大規模地震などの災害時やチケット予約をするために電話をしたらかかりにくくなるということは誰でも経験していると思われる.それは,大勢の人が一斉に電話をかけることにより,
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に設備設計条件を超える大量のトラヒックがいちどきに流入することで,装置の処理能力が一時的に低下するとともに,通話できる量が著しく低下するという"輻輳"が起きたことに起因する.通信事業者は,輻輳によって110番通話のような緊急性の高い通話が確保できなかったり,
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全体として設計通りの疎通が確保出来なかったりすることのないように,輻輳発生時には適正量のトラヒックのみを網に流入させるという"輻輳制御"を行い,網を適正な状態に保つ運用を行うことが必要であると考えられる.本稿では,
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で輻輳が起きる仕組み,輻輳の種類,種類に応じた輻輳制御の仕方について解説するとともに網全体を把握して流入量を適正かつ迅速にコントロールできるオペレーションシステムが提案されており,その概要を解説する.
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