海水の多段フラツシユ蒸発装置における非平衡現象および非平衡温度差について定義した.
次に多段フラツシユ蒸発装置の移動現象方程式から装置の熱伝達能力, 海水の沸点上昇, フラツシユ蒸発の非平衡温度差, 加熱蒸気
経費および伝熱面経費などの装置および経費
要因と髄造水比, 最適伝熱面積および最小淡水製造
経費
との関係を明らかにした.
それらの関係式から, 実用装置の装置および
経費
条件の範囲で諸数値を設定し, 電算機によつて, 最適造水比, 最適伝熱面積および最小淡水製造
経費
を計算した.
計算結果より, 非平衡温度差と諸条件および最小淡水製造
経費
との関連を中心に検討した結果, いずれも非平衡温度差が増大すると, 最適造水比は低下し, 最小淡水製造
経費
は増大することがわかつた.その程度は条件により異なるが, 例えば
r/U△Tが100m
2h/t,
CAが0.085\/m
2h,
Nが20段から60段の範囲で,
CH150\/tがの場合には, 一段当りのフラツシユ温度差に対する非平衡温度差が10%増加すると, 最小淡水製造
経費
は0.25\/tから0.75\/t,
CHが200\/tの場合には0.3\/tから1\/t大きくなる.
換言すれば, 本計算例ではΔNTD/ΔTを0.5から0にすることができるならば, 最小淡水製造
経費
は1.5~5\/t低下することになる.
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