新規フッ素系二鎖型界面活性剤,特にポリフルオロアルキル鎖を2本持つアニオン界面活性剤および異種疎水基を持つアニオン界面活性剤(ハイブリッド界面活性剤)の合成と物性が概説されている。
例を挙げると,ポリフルオロアルキル鎖を2本持つアニオン界面活性剤のフッ化炭素鎖が増加すると,クラフト点や気・液界面における界面活性剤の分子占有面積は増加し,一方,ミセル形成濃度は減少したが,ミセル対イオン解離度はほぼ同じであった。さらに,水中で分散しているマグネタイト粒子に対するこれらの界面活性剤の凝集・分散能力は鎖長の増加に伴い増加した。
一方,異種疎水基を持つハイブリッド界面活性剤は,顕著な表面張力低下能を有し,炭化水素・水・炭化フッ素系油の3種類の液体を乳化できることが分かった。さらに,一部のハイブリッド界面活性剤は濃度増加に伴いミセルの構造が変化するため異常な溶液物性並びに粘弾性挙動を示すことを見いだした。
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