合成雲母の構成成分であるフッ素,MgO,K
2O,SiO
2,Al
2O
3等を過剰に添加した場合の合成雲母結晶析出に対する影響はすでに報告した。ここではそれ以外の元素としてとりあえず
鉄族元素
を酸化物の形で添加してその影響を調べた。その結果,雲母結晶析出に対する阻害度の大きなものはNiで,次がCo,Feの順となり,イオン半径の小さい元素ほど阻害度が大きいことがわかった。これらの元素を添加すると析出雲母は着色する。Feは褐色,Niは緑色,Coは桃色となるので単結晶をはがしてその吸光係数を測定した。また結晶間に介在する夾雑物をX 線分析して雲母中に置換しなかった余分の
鉄族元素
は酸化物,スピネル,オルトケイ酸塩等の形で雲母結晶間に夾雑雑物として析出することを確かめた。
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