人の運動単位の収縮特性と放電パターン及び活動参加の特性等との問の関係について2, 3検討を行なった。
m. extensor digitorumの単一運動単位の放電を筋内埋入電極でとらえた。徐々に第2指伸展張力を増減させて単発スパイクを発現させた時の張力曲線を加算平均し, 単一運動単位の単収縮張力曲線を求めて, その特性と放電間隔の規則性及び活動参加の特性等との問の関係について若干の検索を行なった。
その結果, 人の同一筋内の運動単位において, 収縮時間はτ-S関係におけるτ
s値 (一定のS値における2値) との間に略比例関係がみられた。放電間隔の変動の少ないtonic NMUの方が収縮時間が大きく, slow contractionをする傾向があるので, 放電の規則性が筋の収縮時間に影響を及ぼすものと考えた。
(この実験の要旨は第30回日本体力医学会総会において報告した。)
擱筆に当り, 終始実験を勇気づけて下さった名取礼二学長に深甚の謝意を表する。また, 種々示唆を与えられた藤目講師及び実験に御助力下さった本杉道子夫人始め教室員の方々に深謝する。
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