8T細胞は病原性細菌・ウイルスやがん免疫応答に重要な役割を担っている.この記事では,これらTH1,TH2およびCD8T細胞応答とその関連疾患に関与する腸内細菌を紹介する.

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