plaque中の
Str. mutansを比色定量法により, 間接的に測定し, う蝕活動性試験に応用することを試みた。
用いた培地は, 新たに開発した
Str. mutans選択培地-KKY培地-である。この培地は, グラム陰性菌発育阻止剤として, 0.1%Phenethyl Alcohol, 0.0075% Sodium Azideを含み, pH指示薬としてBromocresol Purpleを含む。また, C源にMannitolを用いた。
KKY培地の
Str. mutansに対する選択性を血清型a~g群の
Str. mutans各株を用い, 検討した結果, KKY培地はMS培地に比べ,
Str. mutansに対し発育阻止の認められないこと, および, agar plate上に黄色円形のsmooth型のコロニーの得られることが明らかとなった。また, これらのコロニーが直径3mmの大きさを示すのに対し, その他の口腔細菌はKKY agar上で全く発育しないか, 発育しても直径1mm以下のコロニーであった。
また, ヒトのplaqueを滅菌生理的食塩水で適当な濃度に希釈し, KKY agar上に接種した結果,
Str. mutansは大きな黄色コロニーとして選択されることが解かった。
そこで, このKKY培地の寒天濃度を下げ, 培地に流動性を与えたものをう蝕活動性試験液とし, う蝕罹患状況との関係を検討した。その結果, KKY testの判定結果は, 市販の二製品と比べ, う蝕の現症を表現する上において優れた成績をおさめた。
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