都市内貨物自動車交通の中から定期集配送車両に着目し,その行動特性について,過去に実施のプローブ調査結果ならびに阪神高速道路のETCデータを用いて分析した.分析の結果,定期集配送車両は,集配送時の走行経路を選択するにあたり,経路の標準的な所要時間情報と併せて当該集配送の前後における集配送の存在等も意思決定要因としているものと考えられた.また,定期集配送車両は日々の所要時間の変動が大きくてもその走行経路を変更しない傾向にあり,集配送計画段階で相当程度の所要時間変動を見込んでいると考えられた.この見込むべき所要時間変動として,道路交通状況に起因する変動以外に運転者自身に起因する変動が存在し,各種道路交通施策の検討・評価の際には,この変動の影響を考慮する必要があるものと考えられた.
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