本稿は、一九七○年代以降における韓国での石碑や木簡の出土文字資料の発見、とりわけ二○○○年代に入り、六~七世紀の新羅、百済木簡の出土が多くなるにつれて、当該時期の法制史研究が増大している点に注目して、朝鮮古代法制史研究の現状と課題を提示することに主眼をおいている。
とくに、韓国における古代朝鮮の法制史研究が活発化しているにもかかわらず、それらの研究の全容は日本の学界にほとんど紹介されていない状況に鑑み、本稿では、この間に発表された韓国における法制史関係の新たな研究動向を可能な限り詳細に紹介して論点を明確にすることに努めると共に、日本における戦後の既往の研究をふまえた上で、朝鮮古代法制史研究の現状と課題を提示する。
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