エチルベンゼンの無触媒,高圧水素存在下の脱アルキル反応について研究を行なった。エチルベンゼンの脱アルキル反応は単純な脱エチル基反応のみでなく,トルエンおよびスチレン等を経る副反応を含むと報告されているが,本研究ではこれらの副反応を抑制する条件を選び,その条件の下(温度550℃,圧力25~100kg/cm
2)で実験を行なった。得られた実験結果を初速による解析,積分型を用いた解析,および水素を定数としての解析法等で検討した結果,いずれの場合においてもγ=
kP
E1/2PHの式で表わされることが実験的に確かめられた。更に温度を変化させて実験を行ない,活性化エネルギーおよび頻度定数を求めた。その結果,前者は52kcal/mol,後者は10
11mol/sec・ml・atm
1.5の値を得た。
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