天然ガスを酸素により部分酸化して,いわゆる合成用ガスを生成する反応を4サイクル内燃機関を反応器として進めた場合の生成ガス組成,燃焼温度,排気温度および出力等を理論的に算出してすでに報告した。そこで,この理論計算の結果を,CFR-エンジンを用いて実験的に検討した。
圧縮比,点火時期および原料ガス混合比を変えて実験した結果,天然ガス・酸素の燃焼限界の上限近くの領域において乾ガス組成で水素および一酸化炭素をそれぞれ55~60%および40~35%含有するすぐれた組成の合成用ガスを生成し,同時にこの反応に使用した酸素を発生するために必要な動力を回収できることがわかった。さらに,これらの実験結果はさきに報告した理論計算の結果とよく一致し,理論計算の価値を改めて確認し,この方法が天然ガスから合成用有効ガスの生産に適していることを知った。
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