ポリ塩化ビニルを湿式脱塩酸した原料を硫酸処理により重金属捕集剤を目的として,処理条件と交換容量,原料および硫酸処理物の物理的化学的構造との関連を検討しイオン交換体を製造した。交換体はカルボキシル基とスルホン基が導入される。スルホン基は処理温度にあまり関係なく2meq/9位で,カルボキシル基は処理温度の上昇とともに増加した。
交換体をNa型とH型にし0。oo612mol/1のCu
2+,Zn2÷,Ni
2+,Cd2÷,Hg2÷の溶液を3y=4~5で流し破過曲線を求めた。H型の場合,交換速度の遅い部分があり,カルボキシル基によると思われた。
NaOH添加物存在下脱塩酸した原料による交換体はNa型でCu2÷>Cd2÷,Ni2÷,Zn2÷Hg2÷,H型でCu
2+Zn第Cd2÷Ni3÷Hg2÷,Fe添加物存在下脱塩酸した原料による交換体はNa型でCd
2+,Ni2>Zn2÷,Cu
2+>Hg2>H型でCu2÷>Cd
2+,Ni2※,Zn2>Hg2÷,Fe203とNaOH存在下,酸素雰囲気中脱塩酸した球状の原料より交換体はNa型でCu2争,Cd2÷,Ni3÷,Zn2÷>Hg2÷,H型でCu窯÷,Cd
2+,Ni
2+,Zn2>Hg2やの結果が得られた。Hg2÷はH型ではほとんど交換しない。Na型ではイオン交換と活性炭の吸着と類似の作用とが複合した結果によると思われた。
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