レーザー組織
血流計を用いた胃粘膜血流
量測定について検討した.肝硬変症例13例を対照として,レーザー組織
血流
計ALF2100(Advance社,東京)を用いて内視鏡下に胃体部,前庭部粘膜
血流
量,血液量を測定する一方,同症例に水素ガスクリアランス法電解式で測定し両者の比較を行った.胃前庭部,体部各7カ所で測定した
血流
量では変動係数CV0.03±0.01,0.16±0.04を示し,ほぼ再現性のある測定値が得られた.また,平均
血流
量は前庭部18±6ml/min/100g,胃体部23±8ml/min/100gと前庭部に比し体部で高値の傾向が認められた.一方,血液量の攀動係数では前庭部0.09±0.05,胃体部0.08±0.05とともに再現性のある値が示された.レーザー組織
血流計と電解式組織血流
計の測定値の検討では,電解式に比ベレーザー組織
血流
計では明らかに低値を示したが,両者に有意の相関は認められず,共にml/min/100g単位の測定値であるが測定原理の違いや穿刺法と接触法による差も考えられた. 以上,レーザー組織
血流
計は瞬時に連続測定が可能であり,胃粘膜
血流
量測定に有用な点も認められるが,他の方法で得られた粘膜
血流
量との比較検討など今後さらに,検討すべき点も考慮された.
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