1994~1997年に沖縄県内で分離された子牛由来Vero毒素産生性大腸菌 (verotoxin-producing
Escherichia coli: VTEC) 35株について, 血清型, 毒素産生性, 病原遺伝子, 薬剤感受性およびプラスミドプロファイルによる解析を行った. 血清型はO群型ではO111が8株, O26が4株, O157が2株, O113, O119, O124が各1株, Rough型6株, 型別不能12株であった. 逆受身ラテックス凝集反応法とPCR法によるVero毒素型別では, VT1産生菌が26株, VT2産生菌が8株, VT1とVT2産生菌が1株であった. また16株が病原遺伝子
eaeAを, 17株が
hlyAを保有していたが,
bfpおよび
aggRは全例陰性であった. 薬剤感受性では7剤多剤耐性株をはじめ, 23株 (65.7%) が供試10薬剤のいずれかに耐性であった. 分離株のすべては1~6種類のプラスミドを保有し, O157: H7株では90kbの病原性プラスミドおよび分子量の小さいプラスミドが確認された.
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