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クエリ検索: "脾臓摘出術"
2,494件中 1-20の結果を表示しています
  • 金田 悟郎, 高橋 俊毅, 山本 学, 松田 年, 林 賢
    医療
    1999年 53 巻 12 号 764-768
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    外科領域の腹腔鏡下手術は胆摘術に始まり, 近年目覚ましい発展を遂げ,
    脾臓摘出術
    も腹腔鏡下に治療されるようになってきた. 当初, 血管に富み, 脆く損傷しやすい臓器であったことから普及化に困難さが感じられた術式ではあったが, 手術手技, 自動縫合器などの機器の発達により, 近年ではかなり一般的な手技となりつつある. 適応となる疾患は後述のごとく, 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)や, 遺伝性球状赤血球症(HS)などの血液疾患や, 最近では脾機能亢進症に対しても本術式が適応されてきている. 手術方法は, 胃大網を切開し, 短胃動静脈, 脾門部を先に処理するanterior apProachと, 脾結腸靱帯から, 脾背側の後腹膜を切開し, 最後に脾門部を処理するlateral apProachとがあるが, 最近ではlateral approachが一般的になりつつある. また, 膵臓に対する腹腔鏡下手術の報告も散見され, 膵嚢胞切除や, 体尾部切除, また膵頭十二指腸切除の報告までみるようになった.
  • 瀬尾 原始
    岡山醫學會雜誌
    1890年 2 巻 3 号 90-94
    発行日: 1890/02/28
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 橋爪 誠
    日本門脈圧亢進症学会雑誌
    2011年 17 巻 4 号 169-173
    発行日: 2011/11/30
    公開日: 2013/12/24
    ジャーナル フリー
    脾臓摘出術
    は,古くはBanti病に対する治療法として,また食道静脈瘤治療法の一つとして報告されたが,近年の内視鏡的治療の出現により手術療法自体の適応が少なくなってきた.しかし,内視鏡外科手術の普及とsealing vessel等の新しい機器の発達により腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    が安全・確実に施行できるようになった.特に,
    脾臓摘出術
    により長期に血小板数が維持できることや,肝機能の改善,肝線維化抑制,肝再生にも影響があることが報告されるようになり,
    脾臓摘出術
    の適応が見直されてきた.現在では,内視鏡的治療抵抗性の難治性食道胃静脈瘤治療目的のほか,IFN治療導入目的や肝癌治療目的など慢性肝疾患患者に対しても積極的に施行されるようになってきた.今後は,さらに分子標的治療や幹細胞を用いた肝再生療法との集学的治療の一環としてその役割が期待される.
  • 起田 桂志, 庄司 哲也, 矢野 和博, 奥山 稔朗
    日本門脈圧亢進症学会雑誌
    2003年 9 巻 4 号 224-226
    発行日: 2003年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    肝硬変による血小板減少は併存疾患に対する治療の制限因子となり患者のQOLや長期生存に与える影響は無視できない.併存疾患を有する脾機能亢進症患者5例に対し腹腔鏡補助下
    脾臓摘出術
    を行い, 安全性と有効性を検討した.対象は併存疾患 (肝癌2, ウイルス性肝炎1, 頚椎症1) を有する脾機能亢進症患者5例.手術当日に血管造影下にゼラチンを用いて脾動脈塞栓を行い, 直ちに血小板10単位を輸血しながら手術室へ搬送し, 腹腔鏡補助下
    脾臓摘出術
    を行った.手術時間は140.5±73.1分, 出血量は205±197g, 脾重量は330±141gであった.全例で合併症は認められず, 血小板数は改善し, 併存疾患に対する治療も可能となった.脾機能亢進症合併肝硬変患者に対しては併存疾患に対する治療が必要な場合は積極的に腹腔鏡補助下
    脾臓摘出術
    を行うことは有効であると考えられた.
  • 中沼 伸一, 大畠 慶直, 林 泰寛
    日本門脈圧亢進症学会雑誌
    2016年 22 巻 2 号 159-165
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/12/26
    ジャーナル フリー

    慢性肝疾患の集学的治療の一つとして腹腔鏡下

    脾臓摘出術
    が行われているが,門脈圧亢進症や脾腫を有する場合は出血のリスクを認め,安全性の考慮が必要である.当科では慢性肝疾患を有する症例に対する完全腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    の安全対策として,①視野確保が難しくなる脾上極の授動時に2本の鉗子にて脾を背側から挙上させて視野確保する工夫,②脾門部処理では,脾上極が内側に張り出す形状を意識して自動縫合器を無理なく挿入し,③脾門部の厚さや含まれる血管径の違いに応じてステープル高さの異なるカートリッジを選択し分割処理する手技を定型化してきた.手術成績では手術時間の短縮傾向,出血量の減少傾向を認め,同手技は手術の安全性の確保や定型化に貢献できる可能性がある.しかし,完全腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    は脾体積800~900 mlまでは遂行可能であったが,それ以上では用手補助下手術に移行が必要であり,脾体積による症例の選択が必要と考えられた.

  • 倉林 誠, 吉成 大介, 髙橋 研吾, 小林 光伸, 蒔田 富士雄, 棚橋 美文, 宮澤 悠里, 鈴木 司
    北関東医学
    2019年 69 巻 3 号 215-220
    発行日: 2019/08/01
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー

    腹腔鏡下

    脾臓摘出術
    が適応となる悪性疾患,脾腫のサイズに関する明確なエビデンスはないが,技術修練と経験によって遂行可能な症例は腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    を第1選択とすることが推奨されている.今回我々は悪性リンパ腫による巨脾症例に対して腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    を施行し得た2例を経験した.症例は40歳代男性と70歳代男性で,CTでの脾臓最大長径は24 cmと21 cmであった.腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    を完遂し,手術時間は324分と271分,出血量は10 ccと56 cc,摘出脾臓重量は1,500 gと1,550 gであった.病理組織学的診断は脾B細胞性濾胞辺縁帯リンパ腫とマントル細胞リンパ腫の診断であった.いずれも長径20 cmを超える巨脾症例であったが,脾門部の処理を先行して行う前方アプローチで安全に腹腔鏡下に施行し得た.巨脾に対する脾門先行処理による腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    は有用な方法と考えられた.

  • 長谷 晃輔, 長谷 生子
    動物臨床医学
    2019年 27 巻 4 号 153-156
    発行日: 2019/01/15
    公開日: 2020/01/15
    ジャーナル フリー

    5歳2カ月齢,未去勢雄のパピヨンが1週間前からの運動不耐性を主訴に来院した。一般血液検査では重度の非再生性貧血が認められた。骨髄検査では赤芽球系細胞の見かけ上の成熟停止を伴った過形成,およびマクロファージによる赤芽球系細胞の貪食像を認めた。以上の所見より非再生性免疫介在性貧血と診断した。薬物療法を導入することなく

    脾臓摘出術
    を実施したところ比較的速やかに良好な反応が得られ,その後も免疫抑制剤による治療を行うことなく良好に維持できている。

  • 三好 敬之, 高槻 光寿, 日高 匡章, 曽山 明彦, 濱田 隆志, 江口 晋
    日本門脈圧亢進症学会雑誌
    2019年 25 巻 2 号 128-131
    発行日: 2019年
    公開日: 2021/12/25
    ジャーナル フリー

    門脈圧亢進症による食道静脈瘤や胃静脈瘤に対する治療としてHassab手術や

    脾臓摘出術
    が提唱されているが,特に肝硬変(LC)症例の予後についての報告は少ない.2005年から2017年までに当科で門脈圧亢進症に対して
    脾臓摘出術
    を施行した17人の患者について後方視的に検討を行った.LC症例(n=14)と特発性門脈圧亢進症(IPH)症例(n=3)とで,それぞれ血液生化学的検査の変化を比較した.またChild-Pugh分類AのLC症例で
    脾臓摘出術
    の有無での予後の比較を行った.LC症例,IPH症例ともに
    脾臓摘出術
    後に白血球および血小板の増加を認めたが,肝機能の改善は認めず,むしろアルブミン値の低下を認めた.Child-Pugh分類Aの症例で
    脾臓摘出術
    の有無で生存率に有意差はなかった(平均生存期間38.6±36.4か月vs 26.4±22か月).IPHによる門脈圧亢進症に対しての
    脾臓摘出術
    は有用であるが,Child-Pugh分類AのLC患者では
    脾臓摘出術
    は予後を改善しない可能性がある.

  • 豊田 英治, 信藤 由成, 徳家 敦夫
    日本外科系連合学会誌
    2013年 38 巻 4 号 897-904
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/09/09
    ジャーナル フリー
    患者は17歳,女性.幼少時より遺伝性球状赤血球症で経過観察を受けていたが,全身倦怠感,黄疸の出現のため,腹腔鏡下脾摘術を行った.
    腹部CTで脾腫を認めたため,脾臓の縮小と術中の出血コントロール目的に,手術前日に脾動脈塞栓術を行った.また手術に際しては,脾腫のため脾臓の授動が難しく,脾門部血管の先行処理を行った.
    脾動脈塞栓術による血流遮断と,前方アプローチによる脾門部先行処理を組み合わせることは,本症例のような脾腫を認める腹腔鏡下手術困難予想症例に対しても,安全に腹腔鏡下手術を行うことが可能であり,有用な方法と思われた.
  • 高木 純人, 谷島 聡, 金子 弘真, 柴 忠明, 渡辺 聖, 中村 博志, 平野 敬八郎
    日本臨床外科学会雑誌
    1998年 59 巻 3 号 802-806
    発行日: 1998/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    3歳の幼児遺伝性球状赤血球症例に対し腹腔鏡下脾摘出術を行ったので報告する.症例は3歳9カ月,女児.遺伝性球状赤血球症および脾腫の診断にて,腹腔鏡下脾摘出術を施行した.体位は完全右側臥位で,肋骨-腸骨間を広げるため軽度側彎を加えた.スコープは4mm径,鉗子類は3mm径を使用し, 6~8mmHgの低圧気腹で視野を確保した.気腹により気道からのエアーリークが認められたが,麻酔への影響は認めなかった.また幼児例であるため,特に循環動態,呼気炭酸ガス濃度,および経皮酸素飽和度を厳重に監視することにより安全な術中管理が可能であった.脾動静脈の処理は,血管縫合用自動縫合器で切離し,断端はエンドループで結紮した.切離した脾はナイロンバックに収納し,モルセレーターで破砕し体外に摘出した.手術時間は176分で第9病日に退院した.腹腔鏡下脾摘出術は極めて有用な術式で,細径器具を使用することにより幼児例でも安全に手術を遂行することが可能であった.
  • 末廣 祐樹, 釘宮 成二, 竹本 圭宏, 原田 栄二郎, 中村 丘, 濱野 公一
    日本臨床外科学会雑誌
    2019年 80 巻 2 号 410-415
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/31
    ジャーナル フリー

    原発性脾腫瘍は稀な疾患であり,脾嚢胞・血管腫・リンパ管腫・過誤腫・悪性リンパ腫・転移性腫瘍・血管肉腫などが報告されている.今回われわれは,術前に脾動脈塞栓術を施行し,脾門部先行処理で腹腔鏡下

    脾臓摘出術
    を施行しえた本邦最大級の脾海綿状血管腫症例を経験した.

    症例は31歳,女性.約2年5カ月前に腹部エコーにて脾腫瘤を指摘され,無治療経過観察されていた.嘔気を主訴に受診し,25cm大の巨大な脾原発脾血管腫と診断された.出血予防と脾臓の体積減少目的で手術前日に脾動脈塞栓を施行した.脾動脈塞栓後より強い腹痛を認めたが,硬膜外麻酔と経口鎮痛剤を併用し疼痛コントロールは可能であった.脾門部先行処理で腹腔鏡下

    脾臓摘出術
    を施行し,術後合併症は無く第9病日に軽快退院となった.巨大な脾腫瘍に対する腹腔鏡手術における工夫と文献学的考察を含めて報告する.

  • 牧内 明子, 花崎 和弘, 袖山 治嗣, 好沢 克, 五十嵐 淳, 天野 純
    日本臨床外科医学会雑誌
    1997年 58 巻 11 号 2633-2636
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    総胆管拡張症を合併したITP症例に対して一期的手術を施行した1例を経験したので報告する.症例は58歳,男性.ステロイド抵抗性となったITPに対し
    脾臓摘出術
    (脾摘)の適応として当科に入院した.総胆管拡張症の合併がみられたため,一期的に脾摘,および総胆管切除術+胆嚢摘出術(肝管空腸吻合, Roux-en-Y再建)を施行した.周術期の血小板は一過性に上昇したが,その後徐々に低下を認め,寛解には至らなかった.
    術前脾摘によるITPの寛解の可能性を正確に予測することは困難であるため,手術を必要とする他疾患を合併するITP患者に対しては,可能な限り一期的手術を行うべきである.
  • 川中 博文, 赤星 朋比古, 長尾 吉泰, 吉田 大輔, 金城 直, 上原 英雄, 江頭 明典, 田尻 裕匡, 皆尺寺 悠史, 高山 洋臣, 松本 敏文, 吉住 朋晴
    日本門脈圧亢進症学会雑誌
    2018年 24 巻 2 号 175-180
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー
  • 福島 隆治, 松本 浩毅, 小山 秀一, 山口 美知雄, 根津 欣典, 多川 政弘, 内野 富弥, 廣瀬 昶
    日本獣医師会雑誌
    2008年 61 巻 2 号 141-144
    発行日: 2008/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    10歳齢のウエストハイランド・ホワイト・テリアが, 失神を主訴とした洞不全症候群の症状の治療のためペースメーカーの設置を受けた. その後, 一般状態は良好に推移していたが, 設置6カ月後に突然の活力低下および腹部膨満を主訴に来院した. 検査により脾臓腫瘤を認めたため, 脾臓全摘手術を行った. 周術期の麻酔薬負荷や手術侵襲を含め, ペースメーカー設置後には頻脈発作は発現しなかった.
  • 戸谷 直樹, 吉田 和彦, 黒田 徹, 山崎 洋次
    日本臨床外科学会雑誌
    2004年 65 巻 4 号 1072-1075
    発行日: 2004/04/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    脾動脈瘤に対する待機手術として,脾門部吊り上げ法による腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    を施行して良好な結果を得たので報告する.症例は45歳,女性.腹部超音波検査で脾門部に径2×2 cmの脾動脈瘤を指摘され手術目的に入院した.手術は,右側臥位で腹腔鏡下に
    脾臓摘出術
    を行った. 5mmと10mm径のトロッカーを左肋弓下線に沿って4カ所に留置した.最も外側のトロッカーからsnake retractorを挿入して脾門部を腹側に牽引することによって,脾動静脈の安全な展開が可能であった.術後は特に問題なく退院した.腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    は術後入院期間の短縮や術後疼痛の軽減が期待できるため,脾動脈瘤に対して積極的に考慮すべき術式と考えられる.また脾門部吊り上げ法によって安全に脾門部の処理が可能であった.
  • 吉住 朋晴, 伊藤 心二, 播本 憲史, 原田 昇, 長尾 吉泰, 赤星 朋比古, 前原 喜彦
    日本門脈圧亢進症学会雑誌
    2017年 23 巻 4 号 256-261
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/01/11
    ジャーナル フリー

    生体肝移植術中

    脾臓摘出術
    の効果と影響について検討した.初回成人間生体肝移植を施行した482例を脾臓摘出併施した302例(摘出群)と併施しなかった180例(非摘出群)に分けた.脾臓摘出群で術後14日目の総ビリルビン値は低値,腹水量は少量,プロトロンビン活性は高値であった.術後敗血症と急性拒絶反応の頻度は,脾臓摘出群で低かった.脾臓摘出に起因する術後膵液瘻を26例(5.4%),術後門脈血栓・脾門部断端からの出血を各々5例(1.0%),脾臓摘出後重症感染症を3例に認めた.6か月・10年グラフト生存率は脾臓摘出群では93.4%・73.7%,非摘出群では84.3%・64.9%と脾臓摘出群で有意に良好であった.多変量解析で脾臓摘出非施行とMELD値22以上が,生体肝移植後6か月以内グラフトロスの独立危険因子であった.生体肝移植術中
    脾臓摘出術
    により,生体肝移植後グラフト生存率が改善する可能性が示された.

  • 佐々木 教之, 下沖 収, 上杉 憲幸, 佐々木 章
    岩手医学雑誌
    2018年 70 巻 2 号 59-63
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/31
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は66歳,女性.横行結腸癌術後で当科に定期通院していた.平成27年9月の腹部造影CT検査で脾腫瘍を認め,増大傾向にあることから転移性脾腫瘍,血管腫,悪性リンパ腫などが疑われた.平成28年5月
    脾臓摘出術
    を施行し,病理組織診断で血管肉腫の診断が得られた.脾臓原発血管肉腫の悪性度は高く,予後はきわめて不良である.今回,脾臓原発血管肉腫の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
  • 袖山 治嗣, 花崎 和弘, 若林 正夫, 五十嵐 淳, 中田 伸司, 川村 信之, 宮崎 忠昭
    日本消化器外科学会雑誌
    1998年 31 巻 8 号 1857-1861
    発行日: 1998年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    特発性血小板減少性紫斑病10症例に腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    を施行した.最近の5症例には, 頭側高位の右側臥位でハーモニック・スカルペル (LCS) を用いて胃脾間膜などの切離を行い, 最後にエンドカッターで脾門部を一括処理する術式を施行した.1例は出血のため開腹に移行したが, 他の4例では出血のコントロールも容易であり, 平均手術時間は1時間37分で従来の腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    5例の平均3時間10分より有意に短時間で開腹手術と同様であった.術後経過も順調で, 重篤な合併症も経験しなかった.本術式は特発性血小板減少性紫斑病症例に対する優れた術式であると考えられた.
  • 松岡 慎, 冨永 芳博, 後藤 憲彦, 植木 常雄, 宇野 暢晃, 佐藤 哲彦, 片山 昭男, 幅 俊人, 打田 和治
    日本透析医学会雑誌
    2006年 39 巻 1 号 39-42
    発行日: 2006/01/28
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    【目的・対象】当院では, 1972年以降704例の生体腎移植を施行してきた. 1993年以降52例のABO血液型不適合腎移植を経験した. 2001年4月以降ABO血液型不適合腎移植レシピエントの血液透析患者21名に対し, 腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    を施行し, これらの症例の詳細を検証した. 【方法】生体腎移植2週間前に全身麻酔下, Iateral approach, 脾門部一括処理法により, 3穴式にて, 腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    を施行した. 【成績】平均手術時間131.7±45.8 (SD) 分, 平均出血量193.0±505.8mLであった. 21例中1例 (4.8%) で出血のため開腹手術に移行した. 鏡視下で遂行した20例では輸血を要した症例はなかったものの, 開腹手術を施行した症例では輸血を要した. また, この症例は術後高アミラーゼ血症を発症し, 腎移植を一時延期した. 移植後腎機能は全例良好であった. 鏡視下で遂行した20例では術後第1病日に離床可能で, 美容的にも満足のいくものであった. 【結論】血液透析中のABO血液型不適合腎移植レシピエントに対する腹腔鏡下
    脾臓摘出術
    は, 比較的安全で, 安定した術式と考えた.
  • 渋谷 進, 高瀬 靖広, 深尾 立, 岡村 隆夫, 岩崎 洋治, 長澤 俊郎, 阿部 帥
    日本臨床外科医学会雑誌
    1983年 44 巻 8 号 1062-1066
    発行日: 1983/08/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    特発性血小板減少性紫斑病(以下ITP)の治療には副腎皮質ホルモンを主体とした内科的治療と
    脾臓摘出術
    (以下脾摘)が施行されてきた.近年, ITPに脾摘を施行した成績は内科的療法の寛解率よりも良好であると報告されている.しかし,未だ脾摘の有効性を術前に予知する方法は確立されていない.今回, ITPに脾摘を施行した8例の脾摘の結果と術前,術後の検査所見を対比し,術前あるいは,術直後に脾摘の有効性を判定しうるか否かを検討した.
    観察対象は最近脾摘を施行したITP 8例であり, 8例中7例は術前に内科的療法を受け, 1例は脾摘を第1治療法とした.脾摘の効果判定は術後1ヵ月以後の平均血小板数が150×103/cmm以上に維持された症例を完全寛解とし,術前の血小板数より増加した症例を有効と判定した.術前検査項目として,年令推定発症時期から脾摘までの期間,術前1ヵ月以内の平均血小板数と平均血小板容積, 51Cr法による血小板寿命と血小板破壊場所(脾/肝比)を取り上げ,術後検査項目として,血小板数の最高値,血小板数が最高値に達するまでの期間,平均血小板容積の変化,脾重量を取り上げた.
    完全寛解例は8例中4例,有効例は3例,無効例は1例であった.完全寛解例群と有効および無効例群に分け,術前検査6項目を対比した結果,完全寛解例では平均血小板数が有効および無効例群に比し高値であり,血小板破壊場所では脾優位で脾/肝比が高い例が多くみられた.その他4項目では両群に明らかな差はなかった.次に術後検査4項目を対比した結果,完全寛解例では術後血小板数の最高値が400×103/cmm以上であり,平均血小板容積の減少が認められた.脾重量では重量の重い症例の多くに完全寛解例が認められた.
    術前検査のみでは脾摘の効果判定は困難であるが,術後数週の経過を加味することにより,予後の判定は可能であると考えられた.
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