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クエリ検索: "関西共通語"
6件中 1-6の結果を表示しています
  • 舩木 礼子
    日本語の研究
    2020年 16 巻 2 号 105-113
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/08/14
    ジャーナル フリー
  • 辻 加代子
    社会言語科学
    2002年 5 巻 1 号 28-41
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2017/04/29
    ジャーナル フリー
    本稿は,京都市方言・高年層女性話者による談話資料および江戸時代後期上方洒落本(京都板)を資料として,各時代の敬語の運用実態および運用構造を談話分析の手法により解明し,中年層女性の実態と比較検討しつつ変容過程を明らかにすることを試みた.当該方言では日常のくだけた場面において素材待遇語の使用が第三者待遇に偏るとされる近畿中央部方言の敬語運用上の特質を顕著に示すと同時に,関西各地で隆盛が指摘されているハルが専一的に使用されており,尊敬語機能から三人称指標ともいえる機能への変質が認められる.高年層話者においては上記の特徴を強く帯びているもののハルの用法に尊敬語の特質をいくらか残し,江戸時代後期資料にみられる敬語運用には「第三者待遇に偏る素材待遇語の使用」は認められないが待遇の別により異なる敬語形式が用いられていることを具体的に明示した.洒落本資料のうち,天保7年刊行の『興斗の月』にハルの前駆的な形態とされるヤハルのもっとも早い用例が現れ,第三者待遇で使用されていることも明らかにした.
  • 安井 寿枝
    日本語の研究
    2008年 4 巻 2 号 29-44
    発行日: 2008/04/01
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    谷崎潤一郎『細雪』の中心人物である蒔岡家四姉妹の使用する、尊敬語について以下のことを論述する。四姉妹が使用する尊敬語には、関西方言であるものと、標準語であるものが存在する。中でも姉妹が最も使用している尊敬語は、はる敬語であり、姉妹によって接続に差があるものが見られた。五段動詞に注目すると、次女の幸子は、aはる型を多く使用し、末の妹である妙子は、やはる型の拗音を多く使用している。また、一段動詞では、姉妹に共通して「出る」「見る」のような語幹部分が一音節のものは、やはる型を使用し、「できる」「見せる」のような語幹部分が二音節のものは、i/eはる型を使用するという使い分けが見られた。その他、関西方言の尊敬語では、船場言葉としての「なさる」が存在している。その使用は船場言葉としては動詞+なさる型であり、標準語としては本動詞「する」の敬意型であった。標準語の尊敬語では、れる/られる型・お〜になる型・御〜型・いらっしゃる型・特定単語型が存在する。特に、れる/られる型では、不特定の人物に対する使用が確認された。このような使用は従来、はる敬語に限って見られる特徴とされている。
  • 中井 精一
    社会言語科学
    2002年 5 巻 1 号 42-55
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2017/04/29
    ジャーナル フリー
    畿内型待遇表現法には,これまでの研究から,話題とする第三者の社会的上下に対応して「ハル系(上)→アル系→オル系(下)」を用いるという運用ルールが存在することがわかっている.本論では,そういった運用のルールに加えて,これらの形式の使用に際しては,話題の第三者に対する話し手の認識や評価,感情などが関与していることを明らかにした.とともに,この運用ルールは,人間のみならず,雨などの非情物にも適用されることにも言及した.筆者は,畿内という限定された地域で運用される待遇表現法の考察に際しては,東日本方言型の待遇表現観とは別に,考察の基準を立てる必要があると考える.本論では西日本の中でも特に畿内に認められる特質は,近世以降の資本主義経済発達の中で,上下軸を形成する身分制度と並行して,経済力の多寡がものをいった都市社会を背景として生まれ,歴史的に畿内先進地域と呼びならわされてきた都市と都市周辺地域で認められる,都市言語の特徴であることを示唆するものである.
  • 西尾 純二
    社会言語科学
    2005年 7 巻 2 号 50-65
    発行日: 2005/03/30
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル フリー
    関西方言では,マイナス待遇表現形式としてヨルが用いられる.本稿では大阪府を中心とした関西若年層におけるヨルの表現性について,表現プロセスを考慮した待遇表現行動の観点から分析を行った.また,待遇表現行動には,関係性待遇と感情性待遇の2つの様式が認められる.ヨルは関係性待遇,感情性待遇のいずれの言語行動においても用いられ,目下という関係とマイナスの感情性のいずれも表示しうる.このような用法をもつ形式は,これまでに報告がないものである.さらに,スタイルの低さから,ヨルを使用することで発話に情意性が生じる。この情意性のために,ヨルは感情的に中立である「驚き」を表現する場面にも使用される.関西方言の待遇表現体系は,人間関係だけでなく,情意性を取り込んだものであり,待遇表現体系の類型を論じる新しい視点を導き出した.
  • 滝浦 真人
    社会言語科学
    2008年 11 巻 1 号 23-38
    発行日: 2008/08/31
    公開日: 2017/05/01
    ジャーナル フリー
    "忌避関係対冗談関係","敬語対タメ語","ネガティブ・ポライトネス対ポジティブ・ポライトネス"という3組の二項対立の間には平行関係が存在し,後二者は語用論的な性質をもつ点で"忌避関係〜冗談関係"という人類学的な区分と異なっている.本論文では,その2つの二項対立について,語用論的相対性に焦点を当てながら論じる.第一に,対人的な〈距離〉の表現手段である敬語は,非敬語とともに,話し手からの共感度に応じて人間関係を描画する.話し手が関係をどう見なすかによって描かれる像は異なり,それゆえこの働きは社会言語学的ではなく語用論的なものである.第二に,敬語は談話上で,"表敬""品位保持""あらたまり""疎外"そして"親愛"といった多様な機能を果たし,ときには,同じ形式を使用しても,遠隔的/近接的という正反対の効果が生じることさえある.鍵を握るのは文脈的要因の働きであること,そして,敬語と非敬語の談話上の働きを捉えるには,意味機能と語用論的機能を関数的に結びつける枠組の構築が必要であることを主張する.
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