陽電子は独特の空孔検出能や電子とは異なる散乱・回折挙動を示し,物性プローブとして有用である.線形加速器により発生した高強度陽電子源を利用し,陽電子ビームの輸送磁場からの切離しやNi単結晶薄膜を用いた輝度増強機構からなる陽電子マイクロビーム光学系を考案した.現在,その陽電子マイクロビームを用いて透過型陽電子顕微鏡および陽電子プローブマイクロアナライザーを開発している.
現在進行中のILC(国際リニアコライダー)計画における陽電子源のアンジュレーター方式のバックアップとして検討されている電子ビーム駆動方式のシミュレーションを行い、電子源の捕獲効率を上げるための最適化を行った。GEANT, GPT, とSAD2つのシミュレーションソフトを使ってシミュレーションを行った。
磁場に対して斜め方向に伝播する磁気音波の衝撃波は、一部の電子を捕捉し超相対論的エネルギーに加速する。その捕捉電子が引き起こす不安定性によって、多次元電磁擾乱が大振幅となり、電子やイオンの加速を促進することが明らかになってきた。今回は、電子とイオンと陽電子からなる3成分プラズマについて相対論的電磁粒子シミュレーションを行い、陽電子加速における捕捉電子の効果について解析を行った結果を報告する。
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