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クエリ検索: "色覚異常"
1,255件中 1-20の結果を表示しています
  • 鈴木 永子, 天野 みゆき, 河合 美重子, 馬嶋 昭生
    日本視能訓練士協会誌
    1992年 20 巻 190-195
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    先天性
    色覚異常
    は治療の対象ではないが,社会生活上の適切な指導を行うことが眼科の重要な役割である。我々は,1986年から1990年に愛知県総合保健センター視力診断部を受診した先天性
    色覚異常
    者296名について,面接をしながら日常生活における色の誤認を中心に調査を行った。対象者はアノマロスコープにより第1色弱(PA)46名,第1色盲(P)35名,第2色弱(DA)93名,第2色盲(D)122名に分類された。異常の程度は,A OH-R-R表,東京医大式色覚検査表,大熊曲線表,市川式ランタン(ランタン),パネルD-15(D-15)により判定した。その結果,色に対する不都合の経験が有る者の割合は,PA,P,DA,Dについてそれぞれ約41%,74%,32%,74%であり,各表において強いと判定される者,ランタンで4/9以上の誤りをする者,D-15においてはfailする者ほど,より不都合を経験していた。
  • 塩釜(笹川) 裕子, 宮本 正
    日本視能訓練士協会誌
    2020年 49 巻 205-210
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー

    【目的】

    色覚異常
    者に対し、色誤認を認識させる目的で作成された「先天
    色覚異常
    の方のための色の確認表」の妥当性を検証する。

    【対象及び方法】120人の

    色覚異常
    者に対し、アノマロスコープを用いて対象を1型2色覚、2型2色覚、1型3色覚、2型3色覚に分類し、それぞれに対して「先天
    色覚異常
    の方のための色の確認表」を提示し、正答表数及び正答率を算出した。さらにパネルD-15を用いて、異常3色覚をパネルD-15pass群とfail群に分類して正答表数を算出し、検証を行った。

    【結果】1型と2型の差は見られなかったが、2色覚と異常3色覚の差は大きかった。異常3色覚の約半数が表を誤答し、2色覚では全表正解者は一人もいなかった。また、パネルD-15pass群がfail群に比べてわずかに正答率が高かったが、著明な差はなかった。

    【結論】「先天

    色覚異常
    の方のための色の確認表」は異常3色覚の半数、及び2色覚全員に対して色誤認を認識させることが可能であり、その妥当性は立証された。さらに、パネルD-15併用をすると、
    色覚異常
    者に対して色誤認の実用的なカウンセリングが可能になる。

  • 高柳 泰世, 宮尾 克, 古田 真司
    学校保健研究
    2010年 52 巻 1 号 63-70
    発行日: 2010/04/20
    公開日: 2023/05/08
    ジャーナル フリー

     The color vision test was deleted from school health checks in April 2003 in Japan, but there remains a need to know which children will require special color consideration in classroom activities. The Color Mate Test(CMT)was developed specifically to test for such needs, but the Ishihara Color Charts and the Farnsworth D-15 Test(Panel D-15 Test)continue to be used with greater frequency. The aim of this study was to clarify the characteristics of the CMT through comparison with other color vision tests.

     Study I: The subjects were 1,017 students(915 boys, 102 girls)who made mistakes in reading the Ishihara Test Charts when they were second year middle school students in 2000 and 2001, and later underwent secondary tests by the Nagoya City Board of Education. These students were dichotomized into pass or fail groups according to their Panel D-15 results. Students in the fail group were further classified as protan(P; red color deficiency)or deutan (D; green color deficiency). The Panel D-15 pass group misread an average of 0.57 cards on the CMT, while the P group misread 1.85 cards, and the D group misread 1.75 cards.

     Study II: The subjects were 47 males(age: 29.9 ± 16.9 years; mean ± SD)who underwent a detailed color vision examination between April 2005 and June 2009. Two kinds of color naming test(using color pencils and colored electric wires)were given to test for color discrimination problems in daily life. Using a standard of whether or not all the colors were named correctly in the respective tests, the color sensitivity and specificity were obtained with the CMT and Panel D-15. In the relationship between the CMT test and color naming mistakes, sensitivity was 100% and specificity was 43% with the color pencils, and sensitivity was 100% and specificity was 42% with the electrical wires. In a similar analysis with the results of the Panel D-15, sensitivity was 100% and specificity was 27% for color pencils, and sensitivity was 88% and specificity was 21% for colored wires.

     These results indicate that CMT is the most accurate measure of color discrimination ability in daily life, followed by the Panel D-15. The Ishihara test should be considered unsuitable for evaluating color discrimination ability in daily life. When there is a need to evaluate real-life color discrimination ability, evaluations using common colored objects are the most appropriate way to do this.

  • 天野 みゆき, 鈴木 永子, 河合 美重子, 馬嶋 昭生
    日本視能訓練士協会誌
    1992年 20 巻 182-189
    発行日: 1992/11/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    1986年より1990年までの間に愛知県総合保健センター視力診断部色覚外来を受診した
    色覚異常
    者296名(第1色盲35名,第1色弱46名,第2色盲122名,第2色弱93名)に対して,AO H-R-R表(H-R-R表),東京医大式色覚検査表(TMC表),大熊曲線表(大熊表)による程度判定と,市川式ランタン,パネルD-15によるpass fail分類を行ない結果を比較した。色盲表3表は
    色覚異常
    の程度分類につき,それぞれ独自の基準を持っている。296名のうち3表共に程度判定が一致するものは72名であり,3表共にそれぞれ異なった程度に判定されたものは41名いた。各色盲表の特徴として,H-R-R表は第1異常,第2異常共に強度に判定されるものは少なく,TMC表では2色型色覚である強度をよく判定した。また,大熊表は第1異常は軽く判定され,第2異常は強く判定される傾向を持った。パネルD-15においては2色型色覚の97%と異常3色型色覚の23%がfailを示し,機能的色盲と色弱および正常とを適度に区別した。また,2色型色覚の殆どが定型的なパターンを示したのに対し,異常3色型色覚では多くが非定型的なパターンを示した。
  • 小鷲 宏昭, 西岡 大輔, 山口 咲子, 安達 恵利香, 松岡 久美子, 林 孝雄
    日本視能訓練士協会誌
    2017年 46 巻 231-237
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/17
    ジャーナル フリー

    【目的】色覚検査において正常と診断されても色弁別能が弱いものは、Low normal color visionと呼ばれる。今回我々は、色覚検査では正常色覚と診断できるが、アノマロスコープにて混色等色域の拡大がみられる、Low normal color visionと考えられた父娘例を経験したので報告する。

    【症例】17歳、女子。母親に

    色覚異常
    を指摘され来院した。今まで色覚検査を受けたことはなく、私生活においても不便さを感じていなかった。石原色覚検査表Ⅱで誤読3表、Panel D-15はminor errorsであった。アノマロスコープでは正常Rayleighにて混色30-40へ等色範囲の広がりがみられたが、1型・2型Rayleighでは等色は起こらなかった。日常生活では赤と茶、青と緑を誤認することがあった。後日、両親に色覚検査を施行し、母親は全検査において正常であった。父親は石原色覚検査表Ⅱにて誤読1表、Panel D-15はno errors、アノマロスコープにて混色35-40へ等色範囲の軽度な広がりがみられたが、色誤認の経験はなかった。

    【結論】父娘ともアノマロスコープにて等色域の拡大がみられたことから、Low normal color vision と考えられた。石原色覚検査表やPanel D-15においておおむね正常と判定されても、僅かな誤りがある場合はアノマロスコープで精査することが重要である。

  • 長澤 和弘, 角田 朋子, 小田 浩一
    日本視能訓練士協会誌
    1999年 27 巻 263-269
    発行日: 1999/07/25
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    都内のある大学の学生を対象とした企業の求人票を調査し、求人票に色覚に関する制限の記載があるものを全て抽出した。抽出された企業の採用担当者に電話で質問を実施し、先天
    色覚異常
    に対する企業側の認識を調査した。求人票に制限を記載している企業は全体の2.1%と少数だったが、現在制限を行っている企業の多くは、応募者の職業適性を判断する上で採用上軽視できない要因として
    色覚異常
    を捉えていた。同時に、「色盲」という言葉に対して過度に深刻なイメージを抱く企業がいまだ少なくないこと、現在の眼科における
    色覚異常
    の程度判定が実際的でない、との不満が企業側に存在することが明らかになった。
  • 石見 大八
    日本良導絡自律神経雑誌
    1982年 27 巻 7 号 147-151
    発行日: 1982/07/15
    公開日: 2011/10/18
    ジャーナル フリー
  • 小野寺 朝美, 林 孝彰, 柏田 てい子, 北川 貴明, 竹内 智一, 久保 朗子, 浦島 充佳, 常岡 寛
    日本視能訓練士協会誌
    2009年 38 巻 245-249
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/25
    ジャーナル フリー
    目的:先天赤緑
    色覚異常
    者に対し、Lanthony desaturated panel D-15 test(desaturated test)及び市川式ランタン(ランタン)を行い、程度判定の成績について検討した。
    対象および方法:対象は、アノマロスコープで異常3色覚と診断されpanel D-15をpassした中で、矯正視力1.0以上、眼疾患を認めない159例(1型3色覚者53例、2型3色覚者106例)である。ランタンの成績(9組中の誤答数)を3/9以下(成績良好群)と4/9以上(成績不良群)の2群に分け、両群でdesaturated testの成績(passもしくはfail)に差があるかについて、フィッシャーの直接確率検定またはχ2検定を行った。有意水準5%未満を有意差ありとした。
    結果:1型3色覚の成績良好群(n=12)では、desaturated testをpassが11例でfailが1例、成績不良群(n=41)では、desaturated testをpassが24例でfailが17例であった。成績良好であれば、passする割合が有意に(p=0.03)高かった。2型3色覚の成績良好群(n=36)ではdesaturated testをpassが33例でfailが3例、成績不良群(n=70)では、desaturated testをpassが56例でfailが14例で有意差(p=0.10)はなかったが、1型3色覚と同様な傾向がみられた。
    結論:市川式ランタンは、desaturated testで検出するよりもさらに軽度な
    色覚異常
    の検出に有用である可能性が考えられた。
  • 塩釜(笹川) 裕子, 宮本 正
    日本視能訓練士協会誌
    2023年 53 巻 141-146
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/02/29
    ジャーナル フリー

    【目的】色覚補正眼鏡ダルトンレンズの有効性の報告。

    【症例】1型2色覚、 2型2色覚各1名に対してダルトンレンズを装用して検査を行い、色の識別が改善するかを調べた。検査に用いたのは石原式色覚検査表、東京医大式色覚検査表、パネルD-15、アノマロスコープ、日本眼科医会ホームページの「

    色覚異常
    者が見分けにくい色の組み合わせ例」、風景と身近な物の画像である。約半数の検査で改善が見られた。

    【結論】ダルトンレンズを用いると赤系統の色が明るく、緑系統の色が暗くなり、色を識別しやすくなる。効果は限定的で正常色覚を得られなかったが、適切なダルトンレンズを使用すれば

    色覚異常
    者の生活の質が向上する場合がある。

  • 大畑 深志, 工藤 博章, 松本 哲也, 竹内 義則, 大西 昇
    電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌)
    2010年 130 巻 12 号 2176-2177
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2010/12/01
    ジャーナル フリー
    This paper proposes the method to convert digital image containing distinguishing difficulty sets of colors into the image with high visibility. We set up four criteria, automatically processing by a computer, retaining continuity in color space, not making images into lower visible for people with normal color vision, and not making images not originally having distinguishing difficulty sets of colors into lower visible. We conducted the psychological experiment. We obtained the result that the visibility of a converted image had been improved at 60% for 40 images, and we confirmed the main criterion of the continuity in color space was kept.
  • 中村 真奈巳, 坂東 由美子, 深見 嘉一郎
    日本視能訓練士協会誌
    1993年 21 巻 87-90
    発行日: 1993/12/31
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    先天
    色覚異常
    者にとって社会適性は重要な意味を示す.わが国では,Farnsworthが発表した適性分類を,馬嶋が修正した馬嶋適性基準が広く認められている.パネルD-5とランタンテストの,二種の検査からなる馬嶋適性基準は,その検査のボーダーラインが重要になる.パネルD-15でpassと判定されるか,failと判定されるかによって,中等度となるか,強度になるかの差が出てくる.これは,社会的にも大きく左右される為,パネルD-15のクロスシングライン数を調べ,考察した.
    結果,パネルD-15のボーダーラインは,3~5本と考えた.Farnsworthは,2本以上をfailとしたが,6本以上をfailとして考察した.6本以上をfailとすると,類型分類は,アノマロスコープのそれとほぼ,一致した.パネルD-15の判定には客観的基準が必要と考えた.
  • 三原 優輝, 溝上 陽子
    日本色彩学会誌
    2017年 41 巻 6+ 号 1-2
    発行日: 2017/11/01
    公開日: 2018/02/20
    ジャーナル フリー

     

    色覚異常
    には様々なタイプや程度があると言われている.現在のところ
    色覚異常
    の強度を測定するには,専門機関に行ったり,特殊な機器が必要だったりすることから,個人の
    色覚異常
    の強度を知ることは困難である.特殊な装置を使わずに個人の
    色覚異常
    の強度を簡便に測定することができれば,
    色覚異常
    者が各々の強度を把握することができ,またその強度に適した色覚補正を提供することが可能になる.そこで本研究では新しい測定手法を提案し,ここで用いる実験手法が,
    色覚異常
    の強度測定に有効かどうかを検証する.その結果をもとに,より簡単な測定手法を提供する可能性を検証する.本研究では,多数の1 型,2 型被験者を対象に,ディスプレイを用いた色弁別実験を行った.この実験によって,混同色線上における弁別閾を測定した.その結果,アノマロスコープによる
    色覚異常
    の判定が強度であるほど弁別閾が大きい傾向が得られた.これらの結果から,誰でも簡単に
    色覚異常
    の強度を測定できる手法を提供できる可能性が示唆された.

  • 塩釜 裕子, 宮本 正
    日本視能訓練士協会誌
    2014年 43 巻 287-295
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/19
    ジャーナル フリー
    【目的】色覚補正眼鏡の一種であるカラービューに対する有効性を検討すること。
    【対象と方法】カラービューを用いて以下の四項目について検討した。①石原色覚検査表の誤読数及び、パネルD-15の横断線が減少するか。②20色の色の名前を正しく答えられるようになるか。③日本眼科学会ホームページに記してある、先天赤緑
    色覚異常
    が見分けにくい色の組み合わせの各二色(8種類、合計16色)が見分けやすくなるか。④「先天
    色覚異常
    の方のための色の確認表」を用いて複数の色から色名を用いて特定の色を選択できるようになるか。これらは1型2色覚、1型3色覚、2型2色覚、2型3色覚、各1名、合計4名の
    色覚異常
    者の協力を得て行った。
    【結果】カラービューの使用によって結果は以下のようになった。①石原色覚検査表の誤読数とパネルD-15の横断線は減少した。②色名を正しく認識できるようにはならず、逆に色名がわかりにくくなる場合もあった。③検討した二色の多くが見分けやすくなった。④色名を用いて特定の色を選択することはできなかった。
    【結論】色覚補正眼鏡カラービューでは正常色覚者と全く同じ色の認識を得ることはできない。特に色の名称を正しく認識するのは不可能である。また、使用することによって逆に色を混同する場合もあった。だが、特定の二色間の識別に関しては有効であった。
  • 高田 有希子, 奥出 祥代, 林 孝彰, 原 涼子, 月花 環, 北川 貴明, 久保 朗子, 常岡 寛
    日本視能訓練士協会誌
    2013年 42 巻 147-153
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/03/13
    ジャーナル フリー
    【目的】後天
    色覚異常
    は網膜、視神経、大脳疾患の他に心因性視覚障害でしばしばみられる。今回、心因性が強く疑われた片眼性青黄
    色覚異常
    の1例を経験したので報告する。
    【症例】21歳女性。右眼の
    色覚異常
    を訴え2008年11月近医受診。矯正視力は両眼それぞれ1.2であった。前眼部、中間透光体、眼底、蛍光眼底造影検査に異常所見は認めなかった。Goldmann動的量的視野は正常で、頭部MRI にも異常はなかった。同年12月精査目的にて当院受診。Humphrey静的量的視野の平均偏差値は、white-on-whiteでは右-2.07dB、左+0.04dB。blue-on-yellowでは右-19.19dB(P<0.5%)、左-2.67dBであった。フラッシュ網膜電図、黄斑部局所網膜電図では、左右差なく正常振幅であった。パターンリバーサル視覚誘発電位でも左右差なく、P100の潜時・振幅は正常であった。石原色覚検査表は左右ともに全表正読、アノマロスコープは左右ともに正常等色値を示した。SPP-II、HRR表は、右青黄異常検出、左全表正読。パネルD-15は、右fail(tritanパターン)、左passであった。 100 Hue Testの総偏差点は、左は8であったが、右は180で青黄異常の特性を示した。約2年後、自覚症状の改善なく、色覚検査の結果もほぼ同様であった。
    【結論】症例は法学部の大学生である傍ら、発症半年程前から週4日以上アルバイトをしており、多忙な中人間関係にもストレスを感じていた背景が存在していた。明らかな器質的・形態的異常がないことから心因性
    色覚異常
    が強く疑われ、片眼性の青黄
    色覚異常
    の原因と考えた。
  • 松尾 博司, 坂本 健一, 虎谷 佳幸, 上田 賀美, 三国 英一, 西村 進, 近藤 漢, 南條 輝志男, 宮村 敬
    糖尿病
    1990年 33 巻 8 号 675-680
    発行日: 1990/08/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の
    色覚異常の程度を後天性色覚異常
    検査に適するLanthonyのNewColorTest (以下NCTと略する) で定量化し, さらにその程度と糖尿病における諸因子との関連性も併せて検討した.対象は健常者40名と糖尿病患者56名 (ただし先天性
    色覚異常
    者を除く) とし, NCTの分離検査を行なった.健常者のNCTのscoreは加齢とともに上昇傾向を示すも全て4点以下であった.糖尿病患者のNCTのscoreと, 推定罹病期間およびHbA1c値とは有意な正の相関を示し, 心電図R-R間隔の変動係数とは有意な負の相関を示した.また, 糖尿病性網膜症を有する群 (20名meanscore7.90±1.51点) では, 有さない群 (35名meanscore3.03±0.56点) に比し有意 (P<0.01) にNCTのscore高値を示した.以上よりNCTは糖尿病患者の
    色覚異常
    を定量的に検索しうる有用な検査法と思われ, 糖尿病性合併症の一つとして
    色覚異常
    についても注目する必要があると考えられた.
  • 馬嶋 昭生
    日本視能訓練士協会誌
    1997年 25 巻 7-13
    発行日: 1997/07/20
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    ごく一部の眼科医と,彼らを支持する少数のいわゆる知名人は「学校保健法に基づく一斉色覚検査を全廃せよ」という運動を執拗に続けてきたが,色覚とその異常の本質を理解している研究者と,多くの眼科医の強い反対によって阻止された。しかし,文部省は,「小学校4年生で1度だけ行う」というこれらの意見の折衷案か妥協案のような改訂を行った。本論文では,全廃論に対する反論,小学校1年生での検査の重要性,今後の対策として学校現場での正しい検査法や事後の措置などを解説した。眼科医や視能訓練士は
    色覚異常
    者の視機能を十分に考慮した指導や助言ができる学識を身に付けることの重要性,色覚検査廃止論者の好んで使う「異常者の差別」という言葉の誤りを指摘した。筆者は,個人の好まない学校現場での一斉検査が他にもあるのに,全廃論者が何故に色覚検査のみに執拗に拘泥するのかその真意を知りたい。
  • 中山 敬三
    電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌)
    2019年 139 巻 5 号 246-252
    発行日: 2019/05/01
    公開日: 2019/05/01
    ジャーナル 認証あり

    For assist in color discrimination of color vision defects, the method of observing objects through colored filter have been known. If red filter, which absorbs mostly all light except red light, is used, only the red objects can be highly visible. In this paper, a Heilmeier type guest-host liquid crystal device with magenta dye was applied to a filter type assist device for red-green color vision defect. This device can easily control transmittance of green light by changing applied voltage, and make green objects perceived to flicker synchronously. The subjective appraisal of the assist device in color discrimination was performed by five participants with normal vision using a constructed experimental system using a video camera and a PC with a vision simulator. For the confusion indices of the Panel D-15 test, the effect of the device was statistically significant at p-value < 0.01. Moreover, a participant with color vision deficiency assessed it and got results without color confusion on the Panel D-15 test.

  • 高田 有希子, 奥出 祥代, 林 孝彰, 月花 環, 片桐 聡, 北川 貴明, 久保 朗子, 小島 博己, 常岡 寛
    日本視能訓練士協会誌
    2014年 43 巻 153-159
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/19
    ジャーナル フリー
    【目的】心因性視覚障害で、
    色覚異常
    を主訴として眼科受診するケースは少ない。今回、一過性の聴力障害後に、
    色覚異常
    を訴えた心因性視覚障害の1例を経験したので報告する。
    【症例】15歳女性。2013年1月頃より、一過性の左聴力障害を認めていたが、経過観察していた。同年2月右眼の
    色覚異常
    を自覚し、近医眼科を受診。同年3月精査目的にて当科受診となった。矯正視力は右眼1.5、左眼1.2であった。左右眼ともに前眼部、中間透光体、眼底に異常所見は認めず、Goldmann動的量的視野は正常で、網膜電図の潜時・振幅は正常範囲内であった。石原色覚検査表の分類表誤読数は右8表、左4表。パネルD-15では右fail、左passであった。Farnsworth-Munsell 100 Hue Test(F-M 100 Hue)の総偏差点は右148(正常範囲外)、左84(正常範囲内)であった。精査中、頭部MRIにて左聴神経腫瘍を認めた。2013年6月頃には自覚症状の改善を訴えており、同年7月再度色覚検査を行ったところ、石原色覚検査表誤読数は右2表、左1表。パネルD-15は左右眼それぞれpassと改善がみられた。F-M 100 Hueの総偏差点は右108、左124(ともに正常範囲外)であった。
    【結論】発症時、高校受験勉強の最中であり、一過性の左聴力障害などストレスとなる背景がいくつか存在していた。明らかな視路疾患や眼疾患がなかったことから、
    色覚異常
    は重複したストレスによる心因性視覚障害が原因であると思われた。
  • 色覚異常者の「色のイメージ」に関する研究より
    *鐸木 芳実, 李 昇姫
    日本デザイン学会研究発表大会概要集
    2011年 58 巻 P69
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では初めに
    色覚異常
    者の色のイメージについて調査を行い、調査結果・考察をまとめた。研究方法はアンケート形式で、感情を表す言葉など色をイメージできる言葉を見て、33色のカラーカードの中から1位~3位までを選んでもらうという内容。なぜその色を選んだのか、簡単な理由も記入してもらった。その結果、
    色覚異常
    者にとって青が「はっきりした」色であるらしいということがわかった。 次に
    色覚異常についての調査と色覚異常
    者へのインタビュー結果を受け、
    色覚異常
    者に使いやすいプロダクトの研究開発を行った。そこで
    色覚異常
    者や絵の具の使用に慣れていない小中学生にも使いやすい、粒状の絵の具「えのぐみ」を開発するに至った。
  • 土井 清人, 中村 篤雄, 中村 慎一, 岩橋 勝一, 中嶋 賛幸, 寺﨑 尚史, 一ツ松 勤, 森田 敏夫, 宇津 秀晃, 高須 修
    日本臨床救急医学会雑誌
    2018年 21 巻 6 号 744-748
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2018/12/31
    ジャーナル フリー

    大脳性

    色覚異常
    が病院選定の決め手となる重要な症状であった脳卒中症例を経験した。症例1は80歳の男性。バイタルサイン,身体所見から脳卒中を疑う所見に乏しかったが,
    色覚異常
    をとらえて脳卒中を疑うことで脳神経外科専門医施設への早期搬送につながった。頭部MRI検査で両側後頭葉脳梗塞と診断された。症例2は66歳の男性。言葉が出にくいとの訴えを聴取するも観察の所見では脳卒中の鑑別に苦慮したが,
    色覚異常
    をとらえたことで適切な医療機関の選定につながり,左側頭葉の皮質下出血と診断された。大脳性
    色覚異常
    を主症状とする脳卒中の存在は以前より知られており,責任病巣は後頭葉腹内側から側頭葉にある。病院前救護で
    色覚異常
    をとらえ,適切な病院選定につながった報告は過去になく,時間的猶予のない救護活動で身体所見や脳卒中スケールで脳卒中の鑑別に苦慮した場合に,簡便な
    色覚異常
    の観察を加えることで鑑別の精度向上に寄与したと考えられた。

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