接触皮膚炎患者の原因究明にパッチテストは有用であり, われわれの研究班では適切な試薬供給の目的で原因アレルゲンを選択しその貼布至適濃度を検討してJapanese StandardAllergen (JSA) として標準化してきた経緯がある。2015年夏よりわが国でも世界的に標準化されたパッチテストパネルが試薬として購入可能となり, 多くの臨床医が容易にパッチテストを行えるようになった。金属, ゴム, 化粧品, 防腐剤, 薬剤, 樹脂, 植物アレルゲンなど最近3年間の陽性率の結果を報告する。従来のアレルゲン陽性率に比べ金属アレルゲン, 特に金アレルゲン陽性率が高くなっている点が各施設で問題になり, 研究班では金陽性患者達の生活背景について詳細な検討を始めている。今後もわが国接触アレルギーの原因物質の指標となるJSA陽性率を集計し検討していきたい。
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