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クエリ検索: "芹澤裕二"
11件中 1-11の結果を表示しています
  • 山中 聡, 赤坂 卓美, 中村 太士
    哺乳類科学
    2011年 51 巻 2 号 265-275
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/01/21
    ジャーナル フリー
    コウモリ類の音声データベースを構築するために,北海道内に生息するモモジロコウモリMyotis macrodactylusを対象に,コウモリのエコロケーションコール(以下,音声)の構造における地域的変異の有無を明らかにした.2009年6月から10月,北海道内7箇所(浦臼町,幌加内町,新得町,上士幌町,津別町,白糠町,七飯町)に調査地点を設け,計290個体の音声を得た.この音声を用いて,各調査地点に生息する個体の音声構造の調査地域間における関係,および各地域の個体サイズとの関係を検討した.モモジロコウモリの音声構造には明瞭な地域差は存在せず,また,調査地域間の体サイズには,地域差の存在が確認されたが,体サイズによって本種の音声構造は変化しなかった.これは,各調査地点において計測した5つの音声パラメーター(SF, EF, D, MF, PF)は,いずれも大きい変動係数を示しており,本種の音声構造は,地域差よりも個体差の方が大きいことが原因であると考えられる.本研究からは,本種が調査地域間を移動している可能性も否定できないが,いずれにせよ,北海道内のモモジロコウモリおいては,北海道全域で統一した音声データベースを構築することが可能であると思われる.今後,全国スケールでの本種の音声変異の把握とともに,他種の音声との比較が求められる.
  • 赤坂 卓美, 柳川 久, 佐々木 康治, 矢野 幹也, 山口 裕司
    森林野生動物研究会誌
    2004年 30 巻 9-14
    発行日: 2004年
    公開日: 2017/09/23
    ジャーナル フリー
    A bat survey was carried out July, August, and October 2003, Metou area, Ashoro-cho, north-eastern Tokachi , Hokkaido. Five species of bats were caught in mist nets: Myotis macroductylus, Myotis ikonnikovi, Barbastella leucomelas, Plecotus auritus and Murina ussuriensis.
  • 河原 淳, 森下 徹, 柳川 久
    森林野生動物研究会誌
    2003年 29 巻 12-18
    発行日: 2003年
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー
    A faunal survey of the bats of the western area of Hidaka, central Hokkaido, was carried out in August 2001 and September 2002. Four species were collected: Rhinolophus ferrumequinum, Murina leucogaster, Murina ussuriensis and Myotis macrodactylus. Rhinolophus ferrumequinum was found using two deserted houses in Hobetsu as their roosts. It was thought that they had been using them as breeding sites for two or more years. Murina leucogaster and M. ussuriensis were caught in mist nets in riparian forests in Shimukappu. Records of M. leucogaster from western Hokkaido are rare. A non-breeding colony of Myotis macrodactylus was discovered in an underpass in Shimukappu.
  • 脇 翔吾, 赤坂 卓美, 安藤 駿汰
    保全生態学研究
    2022年 27 巻 2 号 197-
    発行日: 2022/10/25
    公開日: 2023/01/01
    [早期公開] 公開日: 2022/10/25
    ジャーナル オープンアクセス
    J-STAGE Data

    今日急速に普及している風力発電は、温室効果ガスの削減に大きく貢献する一方で、コウモリ類の事故問題が顕在化してきている。しかし、近年大型風車と同様に普及が進んでいる小型風車による影響は軽視されてきた。そこで本研究では、小型風車によるコウモリ類への影響を把握することを目的に、北海道根室振興局内に存在する小型風車を対象に、小型風車の存在がコウモリ類の活動量に与える影響を明らかにした。キタクビワコウモリとヤマコウモリ属 /ヒナコウモリ属の活動量は風車直近の方が対照区(風車から 100 m以上離れた場所)よりも高かった。また、ホオヒゲコウモリ属の活動量は区間で違いはなかった。本研究の結果は、小型風車では、これまで大型風車で死亡リスクが高いといわれてきた属(キタクビワコウモリとヤマコウモリ属 /ヒナコウモリ属)だけでなく、死亡リスクが低いとされてきた属(ホオヒゲコウモリ属)も少なからず影響が受ける可能性を示唆する。このことから、今まで軽視されてきた小型風車におけるコウモリ類の保全対策は急務であると言える。

  • 秋山 礼, 山口 喜盛
    神奈川自然誌資料
    2024年 2024 巻 45 号 75-83
    発行日: 2024/03/20
    公開日: 2024/03/21
    ジャーナル フリー
  • 髙田 隼人, 戸田 美樹, 大西 信正, 南 正人
    哺乳類科学
    2017年 57 巻 1 号 69-75
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/11
    ジャーナル フリー

    活動期におけるテングコウモリ(Murina hilgendorfi)のねぐら利用様式を解明することを目的に,山梨県早川町において,廃坑および隧道,枯葉トラップ,ホウキギ(Bassia scoparia),家屋外壁を対象に2013年9月から2016年8月にかけてテングコウモリのねぐら利用を調査した.テングコウモリは5月から11月,特に5月から7月に,廃坑および隧道を利用した.枯葉トラップは9月にのみ利用され,他の季節には利用されなかった.ホウキギおよび家屋外壁は枯葉トラップよりも多くの時期に利用が観察され,それぞれ6月,8月,9月,10月と6月,10月に観察された.枯葉のように身を隠すことができる構造物よりも,むしろ体を外部にさらす構造物を頻繁に利用することが示唆された.6月,8月,9月,10月には構造の異なる複数のねぐらタイプを同時期に利用した.また,連続したねぐら利用の調査から,数日間もしくは1日ごとにねぐらを頻繁に変えていることが示唆された.

  • 谷岡 仁
    哺乳類科学
    2016年 56 巻 2 号 167-177
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/02/07
    ジャーナル フリー

    コテングコウモリMurina ussuriensisのねぐら利用が確認されている麻製の模擬枯葉を,2015年4月下旬から2015年11月下旬にかけて四国剣山山地の森林内に設置して利用状況を調査した.模擬枯葉は,林床近く(低位置)と樹冠部近く(高位置)に複数設置した.その結果,妊娠から出産哺育期にあたる4月下旬から6月下旬にかけては,複数メスによる単一模擬枯葉の利用が毎回観察され,6月には幼獣を含む哺育集団が高位置の模擬枯葉で確認された.集団内の成獣や幼獣の数は毎回変化し,利用された模擬枯葉もほぼ毎回異なった.一方,7月から11月下旬にかけてのメスによる模擬枯葉利用は稀で,すべて単独での利用だった.オスの模擬枯葉利用は調査期間を通して稀で,すべて単独での利用だった.コテングコウモリの出産哺育集団が人工のねぐらを利用した報告はこれまでなく,容易に製作できる模擬枯葉は観察が難しい本種の哺育生態を研究する道具の一つとして有用と考えられる.

  • 谷岡 仁
    四国自然史科学研究
    2013年 7 巻 16-31
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    The usage of artificial roosts by the Ussurian tube-nosed bat Murina ussuriensis was studied in the Shikoku Mountains from June 2011 to November 2012. This species has been known to use dead leaves as roosts in autumn. In this study the following items were used as artificial roosts; leaves of Mallotus japonicus , Macleaya cordata and Pelasites japonicus, hemp sack, and two kinds of paper trap. Bats were recorded 58 times from May to November 2012, and 21 individuals were released with a tag for identification. Frequent usages of the artificial roosts by bats were confirmed in autumn. Most results of this study agreed with those in previous reports from Kyushu, Japan.
  • 谷岡 仁
    四国自然史科学研究
    2018年 11 巻 16-33
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    The use of roosts by Ussurian tube-nosed bat (Murina ussuriensis) was studied using artificial dead leaves composed of hemp or paper. From mid-April 2013 to late November 2014, leaves were placed on branches in the lower layer of the forest. Groups of females were observed seven times from mid-May to mid-June, corresponding to the pregnancy period. The number of individuals in the roost changed in each observation. A mother and her infants were observed in mid-June, and two mothers and their infants were observed at the end of July. After August, females roosted individually, with one exception. The use of leaves by a single male was observed during the study period. Owing to recapture, some individuals tended to stay in the study sites or return to the site in the next spring.
  • 船越 公威, 長岡 研太, 竹山 光平, 犬童 まどか
    哺乳類科学
    2009年 49 巻 2 号 245-256
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/14
    ジャーナル フリー
    コテングコウモリMurina ussuriensisの枯葉(アカメガシワMallotus japonicus)トラップのねぐら利用とそのトラップ法の有効性について検証した.また,その利用結果から本種の繁殖生態について調査した.さらに,トラップ利用個体を用いて発信機装着による個体追跡を試みた.主要な調査地は鹿児島県霧島市の霧島神宮周辺と宮崎県都城市の御池周辺の照葉樹林である.地域や季節を通じた捕獲率は6~19%であったが,地域や季節によって大きく変化し,10月の霧島林と御池林では36%の高率であった.非繁殖期では雄の捕獲が大半を占めていたが,7月中旬には雌が頻繁に捕獲された.捕獲した個体から,南九州では出産が6月初旬で,広島県産よりも約1ヶ月早まることが示唆された.複数の成獣雌と幼獣からなる哺育集団が形成され,離乳期は7月中旬で幼獣はその頃から独立していた.また,交尾は10月がピークであると予想された.雄や非繁殖期の雌は単独でねぐらを利用するがねぐら間の距離が短いことから,ねぐら場所に対して単独的である一方,行動域は重複していた.トラップ法とテレメトリ法による個体追跡から,ねぐらは頻繁に替えられ,個体によっては比較的狭い範囲を移動していた.また,秋季には枯死倒木内をねぐらに利用していた.コテングコウモリの繁殖生態や社会構造を知る上でアカメガシワトラップ法の有効性が実証された.
  • 吉倉 智子, 村田 浩一, 三宅 隆, 石原 誠, 中川 雄三, 上條 隆志
    哺乳類科学
    2009年 49 巻 2 号 225-235
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/14
    ジャーナル フリー
    ニホンウサギコウモリ(Plecotus auritus sacrimontis)の出産保育コロニーの構造を明らかにすることを目的とし,本州中部の4ヶ所のコロニーで最長5年間の標識再捕獲調査を行った.出産保育コロニーの構造として,齢構成,コロニーサイズとその年次変化,性比および出生コロニーへの帰還率について解析した.また,初産年齢および齢別繁殖率についても解析した.本調査地におけるニホンウサギコウモリの出産保育コロニーは,母獣と幼獣(当歳獣)による7~33個体で構成されていた.また,各コロニー間でコロニーサイズやその年次変化に違いがみられた.幼獣の性比(オス比)は,4ヶ所のコロニー全体で54.2%であり,雌雄の偏りはみられなかったが,満1歳以上の未成獣個体を含む成獣の性比は1.0%とメスに強い偏りがみられた.オスの出生コロニーへの帰還率は,全コロニーでわずか3.6%(2/56)であった.一方,メスの翌年の帰還率は,4ヶ所のコロニーでそれぞれ高い順に78.9%,63.6%,16.7%,0%であった.初産年齢は満1歳または満2歳で,すべてのコロニーを合算した帰還個体の齢別繁殖率は,満1歳で50%(12/24),満2歳で100%(13/13)であった.また,満2歳以上のメスは全て母獣であり,出産年齢に達した後は毎年出産し続けていることが確認された.
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