前弧海盆に堆積したストーム堆積物主体の宮崎層群の砂岩と泥岩において, 最近の地質年代学的な研究成果を基に各部層の代表的な絶対年代を検討し, 続成作用の進行度に関係の深い岩石の一軸圧縮強度との相関図を作成した. その結果, 新しい佐土原層(3.7Ma)においては, 砂岩より泥岩の方が大きい強度を示すものの, 生目層相当層(4.5Ma)より古い地層では両者の関係が逆転して泥岩より砂岩の強度の方が大きいことが判明した. さらに, 砂岩は泥岩より強度増加率が高いため, 時代が古くなるほど砂岩と泥岩の強度差は拡大することが判明した.
また, 今回求まった宮崎層群の砂岩と泥岩における絶対年代と一軸圧縮強度の相関図から, その地点に分布する宮崎層群の絶対年代(部層名)に基づいた適切な設計強度の設定が可能になると考えられる.
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