本研究は,椅子座位時の大部の水平面に対する角度が臀部のずれ力と荷重量に及ぼす影響を検討することを目的として行った.対象は,体幹·下肢に疾患のない健常成人男性 15名であった.臀部のずれ力と荷重量の測定には,実験用の椅子上に設置した床反力計を使用した.測定肢位は,背もたれにもたれた安楽座位とし,足底と床の間の台の厚みを変化させた.その結果,臀部ずれ力に有意な差は認められず,臀部荷重量に有意な差がみられた.安楽椅子座位における大部水平面に対する角度(-10∼10°)は,臀部ずれ力には影響せず,荷重量に影響を及ぼすことを示唆していた.
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