良好な視覚を得るためには, 視覚受容器としての眼の構造が正常であり, その視覚情報を処理する大脳視覚領が充分に機能していることが必要である. これらが, 加齢により機能低下あるいは組織変化を生じれば, 視覚障害をもたらすことになる. 眼の加齢変化はすべての構造に生じるが, その中でも, 角膜, 水晶体, 硝子体などの透光組織と網膜黄斑部への障害は急激な視力低下を生じえる. 代表的な中途失明をもたらす疾患としては, 加齢黄斑変性症, 白内障, 緑内障などがあげられるが, 多くの疾患で酸化ストレスとの関係が議論されており, 特に加齢黄斑変性症では抗酸化ビタミンや亜鉛のサプリメントが疾患の進行を阻止するとの報告もあり, 注目されている.
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