近年,洪水規模の拡大によって旧型式の鉄道橋りょうの橋台背面盛土において,侵食および流失被害が発生している.しかし,河川増水時の鉄道盛土の侵食・流失過程の基本的なメカニズムは明らかとなっていない.そのため,河川増水に対するRRR-B工法による強化復旧工の実績は少ない.そこで本研究では,旧型式の鉄道橋台を再現した模型橋台背面盛土を作製し,開水路実験を行った.この実験から鉄道橋の橋台背面盛土特有の侵食・流出メカニズムと,RRR-B工法による対策効果の検証を行った.その結果,翼壁と腰土留め背面にRRR-B工法による強化復旧工を行った場合には,盛土内にジオグリッドが敷設されるため,盛土内部の侵食・吸出しおよび盛土のり面陥没・崩壊の発生が抑制された.
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