〔はじめに〕ニトログリセリン製剤が通常の
輸液
セットに使用されているPVC(ポリ塩化ビニール)に吸着され,その薬効が低下してしまうため近年PVCフリー(ポリブタジエン製)タイプのポンプ用
輸液
セットの使用が当院では増加してきております.しかし
輸液セットにより輸液
ポンプを変えること(専用化)は,当院の
輸液
ポンプ保有台数から考えても無理があり,同一
輸液ポンプにて各種輸液
セットを使用しているのが現状です.また,院内での点検調整は,通常セットにて行っているのが現状です.そこで,当院で使用している各
輸液
セットでの流量誤差についての比較検討を行ったので報告する.〔測定方法〕当院で使用中の
輸液
ポンプ2機種STC-508・TE-161(テルモ)と通常ポンプ用
輸液
セットTS-PA200L(テルモ)とPVCフリー
輸液
セットTS-PA304L(テルモ)間で,NTG製剤と水を使用し,1ml/hr・3ml/hr・6ml/hrでの注入精度を6時間の測定にて比較検討した.〔測定結果〕同一
輸液
ポンプを使用しても,
輸液
セットにより流量精度には差があることが確認できた.〔考察および結語〕
輸液
ポンプ取扱説明書に記載されている流量精度は±10%となっている.院内での機器点検実施時は1種類の
輸液
セットにて行っており,そのセットにて正常範囲内に入るように調整している.しかし,他の
輸液
セットを使用した場合に必ずしも10%以内の誤差範囲に収まっているかは不明である.今回の測定結果からは,必ずしも範囲内に入っていない可能性が考えられた.今後,院内での流量精度については,10%よりも厳しい範囲にて調整することが必要であると考えられる.
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