(1) 禁忌食品に対する禁忌理由は動物性食品, 植物性食品に関しては医学や栄養学的知識に基づいて成立したと考えられるものは少く, 従って信憑性に乏しいものが多かった。
(2) 香辛・嗜好性食品に関する禁忌理由は, 迷信的なものと言うよりも医学や栄養知識と結びついたものが多かった。
(3) 不合理な禁忌理由であるにも関らず, 禁忌を守る者が (2, 3の食品を除いて) 40%以上であることは, 今後栄養指導の問題としてとりあげる必要がある。
(4) 推奨食品は動物性食品49種, 植物性食品67種, その他の食品34種, 合計150種で禁忌食品よりもその種類が少なかった。
(5) 推奨食品は出現頻度は昔から言い伝えられてきた食品よりも, 栄養知識の普及した結果と考えられる牛乳, 小魚, レバーなどにおいて高い傾向がみられた。
(6) 推奨理由は禁忌理由にみられたような不合理なものは少く, 大部分妥当性のあるものとみなされたが, 推奨理由を知らない者も多かった。
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