TUL(Transurethral ureterolithotripsy, 経尿道的尿管砕石術)は細径半硬性尿管鏡や操作性の優れた軟性尿管鏡,ホルミウムレーザーにより,低侵襲で確実な手術法として広く普及し尿路結石症治療の主流になってきている.
現在においても,各種尿管鏡,レーザーファイバー,ガイドワイヤー,尿管アクセスシース,チップレスバスケット鉗子,生食還流システム等々多くの周辺機器の進化は止まらず,より容易に結石に到達,破砕,抽石できるようになっている.
しかし,材質もよく簡単に安全に使用できるよう進化し続けている近年のデバイスではあるが,強引な操作や誤った使い方をすると治療を完結できないばかりか,重篤な合併症をもひきおこす可能性がある.適切に使用するためには研ぎ澄まされた感覚,技術やトラブル時の対応などの知識,経験も必要である.
適切なデバイスの使用とスマートな内視鏡操作を習得すると,容易に結石に到達し短時間に砕石抽石する“かっこいいTUL”になる.
本特集ではTULの達人である済生会宇都宮病院の戸邊豊総先生,亀田総合病院の志賀直樹先生,鳥取市立病院の市川孝治先生,高知高須病院の松下和弘先生にお願いし,硬性尿管鏡と軟性尿管鏡においての結石へのアプローチと砕石抽石時に必要となるデバイスを解説していただく.またエビデンスにとらわれない有用な
裏技
,難しい症例やトラブル時の対応などについても触れてもらった.
本特集によりこれからTULをはじめられる諸氏にとってTULの名人になる助けになることを願っている.
抄録全体を表示