最近, 国際水文学十年計画 (IHD) の一環として, 地上および地下に存在する多年性氷雪の世界的規模における調査がおこなわれる計画があるが, 日本では, 万年雪, 雪渓が多年性氷雪であるので, これを機会に, 現在までにおこなわれた雪渓調査の記録をまとめた.もっとも古いのは, 1916年, 大関久五郎による月山の万年雪の調査であり, 以後, 月山のほか, 北アルプスの劔岳, 鹿島槍ケ岳, 雄山, 穂高岳, 大雪山などにおける万年雪, 雪渓の調査がおこなわれている.これらの報告をできるだけ多く, かつ, 一部は原文を引用して, 日本における多年性の氷雪の分布に関する資料とした.
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