戦後71年、戦争体験の伝承と継承が大きな課題になっている。体験者が高齢化し、直接話を聞く機会が失われつつあるからだ。
その中で、デジタル・アーカイブが戦争体験の伝承において重要な役割を果たすと考えられる。筆者は、戦争体験者の証言動画など関連コンテンツにメタデータを付けアーカイブ化、誰もがアクセスできるデータベース、「NHK戦争証言アーカイブ」を制作した。その後ヤフーに移り、「空襲」に焦点を当てたデジタル・アーカイブを公開した。
NHKとヤフーのデジタル・アーカイブを閲覧することで、戦場から銃後まで日本人の戦争体験を幅広く見聞きすることができる。
しかし、デジタル・アーカイブはそこに「在る」だけでなく、できるかぎり多くの人に利活用されなければならない。そのために、様々なキュレーションを施し、ユーザーに利用を働きかけてきた。これまでどのようなコンテンツを作り、利用促進のために何をしたのか取り組みとその効果を報告する。
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