近年有明海では,M
2潮汐振幅の変化が注目を集めている。しかし,その原因については未だ一致した見解に達していない。本稿では,有明海周辺の検潮所における観測値,移動境界を有する3次元数値モデルの双方で,1981年~2001年の有明海におけるM
2潮汐振幅減少の原因について調べた。観測値と計算値の解析による一致した結果として,大浦での減少量5.2cmに対する諌早湾干拓事業の影響は約25%であることが判明した。また,有明海内のM
2潮汐振幅は外海のM
2潮汐振幅減少の影響でリニアに減少したのに対して,干拓事業の影響でM
2潮汐振幅は,大浦では減少,三角では変化なし,口之津では増大したことが明らかになった。
抄録全体を表示