希土類系金属水素化物:MmNi
3.5Al
0.8Co
0.7,MmNi3
.8Al
0.3Mn
0.4Co
0.5,MmNi
3.55Al
0.3Mn
0.4Co
0.75およびMmNi
3.6Al
0.3Mn
0.4Co
0.7に着目し,負極材料としての電気化学的容量と合金の構造解析に関する研究を試みた。各合金組成の水素吸蔵量については,PCT(Pressure-Compositxon-Temperature)測定により求めたが,MmNi
3.5AlCo
0.7の組成が最小値を示し,MmNi3.8Al0.3Mn0.4Co0.5の組成が最大値を示した。この合金組成系をペレヅト状の電極として電気化学セルを構成し電気化学的容量を測定したところ,PCTから得られたデータと良い一致をみて,両者の相関性が高いことが確認された。電気化学的容量の最大値と最小値を示した試料に対し,LaNi
5の標準試料も含めてRietveld解析を実施し結晶構造を精密化した。両試料とも基本構造はLaNi5と同様であることが確認され,LaNi5を標準としたRietveld解析が可能となった。Al原子はNi原子のみから構成される層(3gサイト)に配位することが確認されt配位状態に関する有益な知見を得た。さらに格子定数の変化も観察され,a軸についてはLaNi
5>MmNi
3.8Al
0.3Mn
0.4Co
0.5>MmNi
3.5AI
0.8Co
0.7の順で長くなり,逆にc軸については正反対になることが判明した。電気化学的容星の大きさは,このa軸の長さと正の相関を示すことから,格子定数と電気化学容量との間には密接な関係があることを把握した。この結果は,金属水素化物への水素原子の吸蔵がa軸を主体に進行するという仮説を裏付けるものと考えた。
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