雨竜沼湿原
(北緯43°41′48″, 東経141°36′30″, 標高約850m) の堆積物の花粉分析を行なった。その結果, Ur-I:
Betula-Picea 帯, Ur-II:
Betula 帯, Ur-III:
Betula-Quercus-Ulmus-Juglans 帯, Ur-IV:
Quercus-Betula-Ulmus-Juglans 帯そしてUr-V:
Quercus-Betula 帯の5花粉帯を区分した。Ur-I帯, Ur-II帯, Ur-IIIとUr-IV帯およびUr-V帯は, 中村 (1968) の秩父別湿原のLG帯, R-I帯, R-II帯およびR-III帯にそれぞれ対比された。そして, Ur-I帯/Ur-II帯, Ur-II帯/Ur-III帯, Ur-III帯/Ur-IV帯, Ur-IV帯/Ur-V帯の境界の年代は, それぞれ約8,900y. B. P., 約8,200y. B. P., 約7,000y. B. P., 約3,800y. B. P. と見積もられた。晩氷期には,
雨竜沼湿原
は高山帯に位置したと言えるが, 後氷期の気候温暖期の植生については, 2つの推定が成り立つ。その1つは, 森林帯が上昇して,
雨竜沼湿原
が針広混交林帯に位置していた場合であり, 他の1つは,
雨竜沼湿原
周辺に森林植生が未発達であった場合である。
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