平治の乱については、同時代史料が皆無に近いことが原因してその実態が不明であり、これまで種々の推測がなされてきた。小稿は、初発の事件である三条焼き討ちを、後白河の意を受けた信頼が信西を除こうとした事件であるとする河内祥輔氏説を支持し、その補強を行った上で、自分なりに平治の乱を捉え直し、その認識の上に立って『平治物語』における信頼、光頼、清盛に関わる虚構を解明しようとするものである。
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