酸性ウレアーゼによるワイン中の尿素分解速度を測定したところ, 白及びロゼワインにおいては, 欧州産ワインにおける平均値の方が米国産ワインのそれよりも6-9倍大きく, 米国産ワインは欧州産ワインに比べて, 尿素が分解されにくいことがわかった。赤ワインにおいても同様の傾向があったが, 白及びロゼワインほどの大きな差は見られなかった。
フッ素含量と尿素の分解速度の間には有意な負の相関があり, かつ米国産ワインと欧州産ワイン間にはフッ素含量に有意な差が認められたので, 米国産ワインの尿素分解速度が低いのは, フッ素含量が原因であると考えられた。リンゴ酸と尿素分解速度の間には負の, L-乳酸含量との間には正の相関が認められた。
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