本稿は,再度,ニュージーランドの財務報告制度の検討を行い,最近の財務報告制度の現状を会計基準設定構造から把握し,さらにニュージーランドの連結財務報告基準に焦点をあてて,
連結財務諸表
の作成基準について国際会計基準との収斂と乖離について若干の検討をすすめた.従来,ニュージーランドの
連結財務諸表
の作成は, 1987年10月公表(1990年10月改訂)のSSAP-8「企業結合の会計」に従って行われていた.その後, 2001年10月に3つの財務報告基準(FRS-36, 37, 38)がASRBによって承認されたため, IASとの相違点について検討を行った.その結果,細部において若干の乖離が見られたもののほぼ同様な内容となっていることが判明した.したがって, SSAP-8からFRS-36, 37, 38の公表によって連結会計においても法的効力が付与されたため,一層, IASへの収斂が進んだものと考えられる.
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